IASB、「負債の流動又は非流動への分類(IAS第1号の改訂)」を公表
ポイント解説速報 - 国際会計基準審議会(IASB)は、2020年1月23日、「負債の流動又は非流動への分類(IAS第1号の改訂)」を公表しました。
IASBが、2020年1月23日に公表した「負債の流動又は非流動への分類(IAS第1号の改訂)」の概要を解説します。
Article Posted date
30 January 2020
ポイント
本改訂は負債を流動又は非流動への分類する際の要件の1つである、負債の決済を延期する企業の権利を明確化するものである。本改訂の主な内容は以下の通りである。
(1)決済を少なくとも12ヵ月にわたり延期することのできる権利
- 改訂前基準では「無条件の権利」とされていたが、「無条件の」という文言を削除
- 報告期間の末日現在に存在する権利であることを明確化
(2)負債の決済
- 「負債の決済」は、(a)現金又はその他の経済的資源(例:商品やサービス)の移転だけでなく、(b)企業自身の資本性金融商品の移転も該当することを明確化
- 上記の「企業自身の資本性金融商品」により負債の決済が行われる場合であっても、当該負債が、IAS第32号「金融商品:表示」の複合金融商品であって、同基準書に従って負債と資本に区分処理された結果認識されている負債部分である場合、資本部分として処理されている、金融商品の保有者に付与された転換権の存在は、当該負債の流動又は非流動への分類に影響を与えないことを明確化
この修正は、企業がこれまで非流動負債に分類していた一部の負債を流動負債に分類することや、その逆の結果を生じさせる可能性があり、企業の財務制限条項(コベナンツ)に影響を及ぼす可能性がある。従って、この修正に備える時間を企業に与えるため、発効日を2022年1月1日以後開始する事業年度としている。
PDFの内容
I.改訂の背景
II.改訂の概要
(1)IAS第1号第69項における負債の流動・非流動の分類の概要
(2)決済を少なくとも12か月にわたり延期することのできる権利
(3)負債の決済
(4)移行措置及び適用日
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執筆者
有限責任 あずさ監査法人
会計プラクティス部
シニアマネジャー 三宮 朋広