税務情報(2020.4 - 5)

税務情報(2020.4 - 5)

本稿は、2020年4月から5月に財務省・国税庁等から公表された税務情報ならびにKPMG税理士法人のウェブサイトに掲載している情報をまとめてお知らせするものです。

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I. 2020年度税制改正

1. 国税庁 - 2020年度税制改正関連資料の公表

国税庁は、2020年度税制改正に関連する以下の資料を公表しました。

(1) 法人税関係

(2) 所得税関係

(3) 消費税関係

(4) 登録免許税関係

 

上記のうち、「グループ通算制度の概要」及び「消費税法改正のお知らせ」に関するe-Tax News
KPMG Japan e-Tax News No.192 (2020年4月10日発行)

2. 国税庁 - 消費税法に係る改正法令解釈通達の発遣

国税庁は、2020年度税制改正に伴い、消費税法に係る以下の2つの改正法令解釈通達を4月1日付で発遣しました。

たとえば、2020年度税制改正における以下の消費税法の改正に対応した通達の新設・改正等が行われています。

1. 居住用賃貸建物の取得に係る仕入税額控除
居住用賃貸建物(住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物以外の建物のうち一定のもの)に係る課税仕入れ等の税額について、仕入税額控除の適用が認めらないこととされました(原則として、2020年10月1日以後に国内において事業者が行う居住用賃貸建物に係る課税仕入れについて適用されます)。この取扱いに関連する通達(6 - 13 - 10~11、11 - 7 - 1~5、12 - 6 - 1~2)が新設されています。

2. 法人に係る消費税の申告期限の延長
法人税の確定申告書の提出期限の延長の特例の適用を受ける法人が、消費税の確定申告書の提出期限を延長する旨の届出書を提出した場合には、消費税の確定申告書の提出期限が1ヵ月延長されることとされました(2021年3月31日以後に終了する事業年度終了の日の属する課税期間について適用されます)。この取扱いに関する通達(15 - 2 - 8~9)及び届出書様式(消費税申告期限延長届出書、消費税申告期限延長不適用届出書)が新設されています。

消費税の軽減税率制度に係る4つの法令解釈通達(国税庁のウェブサイト「消費税の軽減税率制度について」の「通達」のページに掲載されています)のうち、以下の3つの通達について、元号の改正のほか、新しい付表の新設等が行われています。

  • 消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関する取扱通達
  • 消費税の軽減税率制度に関する取扱通達
  • 消費税の軽減税率制度に関する申告書等の様式

 

上記のうち、「消費税法基本通達等の一部改正等について(法令解釈通達)」に関するe-Tax News
KPMG Japan e-Tax News No.189 (2020年4月2日発行)

3. 経済産業省 - オープンイノベーション促進税制に関するページの開設及び申請ガイドラインの公表

2020年度税制改正では、国内の事業会社等が2020年4月1日から2022年3月31日までの間に、スタートアップ企業とのオープンイノベーションに向けスタートアップ企業の新規発行株式を一定額以上取得する場合、その株式の取得価額の25%が所得控除される「オープンイノベーション促進税制」が創設されました。
経済産業省は4月1日、ウェブサイトに「オープンイノベーション促進税制」というページを開設しました。以下の申請ガイドラインのほか、関係法令や税制の利用にあたっての事前相談、税制の利用に必要な証明書の交付申請に関する案内等が掲載されています。

この申請ガイドラインは以下の4章から構成されている48ページの資料です。
第1章 対象法人(出資側)要件
第2章 スタートアップ企業(受け手側)要件
第3章 出資要件
第4章 手続

本税制は、条文体系が複雑であることや多くの要件が付されていることから、制度の全体像を把握するのは難解ですが、この申請ガイドラインでは図を多く用い、平易な言葉で要点がまとめられており、内容の理解に役立ちます。また、各章の末尾にはFAQが設けられているほか、適宜条文からは読み取りにくい取扱いの趣旨にも触れられています。

 

上記に関するe-Tax News
KPMG Japan e-Tax News No.189 (2020年4月2日発行)
KPMG Japan e-Tax News No.198 (2020年5月29日発行)

