会計システムに求められる機能と役割―伝票項目でのポイント(3)―

経理財務部門が企業の経営層の意思決定サポートを効果的に発揮するための基礎となる会計情報をどのように集約・集計すべきか、経理財務業務の在り方、およびITシステム利活用のポイントを含め説明していきます。

経理財務部門が企業の経営層の意思決定サポートを効果的に発揮するための基礎となる会計情報をどのように集約・集計すべきか、経理財務業務の在り方、ITシステム利活用のポイントを含め説明

今回は、会計伝票のデータモデルの構築におけるポイントのうち、(3)について整理していきましょう。

(1)会計伝票に保持すべき伝票項目の設計
(2)伝票項目と勘定科目体系の関係
(3)最適な会計情報経路の設計
(4)定義が変わりうる管理集計軸への考慮

(3)最適な会計情報経路の設計

後方業務の管理・集計ニーズに対応する項目をすべて会計伝票項目に含めればいいというものでもありません。すべての管理項目を会計伝票から集計しようとすれば、伝票入力や承認の負荷増加につながり、決算早期化の阻害要因になり得ます。

例えば、販売予算との比較のため、市場別の売上実績を集計する場合、市場別の売上実績は販売管理システムから予算管理システムに直接連携し、会計システムには、製商品群別に細分化しない形でインプットすることも考えられます(図1)。

図1 最適な会計情報経路の設計のイメージ

会計システムに求められる機能と役割―伝票項目でのポイント(3)―

次回は、(4)定義が変わりうる管理集計軸への考慮について、解説していきます。

執筆者

あずさ監査法人
Digital Innovation本部
経理DXチーム

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