「価値」と「価格」。M&Aの成否は、財務的にはこの2つの関係によって評価されます。M&Aにおける典型的な失敗は、「事業の適正価値に対してそれよりも高い価格を支払った場合」と、「適正価格で取得した事業の価値がその後、減少してしまった場合」に発生します。 「前者はバリュエーション(価値評価)の問題、後者は買収後の経営/統合の問題ということができます。

一部の統計によれば、M&Aの7割前後は追加的な価値の創出に結びついておらず、財務的にはM&Aの成功は容易ではありません。KPMGでは、企業や事業の適正価値の評価という非常に重要な課題に対して、各種のバリュエーションサービスを提供しています。

・M&A、組織再編における価値評価、統合比率算定
・訴訟事件・非訟事件目的の価値評価
・フェアネスオピニオン ・種類株式・転換社債・新株予約権の評価
・財務会計目的での価値評価(PPA・減損テスト) ・条件付対価・投資付帯条項の評価
・無形資産評価 ・事業計画の検討/財務モデル作成支援
・有形資産評価 ・M&Aにおけるシナジー価値の分析・評価
・ファイナンシング(増資等)における価値評価 ・シナリオ・センシティビティ分析
・税務プランニングのための価値評価 ・価格交渉支援

M&A、組織再編における価値評価、統合比率算定

M&A、組織再編等における企業(株式)価値、事業価値の算定を独立した第三者の観点から行います。例えば、合併比率、株式交換比率の算定、事業譲渡等における事業価値の評価、株式価値の評価などを、公正市場価値(Fair Market Value)の観点から行います。

フェアネスオピニオン

企業の取締役会に対して、M&Aにおける価格や統合比率に関する財務的観点からのフェアネスオピニオンを提供しています。フェアネスオピニオンとは、M&A当事会社の取締役会が、M&Aの重要な決定事項である価格や統合比率の取締役会での決議に関して、外部専門家に当該価格や統合比率の財務的観点からの妥当性について分析を依頼し、その分析結果に基づき外部専門家が当該価格や統合比率の妥当性を認めた上で発行する意見書のことをいいます。M&A当事会社の取締役は、独立した専門家の分析結果ならびに意見を参考にしたうえで判断を下すことにより、取締役としての善管注意義務の履行をより明確に説明できるものと理解されています。

財務会計目的の評価

M&A後の取得原価の配分(PPA)における無形資産や有形資産の価値評価(対象資産の詳細については、下記の該当項目を参照ください)や、のれんや固定資産の減損会計目的での回収可能価額の算定サービスを提供します。

無形資産評価

上記財務会計目的の評価の他、取引目的での特許、商標/ブランド、ライセンス、ソフトウェア、著作権などの無形資産の評価サービスを提供します。

有形資産評価

KPMGに所属する不動産鑑定士による鑑定評価の他、財務会計目的での棚卸資産や、機械装置、工場設備等の有形固定資産の評価サービスを提供します。

有形資産評価

種類株式・転換社債・新株予約権の評価/条件付対価・投資付帯条項の評価

資金調達手法の多様化や財務再構築の過程で、複雑化した金融商品が用いられるケースが増えています。また、投資ストラクチャーや取得対価の多様化により、投資契約書においてアーンアウト条項やクローバック条項が規定されるケース、株主間契約書においてコールオプションやプットオプションなどが規定されるケースが増えています。オプション評価モデル等を用いて、種類株式、転換社債、新株予約権、条件付対価やエキゾチックオプションなどの評価サービスを提供します。

プライシングならびに事業計画の検討/財務モデル作成支援

M&Aにおける価格決定においては、公正(市場)価値分析に加えて、投資価値(Investment Value)分析が重要になります。そのためには、買い手による買収後の事業計画策定が必要であり、買収後に実現が見込まれるシナジー価値の分析の精緻化が今後ますます重要になります。対象会社より提出される事業計画を検討するだけでなく、買い手企業による買収後事業計画の策定、財務モデルの作成支援サービスやシナジー価値分析・評価サービスを提供します。また、買い手にとっては、投資後に生じうるマクロ経済環境や事業環境における不確実性を織り込んで価値評価分析を行っておくことが、買収意思決定上、および、将来的な株主への説明責任上重要になります。シナリオ分析やセンシティビティ分析を提供することで、買い手の意思決定を広範にサポートするサービスを提供します。その際、クライアントの要望に応じて、売り手企業との価格交渉における支援サービスも提供しています。

事業計画、オペレーティング/財務モデル作成支援サービス」もあわせてご参照ください。

図表1:戦略的なバリュエーションのプロセス

バリュエーション(取引目的・会計目的)

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