会計・監査情報 (2019.6-7)

会計・監査情報 (2019.6-7)

本稿は、あずさ監査法人のウェブサイト上に掲載している会計・監査ダイジェストのうち、2019年6月分と7月分の記事を再掲載したものです。

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本稿は、あずさ監査法人のウェブサイト上に掲載している会計・監査ダイジェストのうち、2019年6月分2019年7月分の記事を再掲載したものです。会計・監査ダイジェストは、日本基準、修正国際基準、国際基準及び米国基準の会計及び監査の主な動向を簡潔に紹介するニューズレターです。

I.日本基準

1. 法令等の改正

最終基準 
該当なし

 

公開草案 
該当なし

 

2. 会計基準等の公表(企業会計基準委員会(ASBJ))

最終基準
(1) ASBJ、改正「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」を公表
ASBJは2019年6月28日、改正実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」(以下「本改正実務対応報告」という)を公表した。
本改正実務対応報告により、2018年(平成30年)改正実務対応報告において検討の対象から除かれていた、国際財務報告基準第16号「リース」及び米国会計基準会計基準更新書第2016-02号「リース(Topic 842)」を対象に、修正項目として追加する項目の有無について検討が行われた結果、新たな修正項目の追加を行わないこととされた。
改正実務対応報告第18号は、公表日以後適用する。


あずさ監査法人の関連資料
ポイント解説速報(2019年7月5日発行)



(2) ASBJ、企業会計基準第30号「時価の算定に関する会計基準」等を公表
ASBJは2019年7月4日、企業会計基準第30号「時価の算定に関する会計基準」等(以下「本会計基準等」という)を公表した。本会計基準等は、主に金融商品の時価算定及びその開示について、国際的な会計基準との比較可能性を向上させるため、IFRS第13号「公正価値測定」の定めを基本的にはすべて取り入れている。ただし、我が国における実務等に配慮してその他の取扱いを定めている。
本会計基準等の主なポイントは以下のとおりである。

  • 金融商品及びトレーディング目的で保有する棚卸資産の時価算定に関するガイダンスや開示を定める会計基準等の新設及び既存の会計基準等の改正である。
  • IFRS第13号における「公正価値」と同様の定義が「時価」の定義として導入されている。この結果、その他有価証券について、期末前1ヵ月の平均価額の使用が禁止される。また、時価算定困難区分の廃止により、これまで時価算定困難区分だったもののうち、市場価格のない株式等以外には時価算定が要求される。
  • 時価の算定に用いるインプットはレベル1からレベル3に分類され、レベル1から優先的に使用する。算定された時価は、その算定において重要なインプットのレベルに応じて、レベル1の時価からレベル3の時価に分類し、レベルごとの時価総額など新たな注記が要求される。

2021年4月1日以後開始する事業年度の期首から適用する。ただし、2020年4月1日以後開始する事業年度の期首、又は、2020年3月31日以後終了する事業年度における年度末から早期適用することもできる。
なお、本会計基準等についての詳細は、本誌会計・監査/税務Topic[1]「【時価算定基準】求められるのは世界標準の「時価」」も参照のこと。


あずさ監査法人の関連資料
ポイント解説速報(2019年7月11日発行)

 

公開草案 
該当なし

3. 監査関連

最終基準
(1) 日本監査役協会、「監査上の主要な検討事項(KAM)に関するQ&A集・前編」を公表
日本監査役協会は2019年6月11日、「監査上の主要な検討事項(KAM)に関するQ&A集・前編(以下「本Q&A集」という)」を公表した。本Q&A集の概要は次の通りである。

  • 監査基準の改訂により導入された「監査上の主要な検討事項」の円滑な導入に向け、監査役等の実務支援ツールとして公表されている。
  • 監査上の主要な検討事項の概要に加え、早期適用を行う場合に、監査契約の締結及び監査計画の策定段階において対応が必要な事項についてまとめられている。

本Q&A集に含まれていない、期中の対応、定時株主総会に向けた対応等については別途Q&A集の公表が予定されている。


あずさ監査法人の関連資料
ポイント解説速報(2019年6月12日発行)

 

(2) 金融庁、株式報酬に係る開示規制の見直し等のための「金融商品取引法施行令の一部を改正する政令」等を公表
金融庁は2019年6月21日、「金融商品取引法施行令の一部を改正する政令」等(以下「本改正令等」という)を公表した。本改正令等の主な内容は以下の通りである。

