「サステナブル経営 ドイツ企業のサステナブル経営に関するサーベイ」日本語版を発行

大きな環境変化の中、ドイツ企業がESG課題にどのように取り組み、ビジネスをよりサステナブルなものとするため対策をどう講じているのかにつき、ESG各分野の専門家による考察を交え、ドイツ企業の意識調査結果を纏めた「サステナブル経営 ドイツ企業のサステナブル経営に関するサーベイ」の日本語版を発行しました。

ドイツ企業を対象にサステナブル経営としての取り組み状況について、ESGに関する専門家によるインサイトが掲載されたKPMGドイツによる調査報告が完成しました。

この度KPMGドイツより発行されました「サステナブル経営 ドイツ企業のサステナブル経営に関するサーベイ」の日本語版を発行しました。

CSRDを始めサステナビリティに関する規制が先行するドイツにおいて、企業のサステナブル経営の取組み状況を分析した本調査レポートは、これから取組みを本格化させる日本企業にとって示唆に富む、有意義な内容となっています。

本レポートでは、自動車、製造、物流・運輸、エネルギー・インフラの各セクターに属する上場企業へのアンケートによる調査結果を、サステナビリティ・トランスフォーメーションの4つの領域「戦略と価値創造」、「ガバナンスと組織」、「規制と報告」、「テクノロジーと提携」にまとめ、セクター別の分析、KPMGのESGに関する専門家によるインサイトを加えています。

日本企業を取り巻く環境も複雑化し、経営の舵取りは一段と難しさが増すなか、サステナビリティ経営における重要度が高まっています。今、企業には、サステナビリティへの取組みを通じて企業価値を高める「Sustainable Value Creation」を目指す経営が求められています。

KPMGドイツメンバーから読者の皆様へ

いま私たちの経済社会は、これまで経験したことのない大きな変化のなかにいます。そして、サステナビリティがこの変化の重要なドライバーとなっています。

社会からの圧力に加え、気候変動や環境破壊の影響が目に見える形で影響し始めたことで、規制のフレームワークはますます厳格化されるようになり、企業経営においても、この動きはもはや無視できなくなっています。今や企業の意思決定プロセスや経済的な成長には、ESG(環境・社会・ガバナンス)の考慮が不可欠となりました。企業経営を持続可能なものにするため、特に経営陣にはさまざまな局面で再考が迫られています。経営戦略にはESGの要素を組み込む必要があります。今まさに、これらの課題について考えるタイミングです。

この「サステナブル経営」の調査は、ドイツ企業のサステナブル経営の実態を明らかにするために、ドイツに本社を持つ企業(約200社より回答)を対象に実施しました。各社は、ESG課題にどのように取り組み、ビジネスをよりサステナブルなものとするためにどのような対策を講じているかを調査しました。4つの産業セクター(自動車、製造業、物流・運輸、エネルギー・インフラ)別の傾向分析を行っています。

また、企業への調査結果を踏まえて、KPMGのESGに関する各分野の専門家による解説を加えています。

私たちの調査は、企業のサステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)の現状を示しています。企業経営におけるESGの取組みで生じる課題と機会、組織構造と報告への影響、そしてテクノロジーとデータの展望にも焦点を当てています。

調査対象とした4つのセクターにおける多くの企業が、SXを非常に重要と認識しつつも、各社が目標と掲げる高いレベルにはまだ到達していない実態が明らかになりました。EUではESG関連要求の制度化・義務化が進められており、企業はその対応のペースも上げる必要があります。

この調査が各社の今後の取組みの参考になれば幸いです。

執筆者

KPMGサステナブルバリューサービス・ジャパン
あずさ監査法人

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