4. 総務省 - 地方税に関する改正取扱通知等の公表

2020年度税制改正に伴い、総務省はウェブサイトの「通知・通達」のページに、地方税に関する以下の改正取扱通知等を4月1日付で公表しました。

  • 地方税法、同法施行令、同法施行規則の改正等について
    地方税法に関する改正事項の概要をまとめたものです。
  • 地方税法の施行に関する取扱いについて(道府県税関係)の一部改正について
    2020年度税制改正に伴い改正された道府県税関係の取扱通知の新旧対照表です。電気供給業に係る法人事業税の課税方式や企業版ふるさと納税の改正に伴う見直し等が行われています。
  • 地方税法の施行に関する取扱いについて(市町村税関係)の一部改正について
    2020年度税制改正に伴い改正された市町村税関係の取扱通知の新旧対照表です。企業版ふるさと納税の改正に伴う見直し等が行われています。

5. 東京都主税局 - 発電事業等及び小売電気事業等に係る法人事業税の税率の公表

東京都主税局は4月1日、3月31日に「東京都都税条例の一部を改正する条例(令和2年東京都条例第52号)」(東京都公報(増刊48号))が公布されたことを受け、以下のお知らせを公表しました。

これまで電気供給業に係る法人事業税は、各事業年度の収入金額を課税標準とする収入金額課税が行われてきましたが、2020年度における地方税法改正により、電気供給業のうち、発電事業等及び小売電気事業等について法人事業税の課税方式が見直され、収入割額、付加価値割額及び資本割額の合算額(資本金1億円超の普通法人)又は収入割額及び所得割額の合算額(資本金1億円以下の普通法人等)によって課することとされるとともに、標準税率が改正されたところです。
上記のお知らせによると、2020年4月1日以後に開始する事業年度における東京都の超過税率は、以下のとおりとなります。

《資本金1億円超の普通法人の超過税率》
収入割:0.8025%、付加価値割:0.3885%、資本割:0.1575%
《資本金1億円以下の普通法人等(不均一課税適用法人を除く)の超過税率》
収入割:0.8025%、所得割:1.9425%

 

上記に関するe-Tax News
KPMG Japan e-Tax News No.189 (2020年4月2日発行)

II. 新型コロナウイルス感染症拡大防止関連情報

1. 新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置 - 法律及び政省令の公布

4月7日、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策(「緊急経済対策」)が閣議決定され、内閣府のウェブサイトの「経済対策等」のページにおいて「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策~国民の命と生活を守り抜き、経済再生へ~」が公表されました。
4月30日には、緊急経済対策で提案された税制上の措置の根拠法となる「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための国税関係法律の臨時特例に関する法律」及び「地方税法等の一部を改正する法律」が成立・公布され、同日施行されました。

また、財務省は「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置」、総務省は「新型コロナウイルス感染症の影響に伴う地方税における対応について」というページをそれぞれのウェブサイトに開設し、税制上の各措置の概要資料等を掲載しています。
(緊急経済対策における税制上の措置の詳細は、本号のFocus「新型コロナ緊急経済対策における税制上の措置」にてご確認いただけます。)

2. 国税庁からの公表情報

国税庁はウェブサイトに「新型コロナウイルス感染症に関する対応等について」というページを開設し、多くの情報を掲載しています。その中から以下の(1)~(4)を紹介します。

(1) 新型コロナウイルス感染症に関するFAQ
新型コロナウイルス感染症に伴う申告手続や納付手続などに関するFAQとして、以下の4つが掲載されています。

(全般的な問合せ)

2020年3月に初版が公表されて以降、緊急経済対策における税制上の措置の創設やその他の新たな税務上の取扱いの公表に伴い、随時内容の更新や設問の追加が行われており(目次に更新日・追加日が記載されています。)、新型コロナウイルス感染症に関する税務上の取扱いに関する情報が網羅されています。

(申告・納付期限の期限延長手続)

新型コロナウイルス感染症の影響により期限までに申告等が困難な納税者向けに、税目ごとに個別の申告期限延長の手続等について取りまとめたFAQで、それぞれ以下の内容で構成されています。

問1. どのような場合に個別延長が認められますか。
問2. 個別延長の場合の申告・納付期限はいつになりますか。
問3. 申請や届出など、申告以外の手続きも個別延長の対象となりますか。
問4 個別延長する場合には、どのような手続きが必要となりますか。

それぞれの問4では、個別延長の適用を受けるための手続きとして、申告書の余白に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と付記する旨とともに、その付記を行うべき箇所について、書面で提出する場合とe-Taxで提出する場合のそれぞれの場面に分けて申告書等のイメージ図を用いて示されています。

(2) 新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置
緊急経済対策における税制上の措置のうち、国税に関する措置の情報を集約した以下のページへのリンクが掲載されています。

