経営を取り巻く環境が激しく変化する現在、企業の維持・成長のためには大胆なコスト削減を進めながらも、効果の見込まれる案件に対して積極的に投資し着実に執行することが必要です。一方で、企業活動における情報システムへの依存度の高まりにより、情報化投資案件の失敗が経営に与える影響は甚大なものになりつつあります。このような経営環境においては、当初想定した効果が得られない、予定した経営資源をオーバーする等のリスクをコントロールし、情報化投資案件による最大限の効果を得ることが、企業の維持・成長には不可欠な要素となります。

プロジェクトリスクマネジメントの必要性

プロジェクトの大規模化・複雑化
経営統合によるシステム統合や基幹系システムの刷新、多様な技術の複合化、遵法性の確保要請の増大、既存システム熟練者の引退等、システム開発プロジェクトは大規模化・複雑化しています。一方で、プロジェクトの運営にあたる人材は、同様の業務経験や関連知識を有せずにその任務を負い、結果的に「期待効果見直し」「稼動後のトラブル」等のリスクに見舞われるケースが少なくありません。こうしたリスクを回避するためには、大規模かつ複雑なプロジェクト運営の経験を有する人材の登用が必須であると経営者が認識することが重要です。

トップマネジメントの関与
大規模かつ重要なシステム開発プロジェクトの失敗は、経営に多大な損失を与えるため、該当するプロジェクトへの経営陣の関与は必須であると考えます。経営陣がプロジェクト運営に対し十分な指導性を発揮しなかったために、プロジェクトが失敗したケースが多く見られます。トップマネジメントを長とするプロジェクトマネジメントオフィス(PMO)を設置し、重要なプロジェクトの監視・監督を行う等の内部管理体制の充実が必要です。

KPMGによる支援サービス

プロジェクトリスク管理態勢構築・高度化支援サービス
プロジェクト期間中は問題なく推移しているとの報告であったにもかかわらず、いざ本番を迎えるとシステム障害が発生し、システムの利用が制限され予定していた効果が得られないばかりか、障害対応のために追加コストが発生するといったケースを耳にします。これはプロジェクトを推進する立場にあるプロジェクト執行ラインからのみ情報を得ていたために、プロジェクト推進を阻害するリスクが正しく報告されず、適時に適切な判断ができなかったことが原因の1つであると考えられます。
KPMGでは、経営に対しプロジェクト執行ライン以外からの情報提供を可能とする、あるいはプロジェクト執行ラインからの情報の確かさを検証する等の、プロジェクトリスクを把握し統制するために必要な仕組みの構築や高度化を支援します。

プロジェクトマネジメント支援サービス
今日、大規模かつ複雑なプロジェクトマネジメントを成功させる能力と経験をもつ人材は限られています。また、協力会社側から拠出されたプロジェクトマネージャーは、往々にして協力会社側に立ったプロジェクトのマネジメントを行う場合が多くなります。
KPMGでは、プロジェクトマネージャーに対して、プロジェクト計画の策定、リスク評価、協力会社の選定、プロジェクトモニタリングといったプロジェクトのあらゆる段階での支援を、企業側の立場に立って提供します。

プロジェクト監査サービス
情報化投資案件の執行状況について、顧客、株主、取引先、監督官庁等のステークホルダーへの説明責任が強く求められる昨今、「なんとなくプロジェクトがうまく行くかどうか不安だ」、「十分な態勢でプロジェクトマネジメントを行っているつもりだが、本当に問題はないだろうか」等の不安を抱える経営者も多いのではないでしょうか。
KPMGでは、このような不安を抱える経営者の方に対して、プロジェクト開始から終了まで一貫してプロジェクト執行ラインからの情報の正確性を評価し、適切なアドバイスを提供します。また、企業における内部監査部門によるプロジェクト監査の支援や、独立した第三者の立場による外部監査等、要望に応じた形態での提供が可能です。

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