仮想通貨- IFRICニュース2019年1月

IFRS解釈指針委員会ニュース(2019年1月) - 仮想通貨については、2019年1月のIFRS-IC会議において審議されていません。

仮想通貨については、2019年1月のIFRS-IC会議において審議されていません。

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概要

IFRS-ICは、仮想通貨に関してIASBから以下の点につき、アドバイスを求められた。

  • 仮想通貨の保有及びイニシャル・コイン・オファリング(以下、ICOという)の会計処理を決定するにあたって既存のIFRS基準をどのように適用する可能性があるか
  • 既存のIFRS基準の適用が、仮想通貨の保有に関して有用な財務情報が提供されるかどうか
  • 仮想通貨の保有に関する基準開発の必要性、優先度及び形式

ステータス

審議の状況

IFRC-ICスタッフにより分析された以下の内容について、IFRS-ICは、2018年9月のIFRS-IC会議で審議したが、特段の決定はなされなかった。

  • 仮想通貨は現金及び現金同等物又は金融資産の定義を満たさないと考えられる。
  • 特定の企業は通常の営業活動の一環として販売目的で仮想通貨を保有する。そのような企業は仮想通貨を棚卸資産として会計処理すると考えられる。すなわち、IAS第2号第3項(b)に基づき、仮想通貨を売却コスト控除後の公正価値で測定することが考えられる。
  • IAS第2号の範囲外、すなわち、通常の営業活動の一環として販売目的で仮想通貨を保有していないのであれば、IAS第38号を適用して会計処理することが考えられる。
  • IAS第38号の適用では、仮想通貨に関して財務諸表利用者に有用な情報を提供することにはつながらないという議論もあるため、仮想通貨をIAS第38号の範囲から除外することを含め、新たな基準開発プロジェクトを立ち上げるべきかどうかの審議が必要である。
  • 仮想通貨のICOをどのように会計処理するかは、ICOに付された権利と義務の内容次第である。権利と義務の内容が適用すべきIFRS基準を決めることになるが、IFRS第9号、IFRS第15号、IAS第32号及びIAS第37号が適用される可能性がある。

2018年11月のIASB会議で、上記のIFRS-ICの分析・提言を審議した結果、現時点では、仮想通貨の保有及びICOに関するプロジェクトを作業計画に追加しないことが決定された。その代わりに、IASBは引き続き仮想通貨のような仮想資産の動向をモニターしていくことを決定した。

また、IASBは、保有する仮想通貨の会計処理に対して既存のIFRS基準をどのように適用するかを説明するアジェンダ決定の公表を検討するようIFRS-ICに依頼することを決定した。IFRS-ICは、今後のIFRS-IC会議で、このIASBの依頼事項について審議する予定である。

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