COVID-19対策としての外出禁止令により、電気通信サービスは大半の消費者にとって不可欠なものとなり、電気通信事業はかつてないほど重要な産業となっています。本稿では、グローバルCEO調査の結果をもとに、電気通信企業がニューリアリティにどのように適応し、投資しているかを紹介し、将来の課題を解説します。

ポイント

  • 電気通信企業のCEOは、市場の混乱という課題に対処するために多くの戦略的措置を講じており、新たな機会と新しい収益ストリームを獲得するために組織のレジリエンスに重点を置いている。
  • 電気通信企業のCEOは、組織において多様性と人種差別防止イニシアティブを促進するための様々な方策を行っている。
  • COVID-19により、電気通信企業のCEOにとってのビジネスの成長に対する脅威は、最先端/破壊的な技術や自国優先主義への回帰から人材やサプライチェーンのリスクに変化している。
  • COVID-19は電気通信企業の間でデジタルトランスフォーメーションイニシアティブを加速させたが、今後はレジリエンスを強化しつつ最大の価値を生み出す分野に効果的に労力と投資を集中していくことが必要である。
  • 電気通信企業はESGに対する配慮をますます強めており、持続可能性と気候変動に関する積極的な志向の強化を重要視している。
  • 電気通信企業は、ニューノーマル下で変化する顧客のニーズやコスト構造、ネットワーク需要に応えていくため、戦略的な意思決定を続けていく必要がある。

経済見通し

電気通信企業はCOVID-19を通じてレジリエンスを示しましたが、CEOは、世界経済と自社の成長見通しに対して著しく自信を低下させています。電気通信サービスへの依存は強力で、世界中で伸び続ける可能性がありますが、事業者は、変化する顧客のニーズやコスト構造、ニューリアリティにおけるネットワーク需要に応えるために、戦略的決定を継続していく必要があります。

平等の支持

米国では社会運動がますます広く行われ、平等意識の高まりが勢いを増しているため、多くの企業が、人種的および経済的平等を含む幅広い企業の社会的パーパスを支持する声明を発表しています。一部の電気通信企業のCEOは、パフォーマンス管理や無意識の偏見に対処するための個別研修などの対策を通じて、組織において多様性と人種差別防止イニシアティブを促進するための様々な方策を報告しました。

最大のリスク要因

電気通信企業のCEOは組織のレジリエンスを強化するため、人材、サプライチェーン、サイバーセキュリティ、および最先端/破壊的技術という4つの主要なリスク分野に注意を向けています。サプライチェーンリスクにより、5G設備と人気のある消費者向けデバイスの入手可能性が世界的に制限されました。それと同時に、電気通信企業は最先端の技術から最大の価値と収益を獲得する方法に取り組んでいます。これらの企業は、従業員が最先端の技術や将来の成長分野を支えるために必要なスキルを備えていることを確実にする必要があります。電気通信企業はまた、効果的なサイバーセキュリティが自らの責務であり、リスク要因であり、それと同時に収益機会になることを認識しています。

デジタルトランスフォーメーション

COVID-19はまた、電気通信企業の間でデジタルトランスフォーメーションイニシアティブを加速させました。これにはデジタルカスタマーエクスペリエンスと新しい収益ストリームへの急激なシフトを含みます。これらが勢いを増すにつれて、電気通信企業は、同様にレジリエンスを強化しつつ、最大の価値を生み出す分野に注力する必要があります。電気通信企業が改めて変革に注力するにあたり、資金集約的5G投資から得られる価値を最大化するためにビジネスモデルと収益ストリームを変えていく必要もあります。

ESG

COVID-19により、電気通信企業はESG(環境、社会、ガバナンス)イニシアティブを加速させました。電気通信企業のCEOは、企業の変革に取り組む際に、ESGの問題により注意を払い、この危機の結果として合意された持続可能性と気候変動に関する積極的な志向を確固たるものにする必要があることを認識しています。

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