なお、税制上の措置のうち納税の猶予制度の特例について4月30日付で発遣された「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための国税関係法律の臨時特例に関する法律による納税の猶予の特例の取扱いについて(法令解釈通達)」は、上記とは別のページに公表されました。

(3) 納税が困難な方へ
新型コロナウイルス感染症の影響により、国税を一時に納付することが困難な場合の納税の猶予制度に関する情報を集約した以下のページへのリンクが掲載されています。

このページには、国税の猶予制度(緊急経済対策における税制上の措置で設けられた納税の猶予制度の特例を含みます。)の基本的な取扱いをQ&A形式で示した「国税の納税の猶予制度FAQ」等のほか、英語版のページへのリンクも掲載されています。

3. 東京都主税局からの公表情報

東京都主税局はウェブサイトに「新型コロナウイルス感染症拡大に関する対応」というページを開設し、多く情報を掲載しています。その中から以下の(1)~(3)を紹介します。

(1) 法人事業税・法人都民税

新型コロナウイルス感染症の影響により、法人事業税・法人都民税をその期限までに申告・納付することができないやむを得ない理由がある場合における2種類の申告期限の延長制度について、申請方法、延長後の期限、延長の対象となる法人(申告・納付ができないやむを得ない理由に該当するケース)等が解説されています。また、「4 参考」には「【新型コロナウイルス感染症拡大防止対策】東京都における法人事業税・法人都民税の申告・納付期限の期限延長手続に関するFAQ」へのリンクが掲載されています。

(2) 事業所税(23区内)

新型コロナウイルス感染症の影響により期限までに申告・納付等ができないやむを得ない理由がある場合には、事業所税についても、東京都都税条例に基づき申告・納付期限の延長申請を行うことができる旨が記載されています。また申請方法、申請期限などの情報や、やむを得ない理由の例も掲載されています。

(3) 納税が困難な方へ

新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難な場合に、申請によって適用を受けることができる徴収猶予の制度について、概要、申請方法及び徴収猶予の手続きの流れが解説されています。

 

上記に関するe-Tax News
(日本語)
KPMG Japan e-Tax News No. 190 (2020年4月6日発行)
KPMG Japan e-Tax News No. 191 (2020年4月8日発行)
KPMG Japan e-Tax News No. 193 (2020年4月10日発行)
KPMG Japan e-Tax News No. 194 (2020年4月17日発行)
KPMG Japan e-Tax News No. 195 (2020年4月21日発行)
KPMG Japan e-Tax News No. 196 (2020年4月30日発行)
KPMG Japan e-Tax News No. 197 (2020年5月1日発行)
(英語)
KPMG Japan e-Tax News No. 190 (2020年4月6日発行)
KPMG Japan e-Tax News No. 191 (2020年4月8日発行)
KPMG Japan e-Tax News No. 193 (2020年4月10日発行)
KPMG Japan e-Tax News No. 194 (2020年4月17日発行)
KPMG Japan e-Tax News No. 195 (2020年4月21日発行)
KPMG Japan e-Tax News No. 196 (2020年4月30日発行)
KPMG Japan e-Tax News No. 197 (2020年5月1日発行)

III. その他

1. 国税庁 - 給与所得者の基礎控除申告書等の外国語様式の公表

国税庁は5月8日、「[手続名] 給与所得者の基礎控除、配偶者(特別)控除及び所得金額調整控除の申告」のページに以下のページへのリンクを掲載しました。

給与所得者の基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書について英語、中国語、ポルトガル語、スペイン語及びベトナム語の申告書様式が掲載されています。

2. 経済産業省 - 諸外国等における経済の電子化を踏まえた課税の動向等に係る調査研究事業(令和元年度)の公表

5月22日、経済産業省の「国際租税」のページに、デジタル課税に係る以下の委託調査報告書(受託者:KPMG税理士法人)が掲載されました。

OECDは現在、2019年5月に合意された作業計画に基づき、デジタル課税の新たな枠組み案を2つの主要なテーマ(第1の柱:ネクサスと利益配分に係る論点/第2の柱:軽課税国への所得移転等のBEPSに関する論点)に分けて議論しており、2020年1月31日には、BEPSに関するOECD/G20包摂的枠組みによる声明文書も公表されています。
169ページに及ぶこの委託調査報告書は、これまでのOECDの議論及び諸外国の動向を踏まえ、日本において適切な課税権を確保しつつ、産業政策に整合的な制度を検討する材料を得るため、諸外国・地域の政府又は産業界における経済の電子化への対応等の議論の状況等について調査及び分析を行ったものです。

執筆者

KPMG 税理士法人

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