KPMGの2018年度グローバル総収入について

KPMGインターナショナルは2018年9月30日を以って終了する事業年度(FY18)において、総収入が290億米ドルに達したことを発表しました。これは現地通貨ベースで昨年度比7.1%の増収となります。

KPMGインターナショナルは2018年9月30日終了の事業年度において、総収入が290億米ドルに達したことを発表しました。

  • 2018年度の業務収入は、2017年度の264億米ドルから増加し、過去最高の289.6億米ドルを達成
  • 現地通貨ベースで7.1%の増収となり、2017年度の4.8%増から拡大
  • KPMGの3つの分野の中でアドバイザリーが9.9%増と最も大幅な成長。監査および税務についても2017年度比で増収幅が拡大
  • KPMGの5つのインダストリー・セクターでそれぞれ引き続き力強い成長
  • 品質、イノベーション、新しいテクノロジーの推進、新たなクライアントサービスおよびソリューションの開発などに注力した多年度プログラムへの投資を加速させ、世界の多くの大手テクノロジー企業と提携関係を強化
  • 全世界で39,000名の新卒および第二新卒を含む55,000名を採用し、およそ10,000に上る新規雇用を創出。過去最大207,000名の陣容
  • KPMGネットワークは引き続き包括的で多様性のある文化を育むことを重視。管理職のダイバーシティを進め、女性のパートナーおよびディレクターの割合が24%に増加。広く男女の均等を確保
  • KPMGの構成員はこれまで同様、コミュニティへの貢献を優先事項とし、プロボノでのプロフェッショナルサービス約10万時間を含め、過去1年で50万時間以上のボランティア活動を実施

KPMGインターナショナル チェアマンのビル・トーマスは、次のようにコメントしています。
「かつてない変革をクライアントが経験している中、我々は過去最大規模の投資を行い、変革によるメリットをクライアントが享受できるよう支援しています。また、「我々は提供するすべてのサービスの品質向上に努めており、クライアントや資本市場のために担う重要な役割を十分認識しています」。

KPMGは世界の3地域すべてにおいて成長を遂げました。

  • アメリカ地域の収入の伸びは、2017年度の前年比4.4%増に対し、2018年度は6.2%増
  • アジア太平洋地域では力強い成長を実現し、収入が2017年度の8.1%増から2018年度には8.7%増へと拡大
  • 欧州・中東・アフリカ地域(インドを含む)の収入は、2017年度の4.0%増から2018年度には7.3%増に拡大

将来の成長のための投資

ビル・トーマスは、「KPMGは多年度投資プログラムを進めており、革新的な新サービス、テクノロジーおよび企業買収に対して今後4年間にわたって40億米ドル以上の投資を行います。このプログラムでは、AIやインテリジェント・オートメーション、サイバーセキュリティ - 、KPMGの監査および税務のインテリジェントプラットフォームなどのトランスフォーマティブ・テクノロジーに対して主に投資しています」と述べ、さらに「我々は今まさに世界中のクライアントと協力してクライアントの業務改革を進めているところであり、KPMGはデジタルトランスフォーメーションの力を生かして成長を促進し、効率性、イノベーション、品質の面でレベルを高めています」と語っています。

2018年、KPMGは業務分析サービス、人材・リーダーシップのコンサルティング・サービスなどの分野における市場のリーダーとして、さらに、インサイト・サービス・プロバイダーとして、産業アナリストから25を超えるランキングで選ばれています。

サービスラインにおける成長:監査、税務、アドバイザリー

監査

監査部門の総収入は111.5億米ドルであり、4.8%の成長を遂げました。昨年度は3.1%増の103.9億米ドルでした。欧州・中東・アフリカ地域においては5.7%増と、この10年で最も力強い成長がみられました。

KPMGのメンバーファームは引き続き世界中で多くの重要な監査契約を獲得しており、EU監査改革の二年目を迎え、監査契約に動きがある欧州においても、同様に多くの監査契約を獲得しています。

KPMGインターナショナルのグローバル監査統括責任者であるビル・オマラは、「高品質な監査の実施がKPMGの絶対的な優先事項であることに変わりはなく、我々はKPMG Claraと呼ばれる先進の監査プラットフォーム、方法論、そしてなによりも重要である人材への投資を継続しています。KPMG Claraは品質と一貫性の向上を進めつつ、AIや予測分析を含む強力なテクノロジーを統合し、監査プロセスと監査チームとのコミュニケーションから得られた情報をもとにリアルタイムで見解を提供する手助けをしています」と述べています。