  • 近年、経営陣等にインセンティブを付与するための業績連動報酬として譲渡制限付株式を交付する企業が増加していることを踏まえ、株式報酬に係る開示規制の見直しが行われている。
  • 「会計監査についての情報提供の充実に関する懇談会」報告書における提言を受け、監査人の異動があった場合の臨時報告書における開示内容の拡充がされている。

電子開示手続等を行う場合の電子証明書の使用に関する留意事項の見直しがされている。
株式報酬に係る開示規制の見直しを含む本改正令等は、2019年6月21日付で公布、2019年7月1日に施行されている。
臨時報告書における開示内容の拡充を含む本改正令等は、2019年6月21日付で公布、同日付で施行されている。
電子開示手続等を行う場合の電子証明書の使用に関する留意事項の見直しが反映された本改正令等は、2019年6月21日付で公布、同日付で施行されている。


あずさ監査法人の関連資料
ポイント解説速報(2019年6月28日発行)

 

(3) JICPA、「監査報告書に係るQ&A」を公表
日本公認会計士協会(JICPA)は2019年7月22日、監査基準委員会研究報告第6号「監査報告書に係るQ&A」(以下「本Q&A」という)を公表した。本Q&Aは、新しい監査報告書の実務の定着を支援するために、より具体的な解説を提供するものとして作成・公表したものである。本Q&Aの主な内容は次の通りである。
監査基準の改訂に伴う監査報告書の変更点、国際監査基準に基づく監査報告書との差異、及び英文(日本語以外の言語)で監査報告書を作成する場合の留意点等について示している。
「監査上の主要な検討事項」の記載にあたって議論となる領域(内部統制の重要な不備との関係、監査上の主要な検討事項の個数及び記載量等)について、基本的な考え方、具体的な解説、及び関連する監査基準委員会報告書との関係等を示している。
監査報告書に「監査上の主要な検討事項」を記載するにあたり、財務諸表利用者の理解が深まるようにするために企業に固有の情報を記載する場合の留意点について、具体的な例を交えた解説を示している。

本Q&Aは、2019年2月27日付で公表された監基報の新設・改正等についてより具体的な解説を提供するものであるため、各監基報の適用時期とあわせて適用されることが想定される。


あずさ監査法人の関連資料
ポイント解説速報(2019年7月23日発行)

 

公開草案
該当なし


日本基準についての詳細な情報、過去情報は
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II.修正国際基準

1. 修正国際基準に関する諸法令等(金融庁)

最終基準
該当なし

 

公開草案
該当なし

2. 会計基準等の公表(企業会計基準委員会(ASBJ))

最終基準
該当なし

 

公開草案
該当なし


修正国際基準についての詳細な情報、過去情報は
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III.国際基準

1. 我が国の任意適用制度に関する諸法令等(金融庁)

最終基準
該当なし

 

公開草案
該当なし

 

2. 会計基準等の公表(国際会計基準審議会(IASB)、IFRS解釈指針委員会)

最終基準等
該当なし

 

公開草案

(1) IASB、公開草案「IFRS第17号 保険契約の改訂」を公表
IASBは2019年6月26日、公開草案「IFRS第17号『保険契約』の改訂」(以下「本公開草案」という)を公表した。
IASBはIFRS第17号「保険契約」(以下「IFRS第17号」という)を2017年5月に公表した後、適用にあたっての課題をモニターするとともに、適用をサポートするための会議体であるTRG(Transition Resource Group)を設置するなどの支援を行ってきた。一部の利害関係者はIFRS第17号の適用時期や一部の規定について懸念を示しており、IASBはTRGにおいて確認された適用上の課題などを踏まえて審議を重ねた結果、IFRS第17号の内容を一部改訂する本公開草案を公表した。
本公開草案の主なポイントは、以下の通りである。

1.提案された8つの改訂論点
2017年5月に公表されたIFRS第17号の基本的な考え方や内容について抜本的な変更はされていないが、一部の利害関係者が懸念を示していた、8つの論点に関して改訂の提案がなされている(IFRS第17号に関する発効日の1年間の延期を含む)。

