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「KPMGグローバルCEO調査2019」について

「KPMGグローバルCEO調査2019」について

KPMGインターナショナル(チェアマン:ビル・トーマス)はこのたび、世界の約1,300名のCEO(最高経営責任者)を対象に実施した「KPMGグローバルCEO調査2019」の結果を発表しました。

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  • CEOの在任期間は短くなっており、機動性ある経営が重要
  • 自社の成長にとってのリスクは、環境・気候変動リスクが1位、次いで最先端技術/破壊的技術のリスクが2位
  • ’failing fast’のカルチャー、すなわち失敗から学ぶ企業文化が醸成されていると回答したCEOの割合は日本では約4割と、最も高い米国(80%)の半分しかない

KPMGインターナショナル(チェアマン:ビル・トーマス)はこのたび、世界の約1,300名のCEO(最高経営責任者)を対象に実施した「KPMGグローバルCEO調査2019」の結果を発表しました。本調査は、主要11ヵ国(オーストラリア、中国、フランス、ドイツ、インド、イタリア、日本、オランダ、スペイン、英国、米国)および11業界(投資運用、自動車、銀行、小売/消費材、エネルギー、インフラ、保険、ヘルスケア、製造、テクノロジー、通信)において業務収入が100億米ドル以上の企業のCEOを対象に2019年1月~2月に実施したもので、今回で5回目の調査です。
今回の調査結果の中で注目点の1つは、「機動性を持った行動がより一層求められている」と回答したCEOがグローバル全体で67%と3分の2に上ることです。
KPMGインターナショナル チェアマンのビル・トーマスは、「成功するCEOは、機動的である必要がある。不安定で不確実性の高い世界で成功するためには、特にグローバル企業において、様々なリーダーシップスキルが求められる。もはや自分の地位を守るとか、競争優位性を維持するために規模を拡大するといったことは問題ではなく、CEOは新たな戦略的パートナーシップの構築、代替的なM&A戦略の検討、および従業員のスキル向上によって、自社のビジネスモデルを容易に破壊することができるようになる必要がある。」と述べています。

「KPMGグローバルCEO調査2019」の主なポイント

今回の調査結果の主なポイントは、以下のとおりです。

1.世界経済の見通し

世界経済の見通しとして、今後3年間は成長すると回答しているCEOの割合は、グローバル全体で62%と、2018年の67%から低下しています。日本のCEOにおいては、昨年の85%から62%と大幅に減少しており、世界経済の見通しへの警戒感が強まっています。
一方、自社の成長に対して自信があると回答したCEOは、グローバル全体では94%、日本においても87%のCEOが自社の成長に自信を示しています。

今後3年間の世界経済の成長に対して「自信がある」と回答した割合

2019年と2018年の比較

今後3年間の世界経済の成長に対して「自信がある」と回答した割合

2.企業の成長に最も脅威をもたらすリスク

自社の成長に脅威をもたらすリスクとして、世界のCEOは環境・気候変動リスクを1位に挙げており、日本においても同様に最も高い結果となっています。世界的な異常気象、大型の台風・ハリケーンや洪水といった自然災害による影響をはじめ、低炭素・クリーンエネルギーへのシフトなど環境意識の高まりやサステナブル経営を求める投資家からの圧力などに対する危機感が表れているものとみられます。
次いで、破壊的技術リスク、保護主義への回帰、サイバーセキュリティリスク、オペレーショナルリスクと続いています。

企業の成長に最も脅威をもたらすリスク(上位5位)

グローバル全体

順位 2019年 2018年
1 環境/気候変動リスク 保護主義への回帰
2 最先端技術/破壊的技術のリスク サイバーセキュリティリスク
3 保護主義への回帰 最先端技術/破壊的技術のリスク
4 サイバーセキュリティリスク 環境/気候変動リスク
5 オペレーショナルリスク オペレーショナルリスク

日本

順位 2019年 2018年
1 環境/気候変動リスク 保護主義への回帰
2 保護主義への回帰 サイバーセキュリティリスク
3 最先端技術/破壊的技術のリスク 環境/気候変動リスク
4 オペレーショナルリスク 最先端技術/破壊的技術のリスク
5 サイバーセキュリティリスク レピュテーション/ブランドリスク

3.CEOの進化

グローバルCEOの67%が「以前より在任期間が短くなっており、機動性をもった行動がより一層求められている」と答えており、市場からのプレッシャーに対して早く結果を残す必要性をCEOは強く感じています。日本のCEOについても70%と同水準の値ですが、「長期的に持続可能な成功を遂げるためには、単なる財務的成長の先を見据えなければならない」と考えている割合は、グローバル全体で半数以上(55%)に対し、日本におけるその割合は半数以下(44%)にとどまります。

「以前より在任期間が短くなっており、 機動性をもった行動がより一層求められている」と回答した割合

グローバル全体と日本

「以前より在任期間が短くなっており、機動性をもった行動がより一層求められている」と回答した割合

グローバル全体

日本

「長期的に持続可能な成功を遂げるためには、単なる財務的成長の先を見据えなければならない」と回答した割合

グローバル全体と日本

「長期的に持続可能な成功を遂げるためには、単なる財務的成長の先を見据えなければならない」と回答した割合

グローバル全体

日本

4.「失敗から学ぶ企業文化」は未浸透

グローバル全体で、84%のCEOは’failing fast’のカルチャー、すなわち「失敗から学ぶ企業文化を創りたい」と考えていますが、自社の組織に当該文化が存在すると回答したCEOは56%にすぎませんでした。日本においても失敗から学ぶ企業文化が重要と考えるCEOは80%いたものの、自社内にそのような企業文化が醸成されていると回答した割合は41%と、最も高い米国(80%)の半分しかなく、11か国中7番目と低い水準でした。

