ウィズコロナのニューノーマル時代において、人々の生活観、仕事に対する価値観、消費行動は大きく変化しています。そして企業も新たな時代に対応するために、ブランド戦略や事業構造の転換、製品・サービス提供のあり方を見直すべき局面に置かれています。
KPMGは、消費者の新しい価値観や事業環境の変化を踏まえながら、デザインシンキングのアプローチを用いて、新たなブランド戦略の立案や、事業・製品・サービスの開発を支援します。

アプローチの考え方

本サービスは、製品・サービスイノベーションとブランドイノベーションの領域に対して有効です。
企業の目指す姿と消費者インサイトを踏まえ、部門横断型のデザインシンキングアプローチにより、異業種の事業・製品・サービスの知見や新たなテクノロジーを駆使して、製品・サービスイノベーションとブランドイノベーションの実現をサポートします。さらに、イノベーションアイデア開発の後、ビジネスモデル策定と検証も行います。また、この手法はブランドの定義を見直す際にも非常に有効です。

デザインシンキングプロセス

デザインシンキングとは、ユーザーの視点に立って新しい可能性を発見するための、創造的な問題解決における一連のプロセスを指します。下記の5ステップから成るプロセスによって、ビジネス・製品・サービスアイデアをデザインします。定義、アイデア出し、検証、改善のサイクルを短期間で回し、プロジェクトの目的に沿ったアウトプットを迅速に生み出します。このプロセスは1回限りのものではなく、必要に応じて複数回繰り返します。

デザインシンキングの5ステップ

製品・サービスイノベーション支援

KPMGは、顧客のセグメンテーション・ペルソナ開発をはじめ、カスタマージャーニーのAS-IS分析と顧客課題の特定、TO-BEモデルの定義、イノベーションアイデア開発、アイデア検証と精緻化に基づいたビジネスモデル策定まで展開します。このプロセスでは、異業種専門家等を交えた部門横断型のワークショップなどを通じて常に拡散と収束を繰り返し、また、ユーザーを交えた検証などを通じて徐々に精度を高めます。
KPMGはアイデア開発だけでなく、ビジネス戦略策定まで含めて支援します。

顧客セグメンテーション

どの顧客セグメントに注力すべきかを明確にするため、年齢やライフステージなどの属性情報と、価値観・ライフスタイル情報、ニーズなどでグループに分けます。次に、構成比率や将来の成長性を考慮して、戦略的に2~3つの重点セグメントを選択します。なるべく性別や年齢ではなく、ライフスタイルや価値観でセグメンテーションすることが求められます。

(例) カフェ/ファミリーレストランの顧客セグメンテーションと重点セグメントのイメージ

ペルソナ設定

ペルソナとは顧客やユーザーグループ等、特定の人々の人物像のことで、定量・定性調査をベースとした典型的なユーザー像(「狙いたいターゲット像」)を指します。ペルソナは架空の存在ですが、例えば下記のような要素を網羅し、その人物が「いかにも実在している」かのようにリアルに表現します。

ペルソナサンプルイメージ

カスタマージャーニーマップ

カスタマージャーニーマップとは、ある人の体験を時間軸に沿って視覚化したものです。顧客中心のツールであるため、商品・サービス購入にかかわる顧客と企業のインタラクションのステップと全てのタッチポイントを網羅するだけでなく、旅行やイベント等の体験や、中長期のライフステージにかかわるステップを網羅することも可能です。既存体験だけでなく、将来起こりうる体験の視覚化にも活用できます。KPMGは、モバイルエスノグラフィー調査の手法を取り入れて、モバイルプラットフォーム上で消費者の行動を把握し、「リアルモーメントインサイト」を反映したカスタマージャーニーマップを策定します。

※「リアルモーメントインサイト」の手法についてはPDFでご紹介しています。ご参照ください。

製品・サービス領域検討グリッド

製品・サービス領域検討グリッドは、新しい収益モデルを作り上げる最適な機会を見つけるために活用するフレームワークです。ターゲットセグメンテーションから、商品・サービスの利用機会や新規チャネル機会までカバーし、異業種を含めてどの領域のイノベーションを狙うかを検討します。

イノベーションアイデア開発

多様なビジネスアイデアや商品・サービスアイデアを、有識者や他部門の関係者が参加するワークショップによって開発します。アイデアを開発するにはさまざまな手法がありますが、シンプルなタイトルと5W1Hの要素で構成されるイノベーションアイデアフォーマットを利用することで、ビジネス・商品・サービスアイデア開発におけるすべての要素を網羅し、記入者のアイデア構築を助けます。

アイデアポートフォリオ

ワークショップなどで開発・収集したイノベーションアイデアを、2つの軸(例:実現可能性とビジネスインパクトなど)のそれぞれ3つのセグメント(例:大・中・小など)で9領域に分類し、アイデアに重要度の順位(プライオリティ)をつけ、採用すべきアイデアを特定します。

プロトタイプと検証

アイデアポートフォリオ上で重要度の高いアイデアのプロトタイプ(コンセプトステートメントや、スケッチ・絵、製品の試作品・サービスなども含まれます)を作成し、場合によってはターゲットユーザーを交えたワークショップでその有効性を検証し、どのように改良できるかを検討します。ターゲットユーザーのフィードバックをもとに、アイデアの組み合わせや要素の足し引きなど、さまざまな角度からアイデア改良を検討、製品・サービスの最終候補を決定します。

ビジネスモデルの策定

重要度の順位付けがなされ、関係各社や顧客などによって検証されたアイデアは、ビジネスモデルとして事業化に値するかどうかの検討が必要です。その際、ブランドのバリュープロポジション(製品やサービスが提供する中核的価値で、そのブランドにしかないユニークな特徴を簡潔なフレーズに表したもの)を中心にビジネスモデルを構成するのに必要な要素を検討します。ビジネスモデルは複数のオプションを検証しながら、精緻化し、中長期視点から策定します。

ブランドイノベーション支援サービス

ロングセラーのブランドにもイノベーションが必要です。事業環境の変化を踏まえたブランドの目指すべき姿の再定義と実現にあたっては、ブランド環境分析、ブランド戦略構築、ブランドエクスペリエンス開発、ブランドマネジメントの各視点から下記のメニューで企業を支援しています。通常はステップ1~4を包括的に支援しますが、一部だけに特化して提供することも可能です。

ブランドイノベーション支援サービス

関連サービス

ブランド戦略策定支援
・ブランド体系戦略/パートナーとのコ・ブランディング戦略
・既存ブランド活性化戦略
・消費者理解及びカスタマージャーニー精緻化による商品・サービス改革支援

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