【第11回~TCFDを旅する~】TCFDの義務化(強制適用)とCOP26

【第11回~TCFDを旅する~】TCFDの義務化(強制適用)とCOP26

TCFDを旅する ~サステナビリティを目指して~ 第11回:今回は2020年の2月末に明らかにされたCOP26(第26回国連気候変動枠組条約締約国会議)のアジェンダがテーマです。

加藤 俊治

KPMG サステナブルバリュー・ジャパン/LEAD of TCFD/Taxonomy group

あずさ監査法人

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本文中の意見等に関する部分については、筆者の私見であることをあらかじめお断りいたします。

1. はじめに

TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の最終提言に基づく開示は、気候関連(変動)リスクに関連する財務情報に係る任意のフレームワークですが、『第9回 TCFDの義務化(強制適用)を模索する最近の動き』でお伝えしたようにその義務化(強制適用)を模索する動きが出てきています。
今回は、2020年2月27日のイングランド銀行カーニー総裁のスピーチ“The Road to Glasgow”を中心に解説します。

カーニー総裁は、3月16日にベイリー新総裁に交代していますが、本稿ではカーニー総裁で統一します。

2. カーニー総裁のスピーチ

カーニー総裁は、イングランド銀行総裁及びCOP26におけるジョンソン首相のファイナンスアドバイザーという立場で、COP26のプライベートファイナンスに関するアジェンダ設定開始に関連したスピーチを行っています。

下記2点を強調しています。

  • 2020年11月のグラスゴーでのCOP26におけるプライベートファイナンスセクターの目的は、全てのファイナンスに関連した投融資の意思決定に気候変動を考慮することである。
  • そのために必要なものとして3つのR、開示(Reporting)、リスク管理(Risk management)、投資リターン(Return)である。

3つのRのうちTCFD開示の義務化に関連するのは開示です。
具体的には、

  • 義務化の前提としてTCFDに基づく開示の改善点を意思決定有用性、比較可能性、継続性と効率性の観点から検討する。
  • 2021年2022年のTCFDに基づく完全開示にコミットすること(その中にはスコープ1,2,3の排出量削減戦略などを含む)。
  • 投融資先の債務者・被投資会社に対してTCFDに基づく開示の継続性を要求することを推奨している。
  • COP26に向けてFSB(金融安定理事会)、IASB(国際会計基準審議会)、IOSCO(証券監督者国際機構)などの基準設定機関等と協力し、義務化に向けてベストのアプローチを模索する。

3. 今後に向けて

スピーチに添付された書面“COP26 private finance strategy to drive Whole Economy Transition”には、COP26では開示に関して国内・国際レベルにおいて開示の義務化に向けた可能な道筋について合意することを目指すとされています。
COP26のアジェンダ設定がカーニー総裁を中心に検討されると推測されることから、その言動には今後も注意を要するものと思われます。

追記(2020/4/7)
COP26は延期されました。延期後の開催予定日は未定です。

ご紹介:TCFD及びEUタクソノミーに関するKPMGジャパンのサービス等

KPMGジャパンでは、GSDアプローチによるTCFDアドバイザリーサービスを提供しています。
また、EUタクソノミーに関するご相談を受け付けています。
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※ GSDアプローチとは、Gap analysis(TCFD最終提言とのギャップ分析)、Scenario analysis(シナリオ分析)、Disclosure analysis(開示内容・手法の妥当性分析)を指します。

執筆者

KPMGジャパン
コーポレートガバナンスCoE/TCFDグループ
テクニカルディレクター 公認会計士 加藤 俊治

TCFDを旅する ~サステナビリティを目指して~

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