パーパスを軸としたポートフォリオ転換 ~CEOサーベイ結果からの考察~

「KPMGグローバルCEO調査2020」の結果から多くのCEOは自社のパーパスを再定義する必要があると回答しました。本稿では、企業のパーパスを基軸とした経営管理として、事業ポートフォリオ転換の加速に向けた事業ポートフォリオ管理の仕組みの構築ポイントをご説明します。

企業のパーパスを軸とした事業ポートフォリオ転換の加速に向けた事業ポートフォリオ管理の仕組みの構築ポイントをご説明します。

KPMGは、世界の経営者の将来見通しや重要施策等を調査した、第6回目となる「KPMGグローバルCEO調査2020」を発表しました。 今回は、多くの重要な市場が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の深刻な影響を受ける前の1月~2月、および感染拡大後の7月~8月に調査を実施しています。これにより、世界的な感染拡大とそれによるビジネスへの広範な影響がCEOの戦略や意識にどのような変化を生じさせたかを理解することができる非常に興味深い内容となっています。

本稿では、CEO調査の結果から重要性が高まっている企業の課題とその対応策について考察し、特に、企業のパーパスを基軸とした経営管理として、事業ポートフォリオ転換の加速に向けての事業ポートフォリオ管理の仕組みの構築ポイントをご説明します。

なお、本文中の意見に関する部分については、筆者の私見であることをあらかじめお断りいたします。

目次

1.  コロナ禍は世界のCEOの戦略や意識を変えた

2.  ニューノーマルに求められるCEOの姿勢

3.  事業ポートフォリオ転換の加速にむけて

ポイント

POINT 1
グローバルCEO調査では、CEOの79%がコロナ禍においてステークホルダーのニーズに対応するために自社のパーパス(存在意義)を再定義する必要があったと回答した。より持続可能で包括的なアプローチに焦点を当てた「パーパス」を基軸とした経営が必要になると考えられる。

POINT 2
なぜ今、ポートフォリオ転換なのか。KPMGでは、(1)ビジネスモデルの大きな変革の要請も背景に、事業単独の転換ではなく、組織力(ケイパビリティ)の変革の観点でのポートフォリオ転換が必要となってきていること、(2)長期的な成長のためには、競争優位につながる成長投資を打ち続けていく必要があり、これら投資に振り向ける余力の確保のためにも、選択と集中への必要性がますます高まっていること、と考えている。

POINT 3
事業ポートフォリオ転換における成功のカギは、(1)「なりたい企業イメージのトップマネジメント間での合意」とそれに基づく、(2)「断固とした(転換推進の)決意」、また、(3)「撤退判定対象の選別とモニタリングルールの明確化」である。

記事の全文は以下よりご覧ください。

執筆者

有限責任 あずさ監査法人
アカウンティングアドバイザリーサービス
ディレクター 程原 真幾

有限責任 あずさ監査法人
アカウンティングアドバイザリーサービス
ディレクター 菅野 香織

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