法務省、時限的なウェブ開示の対象拡大の延長に関する「会社法施行規則及び会社計算規則の一部を改正する省令」を公布

2021年12月13日、法務省は、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえたウェブ開示の対象拡大措置を2023年2月28日まで延長する「会社法施行規則及び会社計算規則の一部を改正する省令」(以下「本改正省令」という。)を公布しました。また、同日に意見募集の結果について公表しています。

2021年12月13日、法務省は、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえたウェブ開示の対象拡大措置を2023年2月28日まで延長する「会社法施行規則及び会社計算規則の一部を...

本改正省令の概要は以下のとおりです。提出意見を踏まえた省令案からの修正はありません。

1.改正の趣旨

本改正省令は、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、事業報告に表示すべき事項の一部並びに貸借対照表及び損益計算書に表示すべき事項をいわゆるウェブ開示によるみなし提供制度の対象とするため、会社法施行規則及び会社計算規則の改正を行うものです。

2021年1月29日に新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた特例措置として時限的にウェブ開示の対象事項の範囲が、事業報告に表示すべき事項の一部並びに貸借対照表及び損益計算書に表示すべき事項に拡大されていました(2021年9月30日に失効)。本改正省令は、このウェブ開示の拡大措置を延長するものです。

2.改正の内容

以下の事項については、インターネット上のウェブサイトに掲載し、そのウェブサイトのURL等を株主に通知すれば、当該事項に係る情報が株主に提供されたものとみなすものとしています(会社施行規則第133条の2第1項、会社計算規則第133条の2第1項)。※1

事業報告

株式会社が事業年度の末日に公開会社である場合において表示すべき事項のうち、

  • 「当該事業年度における事業の経過及びその成果」(会社法施行規則第120条第1項第4号)
  • 「対処すべき課題」(同項第8号)
計算書類 貸借対照表及び損益計算書※2

※1 ウェブ開示をする旨の定款の定めが必要となります。
※2 監査報告に無限定適正意見が付されていることなどの一定の条件を満たす場合にのみ、ウェブ開示によるみなし提供制度の対象となります(会社計算規則第133条の2第1項各号)。

また、この場合には、取締役は株主の利益を不当に害することがないよう特に配慮しなければならないものしています(会社法施行規則第133条の2第4項、会社計算規則第133条の2第4項)。

3.施行期日・失効

公布の日から施行されます。

本改正省令により改正される会社法施行規則及び会社計算規則の規定は、2023年2月28日限り、その効力を失うものとされています。ただし、同日前に招集の手続が開始された定時株主総会に係る事業報告及び計算書類の提供については、なおその効力を有するものとされています。

執筆者

有限責任 あずさ監査法人
会計プラクティス部
マネジャー 山田 桂子

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