会計・監査情報(2020.5-6)

会計・監査情報(2020.5-6)

本稿は、あずさ監査法人のウェブサイト上に掲載している会計・監査ダイジェストのうち、2020年5月分と6月分の記事を再掲載したものです。

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本稿は、あずさ監査法人のウェブサイト上に掲載している会計・監査ダイジェストのうち、2020年5月分6月分の記事を再掲載したものです。会計・監査ダイジェストは、日本基準、国際基準、修正国際基準及び米国基準の会計及び監査の主な動向を簡潔に紹介するニューズレターです。

I.日本基準

1.法令等の改正

最終基準
(1)緊急・時限的なウェブ開示の対象拡大に関する会社法施行規則及び会社計算規則の一部を改正する省令

法務省は2020年5月15日、会社法施行規則及び会社計算規則の一部を改正する省令(法務省令第37号)(以下「本省令」という)を公布し、同日から施行した。
本省令は、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、定款上の手当てが行われていることを前提に、本省令の施行の日から6ヵ月以内に招集の手続が開始される定時株主総会に限り、単体の貸借対照表や損益計算書等(監査役等による監査報告及び会計監査人による会計監査報告も含む)をいわゆるウェブ開示によるみなし提供制度の対象に含めることとするものである。
ただし、貸借対照表及び損益計算書については、会計監査報告に無限定適正意見が付されていることなどの一定の条件がある。

  • 施行日・失効
    公布の日(2020年5月15日)から施行されている。

本省令による改正に係る会社法施行規則及び会社計算規則の規定は、施行日から起算して6ヵ月を経過した日に、その効力を失う。ただし、同日前に招集の手続が開始された定時株主総会に係る事業報告及び計算書類の提供については、なおその効力を有する。

あずさ監査法人の関連資料
ポイント解説速報(2020年5月15日発行)

(2) 金融庁、会計方針、収益認識及び会計上の見積りに関する開示等の会計基準の改訂等を踏まえた「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令」等を公布
金融庁は2020年6月12日、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(以下「財務諸表等規則」という)等の一部を改正する内閣府令」等(以下「本改正」という)を公表した。本改正の概要は以下のとおりである。

  • 企業会計基準委員会が2020年3月31日に公表した「会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準(企業会計基準第24号・改正)」、「収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号・改正)」及び「会計上の見積りの開示に関する会計基準(企業会計基準第31号)」等を受けて、財務諸表等規則等について所要の改正を行っている。
  • 2020年3月31日に公表・改正した上記3つの会計基準を、連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則第1条第3項及び財務諸表等規則第1条第3項に規定する一般に公正妥当と認められる企業会計の基準として追加指定する改正を行っている。

本改正は、公布日(2020年6月12日)から施行されている。

あずさ監査法人の関連資料
ポイント解説速報(2020年6月16日発行)

公開草案
(1)法務省、収益認識・会計上の見積り注記に関する「会社計算規則の一部を改正する省令案」を公表

法務省は2020年6月4日、「会社計算規則の一部を改正する省令案」(以下「本省令案」という)を公表した。
本省令案は、企業会計基準委員会が2020年3月31日に公表した「収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号・改正)」及び「会計上の見積りの開示に関する会計基準(企業会計基準第31号)」を受けて、会社計算規則の改正を行うことを提案している。
本省令は、公布の日から施行される予定であり、適用時期については会計基準等と整合するように経過措置を設けることが提案されている(ただし、収益認識に関する事項に関して早期適用の定めがない点について会計基準と相違がある)。
本省令案に対するコメントは2020年7月3日に締め切られている。

あずさ監査法人の関連資料
ポイント解説速報(2020年6月10日発行)

2.会計基準等の公表(企業会計基準委員会(ASBJ))

最終基準
該当なし

公開草案
(1)ASBJ、「LIBORを参照する金融商品に関するヘッジ会計の取扱い(案)」を公表

ASBJは2020年6月3日、実務対応報告公開草案第59号「LIBORを参照する金融商品に関するヘッジ会計の取扱い(案)」(以下「本公開草案」という)を公表した。本公開草案は、2021年12月末をもってLIBORの公表が停止されることが見込まれていることを受けて、LIBORを参照する金融商品について必要と考えられるヘッジ会計に関する特例的な取扱いを設けることにより、金利指標改革に起因するLIBORの置換に直接関係のある契約条件の変更・契約の切替えについてヘッジ会計の継続が可能となるような取扱いを定めることを提案している。
具体的には主な内容は次のとおりである。

