スマートシティデータチャレンジ - 地方自治体はどうすれば市民にデータを開放できるか

スマートシティデータチャレンジ - 地方自治体はどうすれば市民にデータを開放できるか

地方自治体にとって、都市をスマートにしてより住みやすくする必要性が増しています。そこで重要となるのが、データに基づく優れた意思決定です。本レポートでは、地方自治体が取り込んだデータを有効的かつ効率的に利用して都市サービスを構築している海外の具体例をまじえ、スマートシティへの変革に必要な柱の1つである、データドリブンについて検討します。

関連するコンテンツ

地方自治体は、人口の変化、経済の混乱、歳入の減少、市民の期待の急速な変化などに直面する一方で、優れた新しいサービスを提供しなければなりません。そのためには、データに基づく優れた意思決定が不可欠です。今日においては、データの抽出、管理、改良がきわめて重要であり、データを捉え、共有し、データを実用的な洞察と新しいサービスに変換することができる地方自治体は、そのコミュニティにとって最高のインパクトをもたらします。地方自治体がデータチャンピオンとなり、地域サービス向上のためにデータを活用できれば、効率性、サービス提供、説明責任などを改善できるほか、競争力のある魅力的なスマートシティの創造を継続して行うことが可能になります。

ポイント

  • 今日の都市運営においては、地方自治体がデータを活用して意思決定を行うことが、効率的かつ有効的な都市サービスの提供につながる。
  • スマートシティデータ戦略を始動するためには、「ポリシー」、「スモールスタート」、「オープンデータ」の3つのステップが鍵となる。
  • 地域サービス向上のためにデータを活用するには、5段階の「ASSET」アプローチを利用することが効果的である。

都市の主要資産としてのデータ

地方自治体はデータを取り込むことで、主に3つの成果を挙げることができます。その1つ目が「有効性と効率性」であり、サービス提供の改善、行動の迅速化、運用コストおよび非効率性の減少を実現できることが証明されています。地方自治体は、予測分析を利用することで、将来の出来事を事前に想定できるようになるため、リスクを軽減することができます。
2つ目が「CaaS(シティ・アズ・ア・サービス)です。データドリブンであることは、政府が市民の要求に対して、リアルタイムにパーソナライズされたサービスに応えることを可能にします。地方自治体は、インサイトをプールすることによって「汎用ワンサイズ型」のサービスモデルから、「コンシェルジュ」型の体験を提供できるようになります。
そして3つ目が「説明責任と透明性」です。実績の追跡と測定データを使用することで、地方自治体が特定の事項について責任をとることも容易になります。また、地方自治体が都市データを一般公開することにより、透明性を向上させることができます。

スマートシティデータ戦略を始動するための3つのステップ

最初のステップは、データドリブン管理のトップダウン計画を策定することです。このためには、共通の目標、範囲、要件を定義することにより、データ使用を制度化するための都市データポリシーが必要になります。これにより政府の部署間を越えて戦略が共有され、活動の分断化を回避することができます。
次のステップは、内部利用目的で、データと分析への投資のためのビジネスケースを構築することです。投資対効果がわかりやすい小規模プロジェクトから開始するとよいでしょう。
3つ目のステップは、オープンデータを提供するためのビジネスケースを構築し、それがより広いコミュニティにどれだけ恩恵をもたらし得るかを探求することです。たとえば、地方自治体が収集、公開する輸送運転に関するデータに基づいてアプリケーションが開発されることにより、リアルタイムで公共交通機関情報が提供され、地方自治体、市民共に恩恵を受けている例が見られます。

地域サービス向上のためのデータ利用

トップダウンのサポートを行う、あるいは投資を推進する際は、5段階の「ASSET」アプローチを利用して、データ活用を進めることが効果的です。

  1. Accessible(アクセス可能)
    データの共有は、問題に対する共通理解と協調的な対応を可能にします。部署を横断するデジタルインフラストラクチャーを構築して、都市全体でデータを集積できることが肝要です。
  2. Structured(構造化)
    データを構造化する方法によって、そこからどの程度の価値を引き出せるかが決まります。そのため、データを最大限に利用できるようにするために、データの入力、共有、分析について一貫した互換性のあるアプローチが重要になります。
  3. Secure(セキュア)
    都市のデジタルインフラストラクチャーには、堅牢なセキュリティ手段が不可欠です。設計段階からセキュリティコントロールをデジタルインフラストラクチャーに組み込んでおくことが効果的です。
  4. Empowering(権限の付与)
    データ分析により、市民に影響を及ぼす問題について詳細に理解できるようになります。その一方、都市データの一般公開によって、革新的なソリューションを共同で作り上げる権限を市民に付与することもできます。
  5. Trusted(信用)
    強力なデジタルインフラストラクチャーを構築しデータインサイトを開放するには、地方自治体と市民の間に信用を築くことが重要です。

© 2021 KPMG AZSA LLC, a limited liability audit corporation incorporated under the Japanese Certified Public Accountants Law and a member firm of the KPMG global organization of independent member firms affiliated with KPMG International Limited, a private English company limited by guarantee. All rights reserved. © 2021 KPMG Tax Corporation, a tax corporation incorporated under the Japanese CPTA Law and a member firm of the KPMG global organization of independent member firms affiliated with KPMG International Limited, a private English company limited by guarantee. All rights reserved.


For more detail about the structure of the KPMG global organization please visit https://home.kpmg/governance.

お問合せ

 

ご依頼・ご相談

 

loading image RFP(提案書依頼)

Myページへ

会員登録すると、興味・関心のあるテーマのコンテンツが表示され、お気に入りの記事をライブラリに保存できます。

Sign up today