トレンド1:協議から行動へ

インフラの建設と使用による炭素排出量は世界全体の70%を占めており、インフラ企業はこの責任を受けとめ、脱炭素に向けて行動に移し始めています。2022年は、インフラ業界はネットゼロへますます注力し、民間セクターは気候変動に関する投資や活動を一層活発化させることが予想されます。ネットゼロ実現に向けて明確な道筋があるインフラ企業は成長するとみられますが、気候変動対策に遅れをとると成長が難しくなるでしょう。

トレンド2:短期的な変化の中での長期的なビジョンの創出

気候関連課題、貿易問題、新型コロナウイルス(COVID-19)の新たな変異株など、さまざまなマクロトレンドによって世の中の不確実性が増し、社会の変化を予測することが難しくなっています。そういった中でも、将来的に社会が必要とすることを知る唯一の方法は、傾聴です。今後1年間で、インフラ企業は、ステークホルダーとの対話を拡充させ、データアナリティクスと新たな技術に一層注力するようになると予想されます。これにより、将来の計画策定および投資の確実性、柔軟性および連携が向上することでしょう。

トレンド3:統制の維持と俊敏性の促進の両立

インフラ事業には、ガバナンス、規制および統制が必要です。これまでの慣行では、ガバナンスのためのガバナンスになり、規制は新しい技術を支えるのではなく過去の問題に対処するために策定されがちでした。しかし規制当局、政府および投資家が急速に変化するテクノロジーを考慮し、便益のためにガバナンスを構築することに注力し始めており、今後1年間で規制および統制に関連する慣行は変わり始めると考えられます。

トレンド4:デジタル化の実現

インフラセクターにとって、2022年はデジタル化が実現する年です。デジタルリテラシー、デジタルへのアクセスおよび受容性を推進するために、バックオフィスからフロントオフィスまでのデータ統合からユーザーおよび顧客への関与に至るまで、インフラ企業が長期的かつ全体的な視点でデジタル化に取り組んでいくでしょう。セクター内にデジタル技術が組み込まれ、アセット、オペレーターおよびユーザー間の相互作用の中核までデジタル化が進むことが予想されます。

トレンド5:インフラの世界への供給

新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、現代のサプライチェーンは広範囲にわたる内的・外的ショックに対して脆弱であることが明らかになりました。人材の供給など現在も続くサプライチェーンの制約の一部は、今後1年で緩和されることが期待されます。インフラ企業が人材供給の制約を軽減する方法として、そして新しい考え方をインフラセクターにもたらすオポチュニティとして、自社の組織内の多様性を促進することに一層重点を置くであろうという、明るい兆しも見え始めています。

トレンド6:新たな「住みやすさ」に向けて

パンデミックは、人々の生活、仕事、余暇の楽しみ方に明確な分岐点を生み出しました。一方は、デジタルワークを最大限に利用して都心から離れた町に引っ越す人々。もう一方は、活気に満ちた都心の利便性や相互接続性に価値を見いだして都市中心部に引き寄せられる人々です。今後1年間で、都市計画や政策の立案者は、人々が望む生活、仕事の仕方、および余暇の楽しみ方にさらに大規模な投資を始めると予想され、さまざまな異なるライフスタイルを支えるアセットの優先度が高まるでしょう。

トレンド7:インフラコストの負担

政府は将来のインフラプロジェクトに欠かせない資金を調達するために、水道や電力などのインフラコストをユーザーに転嫁する必要性に迫られています。2022年は、政府がインフラ計画の長期的な資金調達をどのように行うかについて、明確かつ説得力のある議論をすることが期待されます。今後、税率は上昇し、課税対象は拡大することになるでしょう。そして、ユーザー料金に関する議論が前面に出ることが予想されます。

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