気候関連(変動)リスクへの関心が高まっています。

例えば、世界経済フォーラムは毎年ダボス会議に合わせて発生の可能性が高いグローバルリスクの上位5位を公表していますが、2011年以降環境問題に関連したリスクが上位を占めることが多くなり、2020年では1位が異常気象、2位が気候変動の緩和や適応への失敗、3位が自然災害、4位が生物多様性の喪失、5位が人災による環境被害となり、気候関連の環境問題が上位5位を独占するに至っています。

この気候関連リスクの開示に関して、そのフレームワークを提供したのがFSB(金融安定理事会)によって設立されたTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース : Task Force on Climate-related Financial Disclosures)です。開示フレームワークは2017年6月に最終報告書という形で公表されていますが、一般的にTCFD提言と呼ばれています。

同提言は金融セクター及び非金融セクターが行う気候関連リスクの開示に関する任意のフレームワークを提供するものですが、そもそもの趣旨は長期的リスクである気候関連リスクが企業に与える影響等を開示することで、そうした企業に投融資や保険引受を行う銀行、保険会社、アセットマネジャー、アセットオーナー等が投融資先の企業価値の毀損によって損害を被ることを避け、金融システムの安定を確保することにあります。

TCFD提言以降、年1回のステータスレポートが2回公表されており、気候関連リスクの開示実務はまだ始まったばかりです。
これから長い旅路を辿って、実務の醸成がなされていくものと思われます。
その長い旅路において読者の皆様のお役に立ちたいとの思いで、僭越ながら今回から筆を執らせて頂くことになりました。

TCFD提言に基づく開示に留まらず、究極の目的はそれを通じたサステナビリティへの貢献にあります。話題は多岐にわたることになりますが、お付き合いを賜れれば幸甚でございます。

ご紹介:TCFDに関するKPMGジャパンのサービス

KPMGジャパンでは、GSDアプローチによるTCFDアドバイザリーサービスを提供しています。
詳細は、ページ内の「お問合せフォーム」もしくは「ご依頼・ご相談 RFP(提案書依頼)」からお問い合わせください。
 

※ GSDアプローチとは、Gap analysis(TCFD最終提言とのギャップ分析)、Scenario analysis(シナリオ分析)、Disclosure analysis(開示内容・手法の妥当性分析)を指します。

はじめに

TCFDコンソーシアムがグリーン投資ガイダンスを公表
(シリーズ第1回)TCFDコンソーシアムがグリーン投資ガイダンスを公表しました。このガイダンスは投資家等に対してTCFD提言に基づく開示情報を読み解く際の視点を開設するものです。

サステナビリティ、SDGs、ESG、TCFD、EUタクソノミー
(シリーズ第22回)サステナビリティに関するキーワードとその関係を分かりやすく3分の動画で解説します。

サステナビリティに関するステークホルダーの期待
(シリーズ第23回)第22回で解説したサステナビリティに関する各ステークホルダー(取引先企業、消費者、銀行、投資家など)の期待を分かりやすく3分の動画で解説します。

投資家のサステナビリティに関するスタンス
(シリーズ第24回)気候変動リスクやESGなどのサステナビリティに関する投資家のスタンスに見られる変化について分かりやすく3分の動画で解説します。

TCFD提言を概観する

TCFD提言を概観する 1
(シリーズ第3回)TCFD提言等の経緯や概要、背景について解説します。

TCFD提言を概観する 2
(シリーズ第7回)開示フレームワークの概要や、ガバナンス・戦略・リスク管理の開示について解説します。  

TCFDと会計基準:IFRSとの関係
(シリーズ第10回)TCFDとIFRS(国際財務報告基準)との関係について解説します。

コーポレートガバナンスコードとTCFD
(シリーズ第26回)コーポレートガバナンス・コードの改訂案の中に、サステナビリティに関する開示の一つとして明らかにされたTCFD開示等を求める方針についてわかりやすく3分の動画で解説します。