  • ヘッジ会計の原則的処理方法(繰延ヘッジ)
    ヘッジ対象となる予定取引の実行可能性の判断に際しては、ヘッジ対象の金利指標が既存のLIBORから変更されないとみなすこと、また、ヘッジの有効性評価に関する事前テストの実施においては、ヘッジ対象及びヘッジ手段の参照する金利指標が既存の金利指標から変更されないと仮定することを認めることが提案されている。
    さらに、事後テストにおける有効性評価の結果ヘッジの有効性が認められなかった場合であってもヘッジ会計の継続を認めること、またこの扱いをヘッジ対象及びヘッジ手段の双方の契約において後継金利指標への置換が生じた時点以降についても適用し、2023年3月31日以前に終了する事業年度まではヘッジ会計の継続適用を認めることが提案されている。
  •  金利スワップの特例処理
    金利スワップの特例処理についても繰延ヘッジに準じた措置を設けることで、2023年3月31日以前に終了する事業年度までの継続適用を可能とする対応を提案している。
  • 振当処理
    振当処理についても同様に、2023年3月31日以前に終了する事業年度までは当処理の適用の継続を可能とするための措置を提案している。

適用時期について、本公開草案では、公表日以後適用できることが提案されている。本公開草案の取扱いは、ヘッジ関係ごとに適用を選択できることが提案されている。
なお、金利指標の選択に関する実務や企業のヘッジ行動については不確実な点が多いことから、本公開草案の最終化から約1年後に、金利指標置換後の取扱いについて再度確認する予定であることが明らかにされている。
コメントは2020年8月3日に締め切られている。

あずさ監査法人の関連資料
ポイント解説速報(2020年6月10日発行)

3.監査関連

最終基準
該当なし

公開草案
該当なし

4.INFORMATION

(1)会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方(追補)
ASBJは2020年5月11日、第432回企業会計基準委員会(2020年5月11日)において、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方について同年4月10日の第429回企業会計基準委員会に引き続き審議を行い、その議事概要(以下、第429回企業会計基準委員会の議事概要に対し「本議事概要追補」という)を公表した。
2020年4月10日の議事概要では、重要性がある場合、最善の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響に関する一定の仮定は追加情報としての開示が求められるとしていた。本議事概要追補では、これまでにどのような開示情報が公表されたかを踏まえ、当年度の財務諸表の金額に対する影響の重要性が乏しい場合であっても、翌年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある場合には、新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期等を含む仮定に関する追加情報の開示が強く望まれることが示された。

あずさ監査法人の関連資料
ポイント解説速報(2020年6月29日発行)

(2)新型コロナウイルス感染症の影響に関する企業情報の開示について
金融庁は2020年5月21日、新型コロナウイルス感染症に関連して、経営者の視点による充実した開示を行うことが、投資家の投資判断や投資家と企業との建設的な対話、資本市場の信頼性の向上などの観点から重要であるとして、有価証券報告書における以下の開示の充実を求める文書を公表した。

  • 財務情報における追加情報の開示
  • 非財務情報(記述情報)の開示

また、金融庁は同日、有価証券報告書レビューの実施概要を更新し、新型コロナウイルス感染症の影響に関する開示を審査対象とする旨を公表(2020年5月29日更新)した。

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ポイント解説速報(2020年5月22日発行)

(3)新型コロナウイルス感染症の影響に関する記述情報の開示Q&A - 投資家が期待する好開示のポイント -
金融庁は2020年5月29日、有価証券報告書の記述情報における新型コロナウイルス感染症の影響に関する開示について、投資家等が期待する好開示のポイントをQ&Aとして公表した。
当該Q&Aは、開示の充実を促すことを目的に、「経営方針、経営環境及び対処すべき課題」や「事業等のリスク」など10項目について好開示のポイントを解説しているものであり、新たな開示事項を加えるものではない。
また、金融庁は同日、有価証券報告書レビュー(法令改正関係審査)の調査票を更新し、新型コロナウイルス感染症の影響に関する開示の有無、開示しない場合の理由について、有価証券報告書提出会社から財務局等に対して調査票の提出を求めることを公表した。

