メキシコ:COVID-19に関連する会計上の検討事項(前半)

メキシコ日系企業にとって2020年12月期の財務報告に影響を及ぼす可能性のある会計上の主要な論点について解説しています。

メキシコ日系企業にとって2020年12月期の財務報告に影響を及ぼす可能性のある会計上の主要な論点について解説しています。

COVID-19感染拡大に影響により、多くの企業は事業に悪影響を及ぼす可能性のある未曽有の課題に直面しています。これには、信用の悪化、失業率の増加、在庫水準の増加、需要の減少による生産の減少、レイオフおよびその他のリストラクチャリング活動等広範にわたります。このような状況が続くことから、より広範な景気後退が起こり、企業の財務業績に長期的マイナスの影響を及ぼす可能性があります。メキシコにおいても政府・地方自治体による必要不可欠な業種以外の企業に対しての操業停止要請が発せられたことを受け、工場の操業停止を余儀なくされた企業が大多数だったかと思います。現在多くの日系企業が従事する自動車関連産業については不可欠な活動と認定されたことから操業を再開されていると思いますが、景気後退に伴い、需要の減少による生産の減少、衛生プロトコルを遵守することにより生じる稼働率の低下、在庫水準の増加、急激なドル高ペソ安による為替差損の発生といった状況に直面されている企業がほとんどかと思われます。

本ニューズレターおよび次回のニューズレターの2回にわたり、メキシコ日系企業にとって2020年12月期の財務報告に影響を及ぼす可能性のある会計上の主要な論点について解説しております。以下に説明する個々の論点の重要性は、業種および企業によって異なるとは思いますが、今後の皆様の論点整理に少しでもお役に立てば幸いです。

なお、本ニューズレターは、2020年12月期において検討することが望ましい論点をお伝えすることを目的としているため、個々の会計基準に関する解説は割愛させていただいている点ご留意願います。なお、個々の会計基準に関する解説については、今後のニューズレターにおいて個別に解説することを予定しています。取り急ぎ、個々の会計基準についてご質問等ございます場合は、各担当まで直接ご連絡ください。なお、本ニューズレターにおいて取り上げている論点は、メキシコ日系企業が主に採用しているメキシコ会計基準(NIF)・国際会計基準(IFRS)・米国会計基準(USGAAP)のいずれにも共通する論点ではありますが、各基準によって詳細な取り扱いが異なる点もありますので、実際の会計処理等を検討される際は、採用されている会計基準に照らして自社への影響を検討することが必要な点、ご留意ください。

本ニューズレターで取り上げている論点は、次のとおりとなります。

目次

1. 固定資産の減損
2. 棚卸資産の評価
3. 営業債権に対する貸倒引当金
4. 繰延税金資産の回収可能性
5. 収益認識
6. リース(借手のケース)

(以下、次回ニューズレター掲載論点)
7. 従業員給付保険による補填
8. 従業員給付
9. リストラクチャリング引当金
10. 不利な契約に係る引当金
11. 継続企業
12. 後発事象
13. その他

本ニューズレターは以下よりPDFにてダウンロードいただけます。

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