タイ:税務優遇措置及び土地建物税の減額について

タイニューズレター - 2020年7月に、設備投資を促進する税務優遇措置及び土地建物税の減額に関する勅令が公布されました。

タイニューズレター - 2020年7月に、設備投資を促進する税務優遇措置及び土地建物税の減額に関する勅令が公布されました。

1.機械設備投資の所得控除

勅令(Royal Decree No.695)によれば、2020年中(2020年1月1日~2020年12月31日)に、新たに機械設備を取得(既存設備の資本的支出を含む)した場合には、法人税の計算上、その支出額(2020年12月31日までに支払った金額)の250%を損金に算入できます。取得価額分(100%分)は、通常の減価償却を通じて損金に算入されるため、取得価額の150%分が追加で損金算入できることになります(節税効果は、取得価額x 150% x法人税率20% = 取得価額の30%相当額)。詳細は以下のとおりです。

項目 詳細
対象法人 全ての法人
対象資産 ・いわゆる一般の製造用機械設備(車両は除く)で新品のもの(中古は除く)
・既存設備の資本的支出を含む(修繕費は含まない)
・リース業を営む法人がリースを目的に取得する機械設備を除く
水力、蒸気、燃料、風力、ガス、電気、その他のエネルギーを発生、変換または伝達する部品で構成される設備
その他の要件 ・2020年12月31日までにその機械設備を事業供用すること
・その機械設備がタイ国内に所在すること
・その機械設備が他の歳入法による税務優遇措置、投資奨励法(BOI)やその他の法律による税務優遇措置を受けたものではないこと(税務優遇措置の二重取りは不可)
・その機械設備に係る投資計画及び支払計画を歳入局に提出すること
留意事項 ・この優遇措置を受けた機械設備を売却、破壊を伴う廃棄、滅失した場合には、その売却等があった事業年度以降は、この優遇措置が消滅する
・この優遇措置を受けた機械設備を売却、破壊を伴う廃棄、滅失することなく、上記の「その他の要件」を満たさなくなった場合には、それまでに優遇措置として損金算入した金額は遡って取り消される(損金不算入となる)
・手続き等の詳細は、別途通達等で定められる

2.研修費用の所得控除

勅令(Royal Decree No.697)によれば、2020年中(2020年1月1日~2020年12月31日)に、タイ国内のセミナー会場費・宿泊費・交通費、その他研修に関する費用(ツーリズム業者に支払う費用を含む)を支払った場合には、その支出額(2020年12月31日までに支払った金額)の200%を損金に算入できます。実際支出費用(100%分)は、通常どおりその事業年度の損金に算入されるため、追加でその100%分が損金算入できることになります(節税効果は、支出額x 100% x法人税率20% = 支出額の20%相当額)。
なお、手続き等の詳細は、別途通達等で定められることになります。

3.新土地建物税の減額

勅令(Royal Decree Reducing Tax for Certain Categories of Lands and Structures B.E.2563)によれば、納税通知書の発送が遅れている2020年分の新土地建物税について、2020年分に限り90%減額されることになりました。

KPMGのコメント

上記1及び2の所得控除については、手続き等の詳細は別途歳入局より公表されますので、実際の適用に際しては当内容を確認する必要があります。
新土地建物税の減免については、8月以降に土地・建物の所有者宛てに納税通知書が送付されることになっていますので、届いたら内容を確認するようにしてください。

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