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ポイント解説速報(2020年6月3日発行)

(4) ASBJ、議事概要「会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方」を更新(四半期決算開示の考え方)
ASBJは2020年6月26日、四半期決算の開示における考え方を明らかにするため、議事概要「会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方(2020年4月10日、5月11日追補)」(以下「本議事概要」という)を更新したことを公表した。
本議事概要では新型コロナウイルス感染症に関連する見積りの仮定(以下「コロナに係る見積りの仮定」という)に関して四半期決算開示の考え方を以下のとおり示している。

  •  前年度の財務諸表にコロナに係る見積りの仮定に関する追加情報を開示している場合で、四半期決算においてその仮定に重要な変更を行ったときは、変更内容を追加情報として記載する。
  • 前年度の財務諸表にコロナに係る見積りの仮定を開示していないが、四半期決算にて重要性が増し新たに仮定を開示すべき状況になったときは、仮定の内容を追加情報として記載する(他の注記に含めて記載している場合を除く)。
  • 前年度の財務諸表にコロナに係る見積りの仮定の開示をしている場合で、四半期決算にて当該仮定に重要な変更を行っていないが、重要な変更がないことが有用な情報となる場合はその旨の追加情報の開示を行うことが望ましい。

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ポイント解説速報(2020年6月29日発行)

(5)金融庁、「四半期報告書における新型コロナウイルス感染症の影響に関する企業情報の開示について」を公表
金融庁は2020年7月1日、「四半期報告書における新型コロナウイルス感染症の影響に関する企業情報の開示について」(以下「本文書」という)を公表した。
本文書では、四半期報告書において、今般の感染症の影響に関する企業情報を適時適切に開示することは、投資家の投資判断にとって重要であるとの考えのもと、企業会計基準委員会が公表した議事概要「会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症に関する開示の考え方(2020年4月10日、5月11日追補、6月26日更新)」(前述の「(4) ASBJ、議事概要「会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方」を更新(四半期決算開示の考え方)」を参照)を踏まえた開示上の留意点等が示されている。

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ポイント解説速報(2020年7月6日発行)

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II.国際基準

1. 我が国の任意適用制度に関する諸法令等(金融庁)

最終基準
該当なし

公開草案

(1)「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則に規定する金融庁長官が定める企業会計の基準を指定する件」の一部改正(案)
金融庁は2020年5月29日、指定国際会計基準の指定に関して、連結財務諸表規則に規定する金融庁長官が定める企業会計の基準を指定する件の一部改正(案)(以下「本改正案」という)を公表した。
本改正案は、国際会計基準審議会が2020年5月31日までに公表した次の国際会計基準を、連結財務諸表規則第93条に規定する指定国際会計基準とすることを提案している。

  •  (改訂)国際財務報告基準(IFRS)第16号「リース」(2020年5月28日公表)

本改正は公布の日から適用される予定である。
コメントは2020年6月29日に締め切られている。

2.会計基準等の公表(国際会計基準審議会(IASB)、IFRS解釈指針委員会)

【最終基準】
(1)不利な契約 - 契約履行のコスト(IAS第37号の改訂)

IASBは2020年5月14日、「不利な契約 - 契約履行のコスト(IAS第37号の改訂)」(以下「本改訂」という)を公表した。
本改訂は、IAS第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」に規定される不利な契約の判断をする際に、契約履行のコストには契約に直接関連するすべてのコストを含めるべきであることを明確化するものである。具体的には次の両方によって構成される。

  • 契約を履行するための増分コスト(例えば、直接の労働及び財)
  • 契約の履行に直接関連して配分されるその他のコスト(例えば、契約履行のために使用される、ある有形固定資産に係る減価償却費の配分など)

併せて上記を適用するうえで誤解を生じさせると考えられる点に関し文言の整理も行われている。本改訂は、2022年1月1日以降に開始される年次報告期間に適用され、本改訂が最初に適用された年度の期首時点に存在する契約に適用される。比較情報の修正再表示は認められておらず、当初の適用日における累積的な影響は、利益剰余金またはその他の資本の構成要素に対する期首残高の調整として認識される。早期適用は可能であるが、その場合はその事実を開示しなければならないとされている。

