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暗号通貨の保有(IAS第2号、第38号に関連) - IFRICニュース2019年6月 - アジェンダ却下確定

暗号通貨の保有(IAS第2号、第38号に関連)

IFRS解釈指針委員会ニュース(2019年6月) - 暗号通貨の保有(IAS第2号、第38号に関連)については、2019年6月のIFRS-IC会議で審議された内容を更新しています。

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IAS第2号「棚卸資産」
IAS第38号「無形資産」

概要

保有する暗号通貨に関して、IFRS基準をどのように適用するか。
本件は、IASBからの依頼を受け、IFRS-ICにて分析した結果をアジェンダ決定の形で公表しようとするものである。なお、IASBは、2018年11月のIASB会議において、現時点では、暗号通貨の保有及びICO(イニシャル・コイン・オファリング)に関するプロジェクトを作業計画に追加しないことを決定し、その代わりに、引き続き暗号通貨のような暗号資産の動向をモニターしていくことを決定している(仮想通貨 - IFRICニュース2019年1月参照)。

ステータス

IFRS-ICの決定

IFRS-ICは、2019年6月のIFRS-IC会議で、次の通り分析した。

  • 暗号資産にはさまざまなものが存在する。今回のIFRS-ICの検討対象は以下のすべての特徴を有する暗号通貨である。
    • デジタル又はバーチャルな通貨であり、分散型台帳に記録され、セキュリティ上暗号が使用される。
    • 中央当局又はその他の当事者によっても発行されない。
    • 暗号通貨の保有は、保有者といずれの当事者との間にも契約を生じさせるものではない。

暗号通貨の性質

  • IAS第38号第8項は、無形資産を物理的実体のない識別可能な非貨幣性資産と定義している。
  • 識別可能とは、(1)分離可能であるか、又は(2)契約又はその他の法的権利から生じている場合をいう(IAS第38号第12項)。また、非貨幣項目の本質的な特徴は、固定又は決定可能な数の通貨単位を受け取る権利(引き渡す義務)が存在しないこととされている(IAS第21号第16項)。
  • 暗号通貨は、(1)保有者から分離可能で、単独で売却又は移転でき、(2)保有者に対して固定又は決定可能な数の通貨単位を受け取る権利を与えないことから、暗号通貨の保有は、IAS第38号の無形資産の定義を満たす。

ただし、IAS第38号は、他の基準の範囲に含まれる無形資産やIAS第32号で定義される金融資産には適用されない。よって、暗号通貨の保有が、IAS第32号における金融資産の定義に該当する、又は他の基準の範囲に含まれるかどうかを検討した。

金融資産

  • 金融資産はIAS第32号第11項に以下のいずれかとして定義される。
    • 現金
    • 他の企業の資本性金融商品
    • 他の企業から現金又は金融資産を受け取る、若しくは特定の条件の下で金融資産又は金融負債を他の企業と交換する、契約上の権利
    • 保有者の資本性金融商品で決済されるか、又は決済される可能性のある契約
  • IFRS-ICは、IAS第32号AG3における記述から、現金は、交換の媒体として、また、財務諸表におけるすべての取引の測定の基礎をなす財・サービスの価格を表す通貨単位として、使用されることが期待されていることに着目した。現状流通している暗号通貨にはこのような現金の特徴は見られず、よって、暗号通貨は現金にはあたらない。
  • 金融資産のその他の3要件のいずれにも暗号通貨は該当しない。
  • 以上より、IFRS-ICは、暗号通貨は金融資産ではないと結論付けた。

棚卸資産

  • IAS第2号は無形資産であるところの販売用資産にも適用される。企業は、暗号通貨を通常の事業の過程において販売目的で保有する可能性があり、そのような状況では、棚卸資産に該当し(IAS第2号第6項(a))、IAS第2号の適用対象となる。
  • 一方、企業が、IAS第2号第5項に記載された暗号通貨のブローカー/トレーダーに該当するケースも考えられる。その場合、IAS第2号第3項(b)により売却コスト控除の公正価値で暗号通貨が測定される。

以上より、IFRS-ICは、2019年6月のIFRS-IC会議で、通常の事業の過程において販売目的で保有する暗号通貨に対してはIAS第2号を適用し、IAS第2号が適用可能ではない場合、IAS第38号を適用すると結論付けた。

また、開示については以下の基準が適用される。

  • 通常の事業の過程において販売目的で保有する暗号通貨については、棚卸資産に関するIAS第2号の開示規定が適用される。
  • IAS第38号を適用する暗号通貨については、無形資産に関するIAS第38号の開示規定が適用される。
  • 暗号通貨の保有を公正価値で測定する場合には、IFRS第13号第91項~第99項の公正価値測定に関する開示規定が適用される。
  • 暗号通貨の会計処理を決定する過程で行った判断が、財務諸表に認識されている金額に最も重要な影響を与えている「重要な判断」に該当する場合、IAS第1号第122項の開示対象となる。
  • IAS第10号第21項に基づき、後発事象に関する開示の対象となる場合も考えられる。例えば、報告期間以降の暗号通貨の公正価値の変化が、企業がそれを開示しないことによって財務諸表利用者が行う経済的判断に重要な影響を与える可能性がある場合が考えられる。

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