2. IFRS第17号の年次改善(Annual Improvements)
2018年6月及び2019年4月のIASBボード会議において暫定決定された年次改善の項目(投資要素の定義の明確化など)が反映されており、[1]の改訂論点とあわせてコメント募集の対象とされている。
コメントの締切りは2019年9月25日である。改訂後の最終基準となるIFRS第17号は2020年中に公表される予定で、改訂後のIFRS第17号は2022年1月1日以後に開始する事業年度より発効する予定である。



あずさ監査法人の関連資料

ポイント解説速報(2019年7月2日発行)

 

(2) IASB、「単一の取引から生じた資産及び負債に係る繰延税金(IAS第12号の修正案)」を公表
IASBは2019年7月17日、公開草案「単一の取引から生じた資産及び負債に係る繰延税金(IAS第12号の修正案)」(以下「本公開草案」という)を公表した。
本公開草案は、リースや廃棄コスト等に係るIAS第12号「法人所得税」の適用のばらつきに対応するために、将来加算一時差異及び将来減算一時差異の双方が生じる取引において、当該一時差異について認識される金額が同じ場合、当初認識の免除規定を適用せず、繰延税金資産及び繰延税金負債をそれぞれ認識することとする修正を提案するものである。
コメントの締切りは2019年11月14日である。


あずさ監査法人の関連資料

ポイント解説速報(2019年7月24日発行)

3. 監査関連

該当なし


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IV.米国基準

1. 会計基準等の公表(米国財務会計基準審議会(FASB))

最終基準(会計基準更新書(Accounting Standards Update; ASU)) 
該当なし

公開草案(会計基準更新書案(ASU案))
(1) ASU案「ASCの改訂:金融商品 - 信用損失(トピック326)」の公表(2019年6月27日 FASB)
本ASU案は、金融商品 - 信用損失(ASU第2016-13号)によって改訂される会計基準の内容につき、主に以下の追加的な改訂を提案するものである。

  • 直接償却後の信用状況の改善によるリカバリーは、直接償却の対象額を限度として信用損失引当金のマイナス残として認識するとされているが、この処理は信用棄損した状態で購入された金融資産にも適用されるものであることを明確化する。なお、リカバリーのうち信用リスク以外の理由から生じるディスカウント・プレミアムの未償却残の戻入れは、信用損失引当金に戻し入れてはならない。
  • ASU第2016-13号の適用開始に際して、過去にリストラクチャリングの対象とした不良債権につき、期限前返済に関する見積りを実効金利の算定に織り込むにあたっては、当該見積りは新基準移行日時点で行えばよいとする免除規定を新たに設ける。
  • 金融資産の未収利息部分を信用リスクや信用損失関連の開示における償却原価ベースから除外してもよいとする免除規定の範囲を有価証券開示における償却原価ベースまで拡大する。なお本免除規定による場合は、開示から除外された未収利息の総額(信用損失引当控除後)を別途開示しなければならない。
  • 担保維持条項により信用リスクが保全されている金融資産については予想信用損失の見積りを対象金融資産の償却原価と受入担保の公正価値を報告日時点で比較することによって行うことが認められているが、本免除規定による場合は担保維持条項に従い、今後も適切に担保補充が行われると見込まれるかどうかの評価が必要であることが明記された。なお、償却原価が受入担保の公正価値を上回る部分については予想信用損失の見積りが必要である。償却原価のうち受入担保の公正価値に等しい額については、不払額はゼロとすることができる。

コメントの募集は2019年7月29日に締め切られている。本ASU案は、原則としてASU第2016-13号と同時に適用し、ASU第2016-13号の移行措置の対象に含めることが提案されている。ASU第2016-03号をすでに早期適用している場合、2019年12月15日より後に開始する事業年度及びその期中期間から適用開始とすることが提案されており、早期適用も認めることが提案されている。早期適用する場合、本ASUの適用に伴う累積的影響額はASU第2016-13号の適用日に遡って当該時点の期首剰余金を遡及的に修正することが提案されている。

(2) ASU案「投資 - 持分証券(トピック321)、投資 - 持分法及びジョイントベンチャー、及びデリバティブ及びヘッジ会計(トピック815) - 基準の関係性の明確化」の公表(2019年7月30日 FASB)
FASBは2016年1月、ASU 第2016-01号「金融資産及び金融負債の認識並びに測定」を公表し、公正価値を容易に確定できない持分投資については公正価値に代えて原価(減損損失があれば控除)での測定を認めている。ただし、類似商品に関して観察可能な価格の変動があれば、それを帳簿価額に反映しなければならない。
しかしながら、当該ASUを受けて実務の多様性が生じているとの指摘があったことから、本ASU案は、下記のように基準間の関係性を明確化するための改訂を提案している。

