この10年間の機械学習とAIのブームは、コンピュータビジョン、自然言語処理、予測モデルなどの多くの分野で驚くべき成果をもたらし、ビジネスコンサルティングの重要な手法としてのデータサイエンスの到来を後押ししました。データサイエンスプロジェクトは、通常、大規模なデータセットの中で関連性のパターンを発見することによって予測の問題を解決する従来の機械学習法に焦点を当てています。例えば、過去に記録されたデータに基づいて製品の販売をどのように予測することができるか、といった質問に答えます。

しかし、典型的なビジネスは、様々な課題を抱えています。例えば、価格設定(売り上げを伸ばすには製品の価格をどのように設定すればいいのか?)、プロセス最適化(どうすればサプライチェーンを最適化できるか?)、または顧客サービス(どうすれば顧客の減少を防ぐことができるか?)、といったことが少なくとも例として挙げられます。このような課題に答えるためには、行動 (介入) と結果の間の因果効果を推定することによって従来の機械学習に勝る推測を行う、因果推論を用いる必要があります。

さらに、データサイエンスの応用においては、不確実性の影響はしばしば見落とされたり過小評価されたりします。データやビジネスプロセスの不確実性を考慮することは、分析の信頼性を向上させるだけでなく、意思決定に伴うリスクを調整する微妙な決断を可能にするためにも不可欠であると考えます。

本稿では、 因果推論(因果効果)、 確率的プログラミング(統計的モデリング)、およびベイズ意思決定(最適意思決定)を結びつける、原理に基づいたワークフローについて説明し、データサイエンス手法(図1)を用いたビジネス課題への取組みをご紹介します。ますます勢いを増すこれらの技術について説明していきます 。

図1:確率的ビジネス分析の原則的なワークフロー

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