スタートアップ連携で実現する戦略リターン

企業がスタートアップとの連携によって創出されるべき戦略リターンは、企業のリターンのみならず投資先の成長も不可避であり、両社の強みを相互共有することがオープンイノベーションにつながります。本連載では、企業の戦略リターンの実現に統合した投資戦略、CVCに焦点をあて全3回シリーズで解説します。

製造企業においても製造業特有の市場構造の変革、中長期を見据えた事業環境への対応など、さまざまな課題に自社の知だけではなくスタートアップとの連携も検討されてきています。

企業の事業再編、新規事業開発が検討されるなかで、スタートアップとの連携を図る機会が増えています。製造企業においても製造業特有の市場構造の変革、中長期を見据えた事業環境への対応などさまざまな課題に自社の知だけではなくスタートアップとの連携も検討されてきています。そのような中で、企業がスタートアップとの連携によって創出されるべき戦略リターンは、企業のリターンのみならず投資先の成長も不可避であり、両社の強みを相互共有することがオープンイノベーションにつながります。本連載では、企業の戦略リターンの実現に統合した投資戦略、CVCに焦点をあて全3回シリーズで解説します。

<ポイント>

  • 「知の探索」を狙う戦略リターンを実現するには、R&D/M&A/CVCを連携させた統合した投資戦略が有効です。
  • 統合した投資戦略で狙う戦略リターンには、CVCとM&Aの連携による「補完技術の独占」と、CVCとR&Dの連携による「補完・代替技術の集積」の2つがあります。
  • 戦略リターンは投資側と投資先で構成され、日本のCVCが投資側のアウトサイド・イン中心である一方、欧米のCVCは投資先に対するインサイド・アウトも狙います。
  • 戦略リターン創出のための運営基盤は、リソース基盤と事業創出プロセスで構成されます。これらの2つの構成要因を経営層/CVC/CFT/事業部の4つの組織の役割に割り当てることで戦略リターンを合理的に創出できます。

 

執筆者

KPMG FAS 執行役員パートナー
KPMGジャパン 製造セクター統轄パートナー
岡本 准

当内容は、中央経済社「旬刊経理情報」2022年6月1日号(No.1645)に掲載された内容をKPMGが再編しました。

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