トレンド1:不確実性が計画を複雑化させる

世界の未来は深い霧に包まれたように不明瞭であり、将来に向けた計画策定は難しくなっています。2021年に不確実性の霧が晴れることは期待できないものの、インフラオーナーが資産活用の改善およびパフォーマンスの最適化に注力することは期待してもよいでしょう。

トレンド2:都市が提供すべき価値を再考する

物理的な都市のネットワーク効果はデジタルなネットワーク効果と混ざり合い統合しつつある現在、都市は自らが提供すべき効果を再考するよう迫られています。都市の設計担当者と街のインフラ責任者は、街のインフラに関するニーズを再評価し、将来的な市民の付加価値を把握する必要があるでしょう。

トレンド3:国境が再び現実となる

2020年は何ヵ月にもわたり、国境が封鎖され、人々の移動は過去最低に落ち込み、同時にサプライチェーンのもつれから、港湾、空港、物流セクターにも混乱が生じました。2021年は港湾と空港のオペレーターが、データから価値を引き出す方法を模索し、よりグリーンでクリーンな環境に貢献しながら安定した成長に戻る計画を策定する年になるでしょう。

トレンド4:インフラ供給ネットワークが進化する

パンデミックにより、インフラ企業や建設会社では、原材料の供給が中断し、機材や労働力が国境で足止めされ、またプロジェクトチームが現場あるいは現場から離れた場所に隔離されました。しかし、今後1年において、組織がレジリエンスに投資することで、インフラおよび建設サプライチェーンの加速度的な変化が期待できるでしょう。場合によっては、国内回帰や近場移転へ大きくシフトする可能性もあります。

トレンド5:新たな資金が大量に市場に流れ込む

過去数年間にわたり、インフラ部門の資金調達の選択肢が増えたことによって、インフラの資金調達基盤が強固なものになりました。特に利回りが低いままであることから、新しい投資家は継続的な物価連動型長期年間配当金を提供するインフラビークルに向かうことが予想されます。

トレンド6:より環境に優しく公平な再構築に向けて

パンデミックの発生により、一方では課題が顕在化しましたが、他方では空気が浄化され道路から騒音や渋滞がなくなるなど生活の質の改善もみられました。社会は、世界経済を環境に優しく公平で持続可能なものに再構築することを求めています。インフラセクターは、環境への配慮を中心に据えるべきとの考えが主流になっており、グリーンリカバリーを推進する重要な役割を担う可能性があります。

トレンド7:レジリエンスの優先順位が上がる

世間の関心はパンデミックに集中しているように見えますが、政府やアセットオーナーは、気候および天候関連のリスクに対するインフラのレジリエンスにこれまで以上に注目しています。今後1年間、インフラのオーナー、計画担当者、規制当局は、自己資産のレジリエンスについての広義における難題を問い始めることになると予想され、レジリエンス計画がなければ、厳しく問い詰められることになるでしょう。

トレンド8:デジタル世界で安全にプロジェクトを遂行する

ハイパーコネクティビティ時代に突入した今、デジタル経済を活用できない企業はすぐに遅れを取る可能性があります。政府は、まもなくデジタルインフラによって膨らむ赤字に対処する必要性を認識し始め、経済とバランスシートの両方の成長を推進するために、コネクティビティの強化に取り組むことが予想されます。

トレンド9:政府には変革が求められている

パンデミックの混乱の影響で社会の期待がリセットされた今、政府は、国民や企業との関わり、あるいは政府自身の役割を果たす方法を刷新・再構築するオポチュニティを手にしています。2021年、政府は抜本的な変革に向け、新たな可能性を活かしていくことが予想されます。

トレンド10:政府はパートナーを求めている

政府は、民間セクターがサービス提供面で信頼できるパートナーになり得るとの考えを強めています。民間セクターが関与できる新しいオポチュニティが産出されることは、政府と国民にとって歓迎すべきことであり、これら新しいパートナーシップが、イノベーション、ステークホルダーにより推進され、利用者・政府双方の価値向上につながるものと予想されます。

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