従業員に提供される住宅及び住宅ローン(IFRS第9号及びIAS第19号)-IFRS-ICニュース

IFRS解釈指針委員会ニュース -「従業員に提供される住宅及び住宅ローン(IFRS第9号及びIAS第19号)」については、2023年10月のIASB会議において審議された内容を更新しています。

IFRS解釈指針委員会ニュース -「従業員に提供される住宅及び住宅ローン(IFRS第9号及びIAS第19号)」については、2023年10月のIASB会議において審議された内容を…

概要

委員会は、従業員持ち家制度及び従業員向け住宅ローンに関する企業の会計処理方法について以下の質問を受け取りました。

  • 従業員持ち家制度
    企業が建設・所有する住宅を提供するのと引き換えに、合意した住宅価格を完済するまで従業員の毎月の基本給の一部が控除される。当初5年内に退職した場合、従業員は住宅の権利を失い、それまでの給与控除額を回収する。5年後以降に退職した場合、従業員は以下のいずれかを選択できる。

i.住宅の権利を失い、それまでの給与控除額を回収する。
ii.住宅を維持し未払残高を直ちに返済する。

住宅の法的所有権は合意した住宅価格を全額支払う場合のみ従業員に移転する。この場合における、企業が従業員への住宅の譲渡を認識すべき時点、及びその前後の従業員未収入金及び受取金額等の会計処理について。

  • 従業員向け住宅ローン
    企業は住宅ローンを提供し、従業員は住宅(企業所有ではない)を選定・購入する。企業は市場金利よりも低利(通常は無利息)で住宅ローンを提供し、従業員は給与からの控除で返済する。従業員がいかなる理由でいつ退職した場合でも、住宅ローン未払残高の返済が求められる。この場合、住宅ローンについては、その全体をIAS第19号「従業員給付」の範囲の前払従業員給付として、あるいはIFRS第9号「金融商品」の範囲の金融資産にIAS第19号の範囲の前払従業員給付としての市場レート以下での貸付金の要素が付されたものとして会計処理すべきであるか。

ステータス

委員会は2023年3月の会議で審議しましたが、質問された事項は一般的なものではなく、かつ、当該事項が生じる場合でも金額に重要性がないことが示唆され、広範な影響や重要性がある影響は想定されないため、本件に対処するための基準設定プロジェクトを作業計画(アジェンダ)に追加しないことを決定しました。

本アジェンダ決定の内容は、IASBの2023年10月の会議を経て確定しました。アジェンダ決定の詳細についてはASBJのサイトに公開されている、IFRIC Update(2023年9月)への補遺をご参照ください。

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