コロナウイルス拡大がもたらしたIT運用ビジネスモデルへの影響についての考察
COVID-19がもたらすビジネスへの影響を克服するためのIT運用において考察しました。
COVID-19がもたらすビジネスへの影響を克服するためのIT運用において考察しました。
KPMGの考察
デジタル化の波(デジタルディスラプション)によって企業を取り巻く環境はこの数年間で大きく変化しました。IDCによる‘ビフォーコロナ’予測では「今後2022年迄の売上高成長の80%はデジタル関連によってもたらされる」と予測されていました。実際に数多くの企業が顧客からの要求や従業員の期待に応えるためにデジタルトランスフォーメーションを実行に移していました。
最近になってアフターコロナにおける「新しい現実」とは、数多のデジタルソリューションを通じて実現される‘テクノロジーが主役となる社会’であるということが、まことしやかに囁かれています。今後生じる最大の変化とは既存のITシステムで利用されているテクノロジーを超えた次元/レイヤーで生じ、そうした変化は業務プロセスの見直しによって促進されます。
新たな時代では、従業員の期待と顧客の要求を満足するような製品・サービス・体験を提供できるように事業を根本的に改革することが求められます。勝ち組企業となるには、自社の機能及びプロセス、テクノロジー、ビジネスモデル、組織/ガバナンス、人材、データ/成果解析の6つの視点を通じたIT運用の変革が必要となります。
トリガーとなる問題点
- 経営目標と優先課題に関する理解の欠如、そうした目標と課題との間の不整合
- 事業が求めるスピードに対応出来ていないITシステム
- 自社のITがサプライヤーと同期していない、また、ビジネスとも同期していないことに起因する、消費者ニーズを満たさない非効率な製品とサービス
- 優先事項への迅速な対応、高付加価値の業務に注力することが困難な事情
- 新しい時代の働き方に即した能力を有する人材の採用や配置転換の遅延
- 変化・変革の障害となるような重大な技術的欠陥
- 持続困難な水準にまで増殖したテクノロジーアーキテクチャ
- データ活用のメリットを阻害する社内事情
- 意見衝突を招くようなフロント・ミドル・バックオフィス間のコミュニケーションの分断、サイロ化した組織、課題に対する不十分な対応
KPMGの見解
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行を受け、各国の保健衛生当局はソーシャルディスタンスや外出自粛を義務付け、あるいは推奨しています。企業は事業運営の見直しを迫られています。具体的にはテクノロジーを活用した新たな製品やサービスを迅速に展開することが必要となりました。そして、このような優先課題の変化と事業の変革を一夜にして達成することを求められています。しかしながら、このようなことが持続可能であるのかという疑問符が付きまといます。
COVID-19がもたらすビジネス影響を克服するために実行する各種施策を通じて、ビジネスモデル、人材活用、業務プロセス、テクノロジー、データ/成果解析、組織/ガバナンスといった側面でのIT運用に影響が及ぶことになります。
貴社の現状/現在地は? - 確認すべき事項
これからの働き方についての理解 | どのような手段を どこで活用すべきかの判断 |
中止すべき事項の決定 | 将来についての分析 |
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貴社が取るべき行動
どのような課題も、最大の難関は最初の一歩を踏み出すことです。まずは以下のようなアクションから始めることが可能です。
- 会社の置かれている状況を把握するために多面的な角度からビジネスモデルを評価すること
- 事業を優先したテクノロジー・ポートフォリオを明確化し、それらに固有のバリュー・ドライバーとテクノロジーのニーズを理解すること
- 最も高付加価値のテクノロジーやその変更プランを踏まえ、IT運用のトランスフォーメーションに際しての優先順位を付けること
- 新たな働き方に資するようにビジネスとITを統合するビジョンを設定すること
- マーケットが求めるスピードに対応するため「アジャイル」や「デブオプス(DevOps)」、さらにはクラウド等の最先端の開発手法を活用して優先度の高いテクノロジーの将来像を設計すること
- 重要性の高い施策に優先順位が設定されたトランスフォーメーション・ロードマップを作成すること
- トランスフォーメーションを推進するとともに、管理を行いうるリーダーシップチームと体制を組織すること
- 各事業における新たな働き方を踏まえた設計、試行そして研究を行うこと