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ポイント解説速報(2020年5月21日発行)

(2) 概念フレームワークへの参照(IFRS第3号の改訂)
IASBは2020年5月14日、「概念フレームワークへの参照(IFRS第3号の改訂)」(以下「本改訂」という)を公表した。本改訂は、現行のIFRS第3号の会計処理の要求事項を大きく変えることなく、IFRS第3号において参照する「概念フレームワーク」を、最新のものへ更新することを目的としている。なお、2019年5月に公表された公開草案からの実質的な変更は行われていない。
本改訂は、IFRS第3号「企業結合」に対して、以下の3つの修正を行っている。

  • 取得日時点において認識される資産と負債の定義の参照先である概念フレームワークのバージョンを1989年版から2018年版に更新した。
  • 上記更新により企業結合時に認識される資産・負債の範囲について現行のIFRS第3号からの変更が生じることを回避するため、IFRS第3号の認識原則に更なる例外を設け、IAS第37号もしくはIFRIC解釈指針第21号「賦課金」の適用対象となる負債や偶発負債については、2018年版の概念フレームワークではなく、IAS第37号もしくはIFRIC第21号に基づいて、取得日時点において現在の義務を有しているか否かを判定することとした。
  • 取得企業が偶発資産を認識できないことを明確化した。

本改訂は2022年1月1日以降に開始する事業年度の期首以降に取得日がある企業結合に対して、将来にわたって適用される。2018年3月に公表された「IFRS基準における概念フレームワークへの参照の改訂」で行われた全ての改訂を適用している場合には、早期適用も認められる。なお、早期適用する場合においてその事実の開示は必要とされない。

あずさ監査法人の関連資料
ポイント解説速報(2020年5月21日発行)

(3) 有形固定資産:意図した使用の前の収入(IAS第16号の改訂)
IASBは2020年5月14日、「有形固定資産:意図した使用の前の収入(IAS第16号の改訂)」(以下「本改訂」という)を公表した。
本改訂の主な内容は以下のとおりである。

  • 資産が正常に機能するかどうかの試運転を行った時に生産した物品の販売に関する収入を、その有形固定資産の取得原価から控除することが禁止された。
  • その代わりに企業は、資産が正常に機能するかどうかの試運転を行った時に生産した物品の販売に関する収入は、関連する適切な基準書に従って純損益に認識する。
  • 包括利益計算書上、資産が正常に機能するかどうかの試運転を行った時に生産した物品の販売に関する収入、及び生産に係る費用が区分表示されていない場合、それぞれ金額を開示し、それらが包括利益計算書のどの項目に含まれているかを明らかにする。

企業は本改訂によって、資産を意図した方法で稼働可能な状態にするために発生した費用(有形固定資産の取得原価に含まれる項目)と、生産に関して発生した費用(純損益に認識される項目)を区分することが求められる。こうした費用の配分は見積り及び判断を伴う可能性があり、企業によっては、より細かいレベルで費用を管理することが求められる可能性がある。
本改訂は2022年1月1日以降に開始する事業年度から適用される。表示する最も早い年度の期首以降に、経営者が意図した方法で稼働可能にするために必要な場所及び状態に置かれた有形固定資産に限り、遡及的に適用する。また、早期適用が認められる。

あずさ監査法人の関連資料
ポイント解説速報(2020年5月21日発行)

(4) IFRSの年次改善(2018年 - 2020年サイクル)
IASBは2020年5月14日、「IFRSの年次改善」(2018年 - 2020年サイクル)を公表した。このIFRSの年次改善には、4つの基準書に関連する改訂が含まれている。

  • IFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」において、すでにIFRSに移行済みの会社の子会社、関連会社及び共同支配企業が、その資産・負債を親会社等のIFRS移行日に基づいて測定することを選択していた場合、換算差額累計額の測定についても同様の扱いとできる旨を明確化
  • IFRS第9号「金融商品」において、金融負債の認識の中止に関する定量的判定基準である10%テストに含めるべき手数料及びコストは、借手・貸手間で受け払いされる手数料及び借手又は貸手が他方に代わって受け取った、又は支払った手数料のみである旨を明確化
  • IAS第41号「農業」において、公正価値の測定にあたりキャッシュ・フローの見積りには税金を含めないこととする要求事項を削除
  •  IFRS第16号「リース」の設例の修正