EUタクソノミーとTCFDの比較
(シリーズ第27回)EUタクソノミーとTCFDの比較を解説します。

英国の上場企業TCFD義務化ルール
(シリーズ第28回)英国では2025年までに上場企業、大規模非公開企業等に対してTCFDが義務化されます。上場企業のルールを3分で概説します。

米国SECとESG・気候変動リスク
(シリーズ第29回)米国SECでは、ESG開示に関する施策を徐々に進めています。最近の米国SECの動きを3分で概説します。

TCFDと欧州サステナブルファイナンス

TCFDと欧州サステナブルファイナンス 1
(シリーズ第2回)欧州サステナブル・ファイナンスに関するアクションプラン公表の背景や、HLEG最終報告書の概要について解説します。

TCFDと欧州サステナブルファイナンス 2
(シリーズ第4回)8つのKey recommendationsを踏まえ、2つのOther Cross-Cutting Recommendations、5つのFinancial Institutions and Sectoral Recommendationsについて解説します。  

TCFDと欧州サステナブルファイナンス 3
(シリーズ第5回)アクションプラン(Action Plan : Financing Sustainable Growth)を解説します。

TCFDと欧州サステナブルファイナンス 4
(シリーズ第6回) アクションプランの目的2に関連した3つの施策、 目的3に関連した2つの施策について解説します。

TCFDと欧州タクソノミー
(シリーズ第8回)欧州サステナブルファイナンスの核となるコンセプトである、欧州タクソノミーについて解説します。

TCFDの義務化(強制適用)を模索する最近の動き
(シリーズ第9回)TCFDの義務化(強制適用)を模索する最近の主な動きについて解説します。

TCFDの義務化(強制適用)とCOP26
(シリーズ第11回)2020年の2月末に明らかにされたCOP26(第26回国連気候変動枠組条約締約国会議)のアジェンダについて解説します。

EUの非財務情報開示規制の改正動向
(シリーズ第12回)EUの非財務情報開示規制の改正動向について解説します。

EUの新サステナブルファイナンス戦略構想 その1
(シリーズ第14回)ECが公表した“CONSULTATION ON THE RENEWED SUSTAINABLE FINANCE STRATEGY”をご紹介します。

EUタクソノミーとESG・サステナビリティ開示1
(シリーズ第17回)2020年6月に成立したEUのタクソノミールール(Taxonomy Regulation : TR)の概要を解説します。

EUタクソノミーとESG・サステナビリティ開示2
(シリーズ第18回)2019年11月に成立したEUのESG・サステナビリティ関連開示ルールの概要を解説します。

英国がTCFD強制適用へ踏み出す
(シリーズ第20回)今回は、強制適用へ一歩踏み出した英国政府のコンサルテーションペーパーを概観します。

責任投資原則PRIによるEUタクソノミー適用テスト
(シリーズ第21回)今回は、PRIが公表したEUタクソノミー適用テストに関するレポートを概観します。

TCFD開示の義務化に向けた動き
(シリーズ第25回)TCFD開示は上場企業に対する任意の開示ルールですが、英国、香港などでは義務化の方向です。グローバルな義務化の動向を解説致します。

COVID-19(コロナ危機)対応

COVID-19と責任投資原則
(シリーズ第13回)国連の責任投資原則が公表した「責任投資家のCOVID-19(コロナ危機)への対処方法」をご紹介します。

COVID-19とガバナンス、そして気候変動リスク
(シリーズ第15回)ICGNから新型コロナウイルス対策として2020年4月23日に公表された“Statement of Shared Governance Responsibilities”をご紹介します。

COVID-19後のESG投資、投資家、経営者
(シリーズ第16回)新型コロナ危機後におけるESG投資を中心にご紹介します。

徒然考:TCFDとESGとCOVID-19
(シリーズ第19回)COVID-19に関連してTCFDとESGを俯瞰的に考察します。

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