不確実性の高い環境の中、経営者に求められるステークホルダーからの要求や期待は日々高まっています。投資家からはESG観点での経営も求められる中で、中長期の経営戦略策定と、守りのガバナンス・リスク・コンプライアンスを真の意味で融合し、対応することが求められます。

KPMGでは、「攻め」と「守り」の両面を考慮した経営戦略策定・組織設計・ガバナンス・リスク管理体制の検討を支援します。

戦略リスクマネジメントの必要性

「事業戦略」の裏側には必ずリスクが存在する一方で、多くの企業においてそれらが十分に検討・開示されているとは言えません。リスクの検討が不十分な経営戦略は、ガバナンスに対する整備・対応を遅らせ、重大な不備の放置につながります。

戦略リスクマネジメント支援_図表1

KPMGにおける戦略リスクマネジメント

戦略リスクマネジメントとは、「攻め」の経営戦略や事業戦略と「守り」のガバナンス・リスク・コンプライアンスを融合させた「経営戦略・事業戦略」、「組織設計」、「ガバナンス/リスク管理体制」を構築することを言います。「レジリエンス」の観点での事業継続やクライシス対応も含み、中長期の経営の戦略策定から実行、および業務遂行上発生するあらゆる危機・リスクへの対応も含めワンストップで支援します。

KPMGによる支援

ガバナンス・リスク・ESG観点を踏まえた中・長期経営計画策定支援
多くの企業で、中・長期経営計画を策定する際に、売上・利益などの定量的な観点に注視してしまい、社会構造変化・景気循環・技術革新・環境変化等、長周期・低確率のリスクや、ミッションや長期ビジョンに影響を与える重要リスクへの考慮が不足するケースがあります。KPMGでは、戦略策定の専門家とリスクマネジメントの専門家がタッグを組み、さまざまな知見を結集して、内在する不確実性を踏まえた中長期計画の策定を支援します。また、検討した内容の有価証券報告書やIR資料などへの事業リスクの開示向けたアドバイスも行います。

新規事業・サービス開発時のリスクレビュー・対応検討支援
新事業の開発・推進に携わる関係者は、新事業を推進する中で、様々な課題に直面します。
製品・サービスの内容や要素技術、市場や規制環境などに不確実性がある一方、リソースに制約がある中で、開発・推進の局面ごとに、効率的・安定的にリスクを捉え、新事業を支えるためのスキームの立案・運用を支援します。

海外進出・組織再編・撤退に対するリスク評価支援
新興国への進出や、事業投資判断、及びその後のモニタリングにおける、リスク観点での分析等を支援します。また、事業撤退・組織再編などにかかわるリスクの洗い出し・評価から、それを踏まえた再編アプローチの検討、実際の再編にかかわる実行計画の立案等を支援します。

グローバルサプライチェーンリスクマネジメント支援
日系グローバル企業の海外進出が広がる中、地域特性や事業・商品等の重要性、リスク状況を踏まえたグループ会社全体の組織・事業を考慮した「最適なサプライチェーンの構築と運用」が重要となります。KPMGは、グローバルサプライチェーンの脆弱性特定や強靭化に向けた対策の検討から実行までをワンストップで支援します。

サードパーティーリスクマネジメント(TPRM)支援
昨今の社会的要請や各国での法整備の進展により、ESGの視点を織り込んだサードパーティリスク管理の必要性が高まっています。ESG/SDGsの視点からのサードパーティ管理については、どの部署が主管なのか明確ではない、管理対象のサードパーティが多い等の理由から、十分に行えていないケースが大半です。KPMGでは、ESG時代に求められるサードパーティリスク管理の在り方について、現状評価を行うとともに、改善点を検討します。また、デジタルを活用し、効率的な管理体制・プロセスの構築を支援するとともに、データを活用した実効的な管理の在り方の検討を支援します。

戦略リスクマネジメント支援_図表2

グループガバナンス再構築支援
経営戦略を確実に実行するために、重要リスクへの対応と、突発的な危機事象への備えを整備し、不確実性の時代でのレジリエンス強化を目指すことは投資家や取引先などの各ステークホルダーに対する要求に答えるために重要な要素となります。中期経営計画を達成するために必要な「ガバナンス体制(取締役の構成、機関設計)」、「グループ会社管理体制」、「リスク管理・コンプライアンス体制」、「組織体制(業務執行体制)」、「モニタリング体制」について、問題点の洗い出しから対策の検討、実行までをワンストップで支援します。

経済安全保障・地政学リスク対応支援
新型コロナウイルス感染症の世界経済への影響は大きく、経済復興の速度次第で先進国市場と新興国市場の間に格差が生まれ、さまざまな政治リスクへと発展する可能性があります。また、国家間の対立や、気候変動に対する意識の高まりなど、世界情勢を見据えながら事業や投資活動を実施していく日本企業にとって、経済安全保障・地政学の視点は今や欠かせないものとなっています。KPMGは、各国のネットワークと連携しながら、日本企業にとってインパクトの大きなリスクを中心に、最新の動向や影響を踏まえ、事業に対する影響の評価、シナリオ分析などの手法を用いて、地政学リスクによる損失の軽減や未然防止に向けた効果的・効率的な対策立案と実行を支援します。

戦略リスクマネジメント支援_図表3

ESG観点も含めた将来シナリオ分析支援
企業に対して、”事業戦略”も含めた会社全体のリスク・機会に関する開示を求める機運が昨今高まっています。対投資家を意識した情報開示が増えれば増えるほど、企業のリスクテイクに関するスタンスに対する、投資家的視点による評価は厳しくなることが予想されます。KPMGでは、投資家がポートフォリオの構築・運用において、論的支柱としている、“現代ポートフォリオ理論”を概念的に援用し、三つの領域(「(1)将来シナリオ分析による市場環境変化の整理」、「(2)事業の機会・リスク評価」、 「(3)リスク許容度を踏まえたポートフォリオ調整判断」)における支援を行います。

オープンイノベーション(OI)活用に関するリスク管理支援
国内大手企業による、事業戦略策定の際にオープンイノベーションを用いて事業戦略を検討する傾向が増加しています。一方でオープンイノベーションの推進には外部リソースを取り組むことが想定され、従来の事業戦略の策定時に検討するリスク以外も考慮する必要があります(例:協業企業の不祥事・倒産、コンプラ違反など)。
KPMGでは、戦略&リスクチームが協働することによって事業戦略の検討フェーズ~事業化の検討フェーズまでを一気通貫で支援します。特に推進体制の構築支援では検討・実行(協業パートナとの仲介役)にかかわる支援を行い、OI推進に伴って検討すべき、リスクの評価・対応策の検討をすることによりOIの実現可能性を向上させることが可能となります。

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