税務

税務分野では、税務コンプライアンスサービスの需要が堅調に推移したこと、また国内外の税務アドバイザリーサービスをさらに強化したことにより、収入が2017年度の前年度比5.9%増を上回る6.3%増の63.4億米ドルとなりました。また、移転価格、VATおよび売上税のアドバイザリー業務が好調でした。

KPMGインターナショナルのグローバル税務統括責任者のジェーン・マコーミックは、「税務は企業の重要な経営課題のひとつになってきており、クライアントの事業において税務を戦略的に重視する姿勢が強まっていることに対応するため、我々はクライアントの税務機能を速やかに変革させるための支援を行っており、中でもデータや分析に関するテクノロジーの進歩を活用しています」と述べています。

アドバイザリー

最も増収幅が大きかったアドバイザリー部門の収入は、2017年度の6.0%増から大幅に増加して9.9%増の114.7億米ドルとなり、アジア太平洋地域では4年連続で2桁増を記録しました。中でも、変革的ビジネスソリューションやサイバーセキュリティ、想定外にトランザクションサービスが好調だったことで2桁増となったディール・アドバイザリー・サービス、継続的に高い需要があったアカウンティング・アドバイザリー・サービスなど、クライアントの最優先事項をサポートするコンサルティング業務で力強い成長がみられました。

KPMGインターナショナルのグローバルアドバイザリー統括責任者であるマーク・グッドバーンは、「KPMGがサービスを提供しているクライアントはみな、事業のあらゆる部分または一部において変革を重視しています。彼らの抱えるビジネス上の課題についてクライアントとの対話から始まり、デジタルトランスフォーメーションをどのように我々が支援できるかという段階へと急速に進んでいます。KPMGは、真の事業価値をもたらす最新のテクノロジーソリューションとともに、深い専門知識を提供できる非常に有利な立場におり、ソリューションの開発から市場に投入するまでの速度は過去数年で劇的に速まっています」と述べています。

卓越した才能を有した人材

KPMGインターナショナルのグローバル人材統括責任者であるスーザン・フェリエは、「KPMGは世界中の優秀な人材から選ばれるファームとなっており、ここ1年で39,000名以上の新卒および新人が入社しました。1年で10,000の雇用を創出したことになり、KPMG全体で5.0%増の207,000名と、人員数は過去最高となりました」と述べ、「ダイナミックで包括的な職場環境を目指して尽力していることが、ユニバーサム社による学生が選ぶ『2018年世界で最も魅力的な企業ランキング』第5位という結果に反映されています」と加えました。

人材の多様性はKPMGの最も重要な資産です。ジェンダーダイバーシティを推進し、管理職で女性がパートナーおよびディレクターに占める割合は現在24%と、直近のパートナー昇進者においてダイバーシティが進んでいます(10大メンバーファームの中では28%)。KPMG全体で男女均等に向けて努力しており、現在ではKPMGネットワーク内全体での女性比率は47%を占めるまでになっています。また、Global Inclusion & Diversity Reportを発行し、KPMGが戦略的優先事項として真の包括的で多様性のある文化を育むことに注力していることをさらに強く示しています。

また、KPMGでは、デジタルトランスフォーメーションのスキルの習得のため多大な時間とリソースを投入しています。米国KPMGでは4億米ドルを投じ、米国フロリダ州オーランドに学習、開発、イノベーションのための施設を2019年にオープンする予定です。

企業市民としての優先事項

私たちは、コーポレートシチズンシップをKPMGの戦略とアイデンティティの中核に据え、活動とパートナーシップを通じて地域社会に有意義な影響を与えています。過去1年間で、KPMGのネットワークとKPMGの構成員は地域社会に1億1,000万米ドル以上を投資しました。また、コミュニティの支援のため50万時間の人的貢献をしましたが、この中にはプロボノでのプロフェッショナルサービスが10万時間以上含まれています。KPMGは持続可能な開発目標(SDGs)、特にSDG4の「質の高い教育をみんなに」に関する取り組みを強化しています。

KPMG's Family for Literacy (KFFL)の活動はさらに拡がり、全世界で400万冊以上の書籍を配布しました。現在、米NPO団体のWorldreaderと提携し、電子書籍の普及に努めています。また、KPMG Cyber Dayの取り組みとして、45カ国、8万人以上の児童・生徒を対象にサイバーセキュリティについての啓蒙活動を実施しました。

