世界のeスポーツ市場(4):東南アジア

世界のeスポーツ市場(4):東南アジア

「裾野広がるeスポーツ」第7回 - 今やeスポーツの波は東南アジアにも広がっているが、なかでも特に成長が著しいベトナムとインドネシアのeスポーツ市場の動向について、企業のスポンサードや各々の政府の対応にも触れながら紹介する。

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東南アジアでもeスポーツが普及し始めている。ベトナムでは、2019年に開かれたゲーム「リーグ・オブ・レジェンド(LoL)」世界大会の決勝に同国のプロeスポーツチームが2組出場したことで、eスポーツ人気が頂点に達した。インドネシアでは、ゲーム「モバイル・レジェンド:Bang Bang」の大会に観戦者が押し寄せ、開催場所のショッピングモールの待ち時間が3時間以上となった。
今回は、eスポーツの有望市場と言われている東南アジアの中でも特に成長が著しいベトナムとインドネシアの動向を紹介する。

東南アジアでのeスポーツ市場のトップはベトナムで、2022年にその規模は15億円以上に達し、「eスポーツ」に対する一般の人の認知度は東南アジアで最も高い40%まで高まると予想されている。また、ベトナムには東南アジアで唯一LoLのプロリーグがあり、ファンの多さや注目度が高く、国内のプレーヤーは2020年には100万人まで増えると見込まれる。同国ではプロリーグを基盤に、大手企業がスポンサーなどの形で積極的にeスポーツに参入し、市場の資金流動性を高めることに成功している。一方、現状では政府によるeスポーツを産業として支援する動きはあまりみられない。国内のゲーム会社(パブリッシャー)は政府からゲーム販売と運営のライセンスを受け取る必要があり、これがないと同国での活動が制限される。ちなみにベトナムでこのライセンスを所有するゲーム会社は現在4社のみで、eスポーツのコンテンツとなるゲーム産業自体の成長にはまだ時間がかかると予想されている。

東南アジアで最も人口の多いインドネシアは、eスポーツ市場の成長率が最も高く、2019年から2022年の年平均成長率は34.5%と予測されている。また、インドネシア国内にはいくつものプロチームがあり、大手企業がチームのスポンサーとして参入し、400万人にのぼる巨大なファンへアプローチしている。政府も積極的にeスポーツプロチームのビザ取得を支援しており、大統領も大学におけるeスポーツ学科の設立、学位の認定を実施すると宣言している。また、インドネシアでは通信環境が他の国と比べるとまだ整っていないため、パソコンゲームよりもモバイルゲームが流行しており、ショッピングモールでモバイルeスポーツ大会が開かれるなど独特のeスポーツ文化を形成している。
このように東南アジア各国では地域的な背景からeスポーツビジネスは独自に発展している。

「eスポーツ」の認知度
「eスポーツ」の認知度

出所:Newzoo「世界eスポーツ市場リポート2019」を基にKPMG作成

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日経産業新聞 2020年2月18日掲載(一部加筆・修正しています)。この記事の掲載については、日本経済新聞社の許諾を得ています。無断での複写・転載は禁じます。

執筆者

KPMGコンサルティング株式会社
コンサルタント Lu Yirui(ル イルエ)

裾野広がるeスポーツ

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