「失敗から学ぶ社風を創りたい」と回答した割合

グローバル全体と日本

「失敗から学ぶ社風を創りたい」と回答した割合

グローバル全体

日本

「社内にそのような企業文化が醸成されている」と回答した割合

他国と日本

「社内にそのような企業文化が醸成されている」と回答した割合

一方で、「今後3年間で自社のイノベーションプロセスおよび実行を改善する必要がある」と認識している日本のCEOの割合は62%と多く、改革推進の強化を課題ととらえているようです。失敗から素早く学び次のアクションにつなげられることは、不確実な時代での重要な成功要因であり、日本企業における社風および改革プロセスの改善は急務と言えます。

5.日本企業のディスラプションへの対応の遅れ

  • 業界の破壊者になるための取組みについて
    競合会社に破壊される前に自らが業界の破壊者になるように積極的に取り組んでいるCEOは、グローバル全体で昨年の54%に対して今年は63%と9ポイント増加しており、この傾向は強まっていると言えます。日本のCEOにおいても、昨年から11ポイント増加し、59%に至っています。ただし、他国と比較すると、業界の破壊者になるための取り組み割合は11か国中7番目となっており、日本企業は取り組みが遅れていることがうかがえます。

競業に破壊される前に自ら自社の業界の破壊者になるように積極的に取り組んでいる割合

2019年と2018年の比較

競業に破壊される前に自ら自社の業界の破壊者になるように積極的に取り組んでいる割合
  • AIの導入について
    AIの導入については、実際に自社のプロセスの一部をAIで自動化済みと回答したCEOは、グローバル全体でわずか16%です。31%は未だパイロット段階であり、53%はAIの導入は限定的であると回答しています。日本でも、自社のプロセスの一部をAIで自動化済みと回答した企業は12%とまだまだ少ない結果となっています。これに対し、デジタル先進国の米国では31%となっている点は特筆すべきです。

AIの導入状況

グローバル全体

グローバル全体

AIの導入状況

日本

日本

AIの導入状況

米国

日本

6.デジタル人材への投資

データセキュリティ、AIなどの最先端技術の専門家やデータサイエンティストと言ったデジタル人材の有用性の認識が急激に高まり、4割以上の既存人員に対して、新たなデジタルスキルの習得を予定しているCEOの割合は80%に上ります。また、日本のCEOにおいても同水準の82%がそのように回答していることから、グローバル全体でCEOの人材投資意欲は高いと考えられます。

7.サイバーセキュリティに対する高い意識

CEOの検討課題として、グローバル全体で昨年度は第2位だったサイバーセキュリティが、今年度も第4位と高い結果となっています。同様に、日本においても、昨年度2位で今年度5位と、引き続き懸念されるリスクとして上位に挙げられています。
CEOが強固なサイバーセキュリティ戦略の策定が優先課題であると回答したCEOは、グローバル全体で69%となっており、昨年の55%に比べて14ポイント増加しました。サイバーセキュリティに対する意識が一段と高くなっていることがわかります。その危機意識の高さは日本においても同様で、昨年の65%から10ポイント増加し、今年は75%のCEOがサイバーセキュリティ戦略の策定が優先課題であると回答しています。

8.成長戦略の施策の変化

今後3年間で優先する成長戦略については、世界のCEOは「第三者との戦略的提携」(34%)、「有機的成長 (オーガニックグロース)」(25%)と回答しています。一方で、日本のCEOは、今後3年間で優先する成長戦略として、「有機的成長」(29%)を1位に挙げており、次いで「第三者との戦略的提携」(28%)とグローバル全体とは順位が逆になっています。「第三者との戦略的提携」の回答割合は2018年の約4割から減少し、代わってM&A(今年18%、昨年10%、)とアウトソーシング(今年11%、昨年4%)が伸びています。日本のCEOの今後3年のM&Aに対する意欲は、2018年と比較して、組織全体に重要な影響を及ぼすM&A(19%)よりも、適度な程度のM&A(64%)にシフトしています。

イノベーション、R&D、投資、人材採用、既存事業の拡大による成長

KPMGグローバルCEO調査2019に関する情報については、home.kpmg/CEOoutlookのサイトをご覧ください。また、ハッシュタグ「#CEOoutlook」を使用して、Twitterアカウント「@KPMG」でのツイートをフォローいただけます。

日本企業分析の速報版は下記リンクからご覧いただけます。

「KPMGグローバルCEO調査2019」について

本調査は、主要11ヵ国(オーストラリア、中国、フランス、ドイツ、インド、イタリア、日本、オランダ、スペイン、英国、米国)および11業界(投資運用、自動車、銀行、小売/消費材、エネルギー、インフラ、保険、ヘルスケア、製造、テクノロジー、通信)におけるCEO1,300人からの回答に基づいて実施しました。回答企業は業務収入が100億米ドル以上となっています。この調査は、2019年1月8日から2月20日の間にかけて実施しました。

注)いくつかの数値に関しては四捨五入を行っているため、必ずしもその合計が100%にならない場合があります。

KPMGインターナショナルについて

KPMGは、監査、税務、アドバイザリーサービスを提供するプロフェッショナルファームのグローバルネットワークです。世界153ヶ国のメンバーファームに約207,000名のプロフェッショナルを擁し、サービスを提供しています。KPMGネットワークに属する独立した個々のメンバーファームは、スイスの組織体であるKPMG International Cooperative(“KPMG International”)に加盟しています。KPMGの各メンバーファームは法律上独立した別の組織体です。日本におけるメンバーファームは、次のとおりです。有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人、KPMGコンサルティング株式会社、株式会社KPMG FAS、KPMGあずさサステナビリティ株式会社、KPMGヘルスケアジャパン株式会社、KPMG社会保険労務士法人

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