TCFDによる気候変動対応に関する情報開示のフレームワークは、欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)に取り込まれたのに加えて、IFRSサステナビリティ開示基準にも引き継がれました。多くの企業がTCFDに則り、気候変動リスクを認識し、その開示の充実を図る一方、気候関連機会を見出し、その成果を示すことに苦慮しています。その機会面について自社製品が気候変動に与える影響を示す指標の1つが、削減貢献量です。

2023年3月、World Business Council For Sustainable Development(WBCSD、持続可能な開発のための世界経済人会議)がGUIDANCE ON AVOIDED EMISSIONS(以下、「WBCSDガイダンス」という)を発行しました。WBCSDガイダンスは、地球全体のGHGを削減するための方法として、個々の企業が取り組むGHG排出削減や炭素吸収、ネットゼロ目標との関係を整理したうえで、削減貢献量の算定や開示における原則や順守すべき事項を示しています。GHGプロトコルの発行団体の1つであるWBCSDによるガイダンスは、削減貢献量の算定を試みる企業にとって重要な指針となります。

削減貢献量とは

削減貢献量とは、“あるソリューションがあった”場合のGHG排出量と、“当ソリューションが利用されなかった”場合を仮定したGHG排出量との差分と定義されています(図表1)。

企業は、脱炭素化する世界に適応するだけでなく、ビジネスモデルの変革を通じた脱炭素化の促進にコミットすることが期待されています。多くの企業が自社をとりまくバリューチェーンにおけるGHG排出量の削減に取り組むなか、削減貢献量は、社会全体の脱炭素に取り組む企業を評価するための手法の1つとなります。

図表1

削減貢献量の算定・開示支援-1

企業が自らのバリューチェーンを通じたGHG排出量を算定し開示するという実務慣行はすでに定着し、その対象領域が拡大しています。一方で、企業活動が拡大し、自社製品が多く売れるほどにGHG排出量は増加することから、気候変動課題の解決につながる製品を販売しても、自社のGHG排出量が増え、結果として企業評価を損ねる懸念があるという課題が指摘されることとなりました。この課題を解決するための概念として削減貢献慮に注目が集まっています。技術革新や新サービスによって、世界のGHG排出削減への貢献を定量的に示すことが、企業価値の向上につながる取組みとなることが期待されています。

KPMGによる支援アプローチ

削減貢献量に関し、多くの企業が図表2に示す課題に直面しています。KPMGは、これらの課題を踏まえて、削減貢献量の算定に向けた社内体制の構築や算定の実務、国際的なガイダンスに則った開示を支援します(図表3)。

図表2

削減貢献量の算定・開示支援-2

図表3:削減貢献量の算定・開示に向けた作業ステップ

削減貢献量の算定・開示支援-3

削減貢献量に係る取組みは、多くの場合、複数年かけて段階的に対応を推進していくことになります。KPMGは、GHG排出量の算定・開示、その内部統制の構築に係る知見に基づき、WBCSDガイダンスと整合する形で、企業の削減貢献量に関する取組みを支援します。

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