5Gとエッジコンピューティングが創出する価値(交通・物流業界)

本記事では、交通・物流業界におけるエコシステムおよびビジネス機会について、詳細に考察します。

本記事では、交通・物流業界におけるエコシステムおよびビジネス機会について、詳細に考察します。

5G+エッジコンピューティングがもたらす交通・物流業界の将来像

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、組織のデジタル化の必要性はこれまでになく高まっており、エッジコンピューティングとともに5Gは世界経済の回復に大きな役割を果たすと考えられます。

KPMGおよび世界的な市場調査会社であるIDCは製造業、ヘルスケア、交通・物流、公共安全およびゲームの5つの業界について調査、分析を行いました。5Gとエッジコンピューティングの導入の増加に伴い、2023年までに前述の5つの調査対象業界が、コネクティビティ、ハードウェア、ソフトウェアおよびサービスを含むエコシステム全体に年間5,170億米ドルの収益をもたらすと、この調査では予想されています。

本記事では、交通・物流業界におけるエコシステムおよびビジネス機会について、さらに詳細に考察しています。高度な道路交通はスマートシティにとって必要不可欠です。その成功の鍵となるのは、自動車とインフラ(V2I)および自動車と自動車(V2V)の間の通信と考えられています。車両の運転者および乗客は、センサーからのデータにより運行状況や問題を把握できます。道路上では、道路工事や事故の情報がリアルタイムに更新されることで交通管理が容易に行われ、その情報が利用者に順次に提供されます。駐車場でも、即座に空きスペースを特定することで、運転手の労力を省くことができます。自動配送ロボットは、道路や郵便ポスト、充電ステーションを含むさまざまな公共および民間のインフラと動的に連携するでしょう。

その結果、利用者は、遅延が少なく、移動が速く、公共交通機関がより安全になり、大幅に改善された体験を楽しむことができます。消費者は自動配送の利便性と時間の節約から恩恵を受けるでしょう。 これらすべてが、より快適な都市を作り出します。

交通・物流業界に創出される新たなエコシステムと市場

IoTシステムベンダー
道路や駐車システムの大量のセンサーおよびデバイスは、5Gの多接続性を必要とします。ネットワークの遅延特性が改善し、容量と接続可能なカバレッジエリアが拡大することで、より迅速かつ正確な分析が可能になります。これは、交通機能の改善、輸送および交通の流れの円滑化、ならびに事故の削減につながります。

アプリケーションソフトウェアベンダー
コネクテッドカー、ETC、スマートパーキング、フリートテレマティクス、ナビゲーション、ロジスティクス、在庫管理等を高度化する多数の交通・物流関連のアプリケーションがあります。これらのアプリケーションは膨大な量のデータを創出します。高度化された輸送および交通システムを人手を介さずに管理するために5G+エッジコンピューティングの力が必要となります。

ビッグデータ分析ソフトウェアベンダー
複数の交通サブシステムおよび外部情報源から収集されたデータは、交通予測、事故報告およびその他の重要情報を提供するために利用されます。5G+エッジコンピューティングにより、高度なアルゴリズムに従って自動車を動的に運航管理し、障害やリスクを防ぐことができます。

システムインテグレーター
5G+エッジコンピューティングによって、複数の情報源から信頼性のあるデータ収集が確実に行われ、運送会社が高度な価格決定モデルで新サービスを導入するのに役立ちます。

今後の展開

通信事業者は5Gとエッジコンピューティングを利用したビジネス機会を活かして、コネクティビティだけではなく、クラウドインフラの導入、アプリケーション開発、デバイスとデータのマネジメン トサービスへの参入を検討することができます。特に重要なビジネス機会は、下記になります。

  • ソリューション全体をカバーするE2Eのコネクティビティを提供する
  • デバイス、デバイスとデータマネジメント、エッジコンピューティングと分析基盤、これらを統合してデータセンターを提供する
  • 自動化された公共交通やMaaSなどの重要サービスを 可能にするプラットフォームを提供する

英語コンテンツ(原文)

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