あずさ監査法人の関連資料
ポイント解説速報(2020年5月21日発行)

(5) COVID-19関連レント・コンセッション(IFRS第16号の改訂)
IASBは2020年5月28日、「COVID-19関連レント・コンセッション(IFRS第16号の改訂)」(以下「本改訂」という)を公表した。本改訂により、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)感染拡大の直接的な結果としてレント・コンセッション(賃料の免除・支払猶予等)を受けたリースの借手は、これがリースの条件変更に該当するかどうかの評価を行わなくともよいとする実務上の便法(以下「本便法」という)を選択できる。
現行のIFRS第16号によれば、リースの当初の契約条件の一部ではなかったリースの範囲又はリースの対価の変更(「リースの条件変更」)は、割引率を見直したうえでリース負債を再測定し、使用権資産の帳簿価額を修正しなければならない。
これに対し、本改訂は、COVID-19関連のレント・コンセッションであって、かつ、従来の支払期日が2021年6月30日までに到来するリース料の減額であるなどの特定の要件を満たすものに限定して、本便法の適用を認めている。本便法を適用した場合、対象となるレント・コンセッションは「リースの条件変更には当たらないもの」として会計処理を行うことになる。
本改訂は、2020年6月1日以降に開始する事業年度から遡及適用し、本改訂を初めて適用した事業年度の期首剰余金等において遡及適用の累積的影響を調整する。本改訂が公表された2020年5月28日時点でまだ発行が承認されていない財務諸表を含め、年次報告・期中報告を問わず早期適用が認められている。

あずさ監査法人の関連資料
ポイント解説速報(2020年6月2日発行)

(6) IASB、「IFRS第17号『保険契約』の修正」を公表
IASBは2020年6月25日、IFRS第17号「保険契約」の内容を一部修正した「保険契約の修正」を最終化し公表した(以下「本基準書」という)。本基準書は、2019年6月に公表された公開草案(ED/2019/4)「保険契約の修正」について寄せられたコメントを踏まえ、審議を重ねた結果として公表されたものであり、主な修正論点の内容は次のとおりである。

  •  発効日の延期
    IFRS第17号の発効日を2年遅らせ、2023年1月1日以降に開始する事業年度からとする。
  •  IFRS第17号の適用範囲に関する追加的な例外措置
    保険契約の定義を満たす貸付契約やクレジットカード契約等につき、従来一般的に保険会計が適用されていなかったことに鑑み、特定の要件を満たす場合についてIFRS第17号の適用範囲についての例外的な措置を設けることとした。
  •  更新契約に係る保険獲得キャッシュ・フロー
    保険獲得キャッシュ・フローを関連する更新後の契約にも配分し、更新後の契約を認識するまで保険獲得キャッシュ・フローを資産として認識する。また、更新後の契約を認識するまで当該資産の回収可能性を評価しなければならない。
  • 保険収益の認識
    一般的な測定モデルにおける保険収益の認識(契約上のサービス・マージン(CSM)の各報告期間への配分)は、保険カバーだけでなく、保険契約が提供する投資リターン・サービスも含めて考慮する。

その他、リスク軽減オプションの拡充、再保険契約における会計上のミスマッチの低減、移行措置に関する要求事項の緩和などの論点について、新たな追加修正が行われている。

あずさ監査法人の関連資料
ポイント解説速報(2020年7月1日発行)

公開草案
(1) 公開草案(ED/2020/3)「負債の流動又は非流動への分類 - 発効日の延期(IAS第1号の改訂案)」

IASBは2020年5月4日、公開草案(ED/2020/3)「負債の流動又は非流動への分類 - 発効日の延期(IAS第1号の改訂案)」(以下「本公開草案」という)を公表した。
本公開草案は、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)感染拡大の影響を受けて、2020年1月に公表された「負債の流動又は非流動への分類(IAS第1号「財務諸表の表示」の改訂)」の発効日を、2023年1月1日以降に開始する事業年度に1年延期することを提案している。なお、発効日の延期以外の内容に変更はなく、早期適用は引き続き認められることが提案されている。
本公開草案に対するコメントは、2020年6月3日に締め切られている。