Junior Achievement、Enactus、One Young World、WE Charityなど様々な組織と連携し、企業市民活動の取り組み強化を引き続き進めています。

2018年度におけるその他実績

KPMGは、職場環境の整備や職場でのインクルージョンを推進するリーダーとして認められています。

  • FORTUNE誌の「2018年 働きがいのある会社100社」に11年連続ランクイン(29位)。FORTUNE誌と調査研究機関Great Place to Workが認定した「2018年女性にとって最も働きがいのある会社」の1社に選出
  • ダイバーシティ社による、2018年トップダイバーシティ企業50社で、8位にランクイン(米国)
  • Working Mother誌が実施する「ワーキング・マザー・ベストカンパニー100社」に22年連続でランクイン。また、「マルチカルチャー・ウーマン・ベストカンパニー」のトップ5に選出(米国)
  • カナダのベスト・ダイバーシティ企業に11年連続で認定(カナダ)
  • 英王室慈善団体ビジネス・イン・ザ・コミュニティ(BITC)と英タイムズ紙による女性のための企業50社に英KPMGが8年連続で選出(英国)
  • 多様な人材を広く受け入れている組織を評価するSocial Mobility Foundationが実施する英国における社会的流動性を推進する企業に選出(英国)
  • 英人権擁護団体ストーンウォールによる、LGBTにとって働きやすい職場として認定される「Workplace Equality Index Top 100」に3年連続で選出、(英国)
  • HRアジア誌による「2018アジア最優秀雇用者賞」を受賞(中国)
  • KPMG中国は、香港政府より、障害者雇用を推進している企業としてFriendly Employment AwardならびにOutstanding Inclusive Team Awardを受賞(中国)

KPMGメンバーファームの総収入

地域別収入(単位:億米ドル)

地域 2018年 2017年 現地通貨ベースの
成長率(%)
米ドルベースの
成長率(%)
アメリカ
111.0 104.8 6.2% 5.9%
アジア太平洋 48.8 44.2 8.7% 10.4%
欧州・中東・
アフリカ
129.8 115.0 7.3% 12.9%
合 計 289.6 264.0 7.1% 9.7%

 

ファンクション別収入(単位:億米ドル)

ファンクション 2018年 2017年 現地通貨ベースの
成長率(%)
米ドルベースの
成長率(%)
監査 111.5 103.9 4.8% 7.3%
税務 63.4 58.3 6.3% 8.7%
アドバイザリー 114.7 101.8 9.9% 12.7%
合 計 289.6 264.0 7.1% 9.7%

 

KPMGインターナショナルは、以下のグローバルレポートも発行しています。

KPMG Global Reviewでは、過去1年間の実績を発表するとともに、KPMGプロフェッショナルの洞察と専門知識だけでなく、誠実かつ品質の高い活動を継続的に推進していることを紹介しています。

KPMG International Transparency Reportでは、KPMGの監査品質の向上への取り組みについての洞察および詳細を紹介しています。KPMGの業務と文化に欠かせない要素である監査の品質向上についてKPMGの確固とした決意を示すものです。

KPMG Global Inclusion and Diversity Reportでは、KPMGがインクルージョンおよびダイバーシティを極めて重要と考え、これに注力していることを紹介しています。KPMG全体でのこの戦略の実現に向けた取り組みを例に、包括的な文化と多様性を認める職場の構築に向けた対応が記載されています。

KPMGインターナショナルについて

KPMGは、監査、税務、アドバイザリーサービスを提供するプロフェッショナルファームのグローバルネットワークです。世界153の国と地域のメンバーファームに207,000名のプロフェッショナルを擁し、サービスを提供しています。KPMGネットワークに属する独立した個々のメンバーファームは、スイスの組織体であるKPMG International Cooperative(“KPMG International”)に加盟しています。KPMGの各メンバーファームは法律上独立した別の組織体です。

KPMGジャパンについて

KPMGジャパンは、KPMGインターナショナルの日本におけるメンバーファームの総称であり、監査、税務、アドバイザリーの3つの分野にわたる7つのプロフェッショナルファームによって構成されています。クライアントが抱える経営課題に対して、各分野のプロフェッショナルが専門的知識やスキルを活かして連携し、またKPMGのグローバルネットワークも活用しながら、価値あるサービスを提供しています。日本におけるメンバーファームは以下のとおりです。
有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人、KPMGコンサルティング株式会社、株式会社KPMG FAS、KPMGあずさサステナビリティ株式会社、KPMGヘルスケアジャパン株式会社、KPMG社会保険労務士法人

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