停滞から回復へ:COVID-19により停滞中の自動車アフターマーケットに需要拡大の兆しあり

停滞から回復へ:COVID-19により停滞中の自動車アフターマーケットに需要拡大の兆しあり

本稿では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の自動車アフターマーケットの売上高への影響を予測し、今後の対策を考察します。

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による景気の後退や外出制限により、自動車の部品および修理の需要は減退し、自動車アフターマーケットの売上高は打撃を受けています。現在の需要の落込みを反映してコストを削減すると同時に、需要の回復期に備えておくことが重要になります。

本稿では、アフターマーケットの売上高に大きな影響を及ぼす自動車の走行距離(VMT)と車齢を分析することにより、アフターマーケットの売上高がどのような影響を受けるのかを予測し、今後の対策を考察します。

ポイント

  • アフターマーケットの売上高に最も大きな影響を及ぼす自動車のVMTは、COVID-19の影響により大きく減少したが、VMTは今後も長期間にわたり落ち込む可能性がある。
  • 数年前の新車販売の好調期に購入された自動車が交換部品の需要の最盛期に入るため、アフターマーケット部品のビジネスは比較的短期間でその減退から回復する可能性がある。
  • アフターマーケット部品のメーカーは現在の景気後退を乗り切るために慎重にコスト削減に取り組みながら、1、2年後の需要回復時に速やかに増強できるように備えておく必要がある。
     

収益性の高いアフターマーケット、しかしその売上高は新車売上高に対して逆相関的ではない

自動車アフターマーケット(部品およびサービス)は、自動車の全システムに対応する製品カテゴリーを網羅しています。アフターマーケットビジネスは、自動車メーカーおよびTier1部品サプライヤーにとって収益性が非常に高いビジネスであり、その売上総利益は新車売上高を大きく上回ります。新車売上高の急減傾向がみられるような経済的に不確実な時期には、このような自動車メーカーやサプライヤーが生き残るためにも、アフターマーケットの売上高は重要なのです。

アフターマーケット部品の需要は、新車販売に対して逆相関的であると一般的には考えられています。しかし、COVID-19の影響による外出規制中には、アフターマーケットの売上高が2019年の同期比で5%超下落しました。

走行距離が減少するほど、部品の需要も減少する

アフターマーケットの売上高を決定する3つの主な要因として、季節要因、自動車の走行距離(VMT)、車齢があります。KPMGの調査によると、アフターマーケットの売上高に最も大きな影響を及ぼすのは、自動車のVMTです。COVID-19の感染拡大を受けて行われた外出規制により、通勤、ショッピング、社会交流/娯楽など、さまざまな運転目的においてVMTが減少し、2020年4月、VMTは2019年4月との比較で60%以上減少しました。VMTの減少を踏まえ、KPMGは今年のアフターマーケット全体の収益は2019年比で約13%減少すると予測しています。

VMTの変動は人々の行動の変化を反映しているため、その回復は鈍くなる傾向にあります。さらに、COVID-19の影響によって生じている行動の変化(リモートワークやオンラインショッピングへの移行など)は今後も継続すると考えられます。そのため、VMTは9.2%程度減少するだろうとKPMGは予測しています。通常、この水準の減少は、アフターマーケット部品の需要にとって永続的な打撃になる可能性があります。

希望の兆し

アフターマーケットの売上高は車齢によっても大きな影響を受けます。2015年から2019年の間に新車販売市場でわずかな好景気があったため、2022年までに車齢が3~7年の自動車の割合が拡大します。そうなれば、アフターマーケット部品を必要とする修理やメンテナンスが発生し始めます。このため、KPMGはアフターマーケットの売上高は2022年に回復し始め、2024年までには以前の高水準に戻ると予測しています。アフターマーケット部品のメーカーは現在の景気後退を乗り切るために慎重にコスト削減に取り組みながら、2022年の需要回復時に速やかに増強できるように備えておく必要があるとKPMGは考えます。そのために、生産設備、製品、販売チャネルおよび価格設定の戦略について慎重に再考する必要があります。

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