未来は顧客中心

カスタマーエクスペリエンス(CX)に関する調査によると、政府が提供する顧客満足度は民間セクターよりも低いことがわかりました。政府のステークホルダーは「大切なお客様」として扱われることを望んでおり、ニーズに対応できるよう、オペレーションを進化させなければなりません。政府は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的拡大(パンデミック)がもたらした変化に乗じて、公共サービスのプロセスや効率を変革し続けるでしょう。政府の政策の中心に人々を位置付けようとするなら、進化する人々の価値観や願望に対応していく必要があります。

近代的な政府は信用があって機動的

政府は機動的な業務手法を導入し、迅速なサービス設計を日常的な政策、行政サービスに組み込む必要があります。それぞれの場所に適したソリューションを導入することで、課題や問題、災害シナリオへの反応の精度やスピードが高められるでしょう。

政府はパンデミックの経験から学び、迅速なサービス設計と効率化を組織の隅々にまで定着させようとしています。近代的な政府は、産業界のニーズに即した取組みやイノベーションを通じて積極的に経済成長を促し、「経済の番人」としての役割を果たすことができるでしょう。

国境にとらわれない

賢明な政府は、国境や地域を越えて、同じような状況に直面した他の政府のビジョンや戦略、情報に基づく知見、ベストプラクティスを参考にしています。グローバルな視点を採用することで、従来の障壁が取り除かれ、改革が加速されます。

グローバルな視点を追求すると、政府はデジタルトランスフォーメーションに向けた知見、ソリューションや機会を、水平的に捉えることができます。これまで、政府は蓄積する個人・企業のデータ共有を制限する「縦割り」モデル下で機能してきましたが、サービスの中心に顧客を位置付けるには、政府機関内外での安全なデータ共有を見直す必要があります。

テクノロジーとデータの力を利用する

政府は、人々のニーズや期待を効果的に予測・特定し、エビデンスやインサイトによる意思決定を実行するために、データとテクノロジーを活用する必要があります。

政府は、内部のオペレーションを改善し、信頼できるデータ共有を促進するため、厳しいサイバーセキュリティを実装する必要に迫られています。

次世代公務員の採用・定着

官民両セクターともに人材不足や生産性の低下に苦しむ一方で、新たな時代に適合した新たな人材を求めています。政府は次世代の公務員の採用や定着、新たな重要スキルの導入といった、デジタル社会の要求に応じた人員改革に取り組まなければなりません。

またデジタル時代に合わせて、公共サービスを向上させていく上で、既存職員のリスキル(異なる仕事をするために新しいスキルを学ぶ)やアップスキル(能力向上のために新しいスキルを学ぶ)の重要性も増しています。

政府のリスク管理の近代化

パンデミックによる健康・経済面の緊急事態に各国が競うように対応するなか、政府のリスクに対する考え方は激変しました。こうした変化は、近代化されたリスク対応の将来的な可能性を反映しており、プログラムの開発・提供・実行を大きく加速させていくことでしょう。

政府の活動やプログラムの影響を正確に測定するための保証フレームワークの整備も、機動性や今後の対応力を高めるために役立ちます。

政府の未来に必要なのはコネクテッドエンタープライズ

新しい時代に成功を収めるには、政府はオペレーションを進化させて顧客としての国民を重視し、変化し続ける状況やニーズに対応できるようにしておかなければなりません。

「コネクテッドエンタープライズ」の8つの重要能力に戦略的に投資している組織は、デジタル投資に対するリターンを生む可能性が2.1倍高くなっています。

 

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