あずさ監査法人の関連資料
ポイント解説速報(2020年7月20日発行)

3.INFORMATION

(1)新型コロナウイルス感染症の影響に関する企業情報の開示について
金融庁は2020年5月21日、新型コロナウイルス感染症の影響に関する企業情報の充実を求める文書を公表するとともに、5月29日には「新型コロナウイルス感染症の影響に関する記述情報の開示Q&A - 投資家が期待する好開示のポイント - 」を公表した。
また、有価証券報告書レビューの実施概要を更新し、これらの開示を審査対象とすることや調査票の提出を求めることを公表した。
本件については、本稿I.日本基準 4.INFORMATION(2)を参照のこと。

IFRSについての詳細な情報、過去情報は
あずさ監査法人のウェブサイト(IFRS)へ

III.修正国際基準

新たな基準・公開草案等の公表として、特にお知らせする事項はありません。

修正国際基準についての詳細な情報、過去情報は
あずさ監査法人のウェブサイト(修正国際基準)へ

IV.米国基準

1.会計基準等の公表(米国財務会計基準審議会(FASB))

【最終基準(会計基準更新書(Accounting Standards Update; ASU))】
(1) ASU第2020 - 05号「顧客との契約から生じる収益(トピック606)及びリース(トピック842) - 特定の企業の適用日」の公表(2020年6月3日 FASB)
本ASUは、新型コロナウイルス感染症拡大により影響を受ける企業の負担を軽減するため、特定の企業について「顧客との契約から生じる収益(トピック606)」及び「リース(トピック842)」の適用時期を1年延期することを規定している。

  • トピック606
    本ASUにより、2020年6月3日現在で財務諸表をまだ公表していない(または財務諸表が公表可能な状態になっていない)一定の企業について、トピック606の適用日が1年延期されるが、延期前の適用日を選択することも認められる。なお、公開の営利企業等で、すでにトピック606を適用している企業については、本ASUの対象ではない。
    フランチャイズ企業(フランチャイザー)が加盟店(フランチャイジー)の加盟時に受け取る一時金(加盟金)に係る収益の認識時期について、FASBは今後論点検討を開始することを決定している。これを受けて、当初のASU案は非公開営利企業のフランチャイザーについて新収益基準の強制適用の1年延期を提案するものであったが、公開草案に寄せられたコメントを踏まえCOVID-19の影響を勘案し、対象を拡大したものである。
  • トピック842
    非公開企業及び公開の非営利企業のうち財務諸表をまだ公開していない企業について、新リース基準の適用時期が延期された。早期適用は引き続き認められる。
  公開の営利企業および特定の公開非営利企業(まだ財務諸表を公表していないものを除く)等(変更なし) 公開の非営利企業で、財務諸表をまだ公表していない企業(本ASU) 非公開企業(本ASU)
トピック842の適用開始時期 2018年12月16日以降開始する事業年度(同期間に含まれる期中期間) 2019年12月16日以降開始する事業年度(同期間に含まれる期中期間) 2021年12月16日以降開始する事業年度(期中期間については2022年12月16日以降開始する事業年度)

あずさ監査法人の関連資料
Defining issues(英語)
 

公開草案(会計基準更新書案(ASU案))
該当なし

2.監査関連

該当なし

3.INFORMATION

(1) 新型コロナウイルス感染症の影響に関する企業情報の開示について
金融庁は2020年5月21日、新型コロナウイルス感染症の影響に関する企業情報の充実を求める文書を公表するとともに、5月29日には「新型コロナウイルス感染症の影響に関する記述情報の開示Q&A - 投資家が期待する好開示のポイント - 」を公表した。
また、有価証券報告書レビューの実施概要を更新し、これらの開示を審査対象とすることや調査票の提出を求めることを公表した。
本件については、本稿I.日本基準 4.INFORMATION(2)を参照のこと。

米国基準についての詳細な情報、過去情報は
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執筆者

有限責任 あずさ監査法人

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