監査委員会に関する調査2023 - 日本と英国および米国との比較分析

1. 調査結果の概要
2. 調査項目

KPMGジャパンは、「監査委員会に関する調査2023 - 日本と英国および米国との比較分析」と題した意識調査を公表しました。本調査は、KPMG Board Leadership Centerおよびその傘下にあるKPMG Audit Committee Instituteが、2023年2月から3月にかけてオンラインで実施したアンケート調査『Audit Committee Survey 2023』の結果を紹介するものです。KPMG Board Leadership Centerは、KPMGのメンバーファームであるKPMG米国が、企業の取締役やビジネスリーダーによるコーポレートガバナンスの継続的な改善を支援するために組成されました。

本調査には、19ヵ国の監査委員会およびそれに準ずる組織のメンバー768人が参加しました。そのうち、本冊子では、日本企業の回答内容について、英国および米国の結果を参考に分析しています。

詳細は、ページ下の資料「監査委員会に関する調査2023 - 日本と英国および米国との比較分析」をご参照ください。

英国および米国の監査委員会と比較すると、日本の監査委員会¹は、ESG／サステナビリティ関連のリスクに対してフォーカスを強めている一方で、データやテクノロジー関連のリスクへのフォーカスは低い結果となっています。また、監督責任を有するリスクの増加や複雑化に関する懸念を感じている割合は、英国および米国の監査委員会と比較すると低いことがわかります。

一方で、会社全体のリスク管理能力については、英国および米国の監査委員会と比較すると、日本の監査委員会は確信を持てておらず、リスク環境の変化のスピードへの対応に苦慮している状況がうかがえます。

• 今後数ヵ月において、監査委員会が注目し検討する課題に最も大きな影響を与えるとみられるマクロトレンドは何ですか？
• 財務報告や関連する統制リスクに加えて、監査委員会はどのリスクに対して重大な監督責任を有していますか？
• 監査委員会は、委員会の業務負荷に関する懸念にどのように対応していますか？
• 会社の主要な／ミッションクリティカルなリスクの監督について、責任の所在はどこにありますか？
• 取締役会および経営者が、会社の主要な／ミッションクリティカルなリスクについての明確な共通理解を持っていることについて、どの程度確信を持っていますか？
• ESG関連の課題の監督において、監査委員会はどのような役割を担っていますか？
• 会社のリスクマネジメントおよび報告の能力をどのようにとらえていますか？
• 監査委員会の監督の観点から、会社のデータ／デジタル関連の活動から生じるリスクのうち、特に懸念材料または難しい課題となるのはどれですか？
• 取締役会に設置された複数の委員会が管轄しているさまざまな企業リスクのうち、監督が十分でない可能性があるとして、あなたが最も懸念しているリスクはどれですか？
• 財務部門が直面している最も大きな課題はどれだと考えますか？
• 取締役会との定期的なやりとりや報告に加え、リスクの開示環境の変化を踏まえて、監査委員会は誰とより多くの時間を共有していますか？
• どのような方法をとることが、監査委員会にとっての内部統制機能の価値を高めると考えますか？
• 監査委員会の構成やスキルセットに関連してどのような懸念がありますか？
• 今後監査委員会の実効性と時間を最大限に活かすために、最も大切なことは何ですか？
• 監査委員会の監督業務に関して、投資家・規制当局・その他の外部ステークホルダーに提供している説明が適切であることに、どの程度の確信を持っていますか？

¹ 本冊子の日本に関する記述において、「監査委員会」との記載は、「監査役会」、「監査等委員会」を含みます。

KPMGサステナブルバリューサービス・ジャパン