  • 対象の持分投資について、原価での測定を中止して持分法の適用を新たに開始する場合、もしくは持分法の適用を中止して新たに原価での測定に移行する場合、持分投資の原価に、当該時点における観察可能な価格の変動を反映させなければならない。
  • 証券の購入に関する先渡契約もしくは買建てオプションについては、815-10-15-141項の要件を満たす場合にはデリバティブとしての処理を行わないが、同項の要件の判断にあたっては、当該先渡契約の実行もしくはオプションの行使の結果取得した証券に持分法が適用されるかどうかは考慮しない。

コメントの募集は2019年8月29日に締め切られている。本ASU案は、最終基準化後、将来に向かって適用することが提案されている。適用日については、本ASU案に対する関係者からのコメントを基に決定される。

(3) ASU案「負債 - 転換権その他のオプション付き負債(サブトピック470-20)及びデリバティブ及びヘッジ会計 - 自己の株式に係る契約(サブトピック815-40) - 転換可能金融商品及び自己の株式に関する契約の会計処理」の公表(2019年7月31日 FASB)
ASU案は、会計処理の複雑性を削減しようとするFASBのプロジェクトの一環として、負債と資本の両方の性質を持つ金融商品に関する会計処理の簡素化を提案するものである。提案された改訂のうち主なものは以下のとおりである。

  • 転換権が付けられた債券や優先株式について、条件によって適用される会計モデルが細かく分かれているのを統合整理し、また、転換権の区分処理が要求されるケースを限定する。
  • 自己の株式に係る契約について、これがデリバティブとしての会計処理から適用除外されるかどうかの判定基準を見直し、より実態に合った検討を可能とする。また、現在毎報告日に要求されている判定の再評価も、特定の再評価事象が発生した場合にのみ実施する旨に変更する。
  • 1株当たり情報について上記の提案と整合を図るため、関連する基準を改訂する。
  • 開示情報を拡充する。

コメントの締切りは2019年10月14日である。本ASU案は、最終基準化後、修正遡及法により適用されるが、企業の選択により完全遡及適用も認められることを提案している。早期適用が認められるのは、特定の限られた場合のみとすることを提案している。適用日については、本ASU案に対する関係者からのコメントを基に決定する予定である。


あずさ監査法人の関連資料
Defining Issues(英語)

 

その他
(1) FASB、識別可能な無形資産及びのれんの事後的な会計処理に関するコメントを募集(2019年7月9日)
FASBは2019年7月9日、「識別可能な無形資産及びのれんの事後的な会計処理」に関するコメント募集(Invitation to Comment。以下「本 ITC」という)を行った。
現在、非公開企業及び非営利企業については、原則として10年以下の期間でのれんを償却すること、のれんの償却を選択した場合には、兆候がある場合に限ってのれんの減損テストを実施すること、のれんの減損テストを報告単位レベルではなく全社レベルで実施すること、及び無形資産の一部を個別に識別せずのれんに含めること、という代替的な会計処理がそれぞれ認められている。一方、公開企業にはこれらの代替的な会計処理は認められていない。本ITCは、以下の点について、公開企業についても会計基準を改訂する必要があるかをFASBが検討するため、ステークホルダーからフィードバックを得ることを目的としている。

  • のれんの償却の是非、並びにのれんの減損テストについての見直し要否
  • 企業結合における、のれんから分離しての無形資産の認識
  • 開示の拡充

また上記の観点に関して公開企業と非公開企業及び非営利企業間や、米国会計基準とIFRS間での比較可能性についても意見を聞いている。コメント募集の本文ではのれんと減損に関するIASBのプロジェクトの状況が紹介され、また、ASBJの動向や修正国際基準における扱いについても言及されている。FASBは、本ITCで受領したフィードバックについて議論するため、円卓会議を開催する予定である。
コメントの締切りは2019年10月7日である。

2. 監査関連

該当なし


米国基準についての詳細な情報、過去情報は
あずさ監査法人のウェブサイト(米国基準)

執筆者

有限責任 あずさ監査法人

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