世界に通じる日本のeスポーツ市場の現状と将来性

ゲーム産業で世界第3位の規模を持つ日本のeスポーツ市場の現状と今後の可能性について、他産業とのコラボレーションも含め紹介する。

ゲーム産業で世界第3位の規模を持つ日本のeスポーツ市場の現状と今後の可能性について、他産業とのコラボレーションも含め紹介する。

日本のeスポーツ市場は2018年に「eスポーツ元年」と呼ばれ、大きな盛り上がりを見せた。翌2019年もその勢いが止まることなく、大都市だけではなく地方でも大会が相次いだ。例えば、2019年8月には全国初となる障害者向けの大会が群馬県で、同年10月には国体の文化プログラムとして全国都道府県対抗eスポーツ選手権が茨城県でそれぞれ開催された。町レベルでの小さな大会も各地で開かれている。ある地方では地域活性化を目的とし、シャッター商店街の空き店舗を活用した大会が催され、通常のイベントよりも多くの老若男女が参加し、成功を収めたという。大小様々な形態の大会が全国で繰り広げられ、日本でもeスポーツの裾野が拡大してきている。

大会数が増加し、メディア露出も増えてきているものの、日本のeスポーツ市場は海外に比べるとまだ小さく、成長の余地が大きい状況にある。オランダの調査会社Newzooのリポートによれば、2018年のeスポーツの世界の市場規模は約1000億円である。一方、ゲーム情報誌を発行するGzブレイン(東京・中央)によれば、日本の市場規模は約48億円と、世界の5%程度にとどまる。

ゲーム市場全体で見ると日本は世界第3位の規模であることからも、eスポーツが今後定着していけば、eスポーツ先進国である米国や中国に匹敵する市場に成長すると思われる。
eスポーツ市場はeスポーツを楽しむファンの人数に比例する。2018年の各国のゲーム人口全体に占めるeスポーツファンの割合を見ると、日本は7.8%にとどまる。しかし、この割合を仮に韓国の42%と同程度まで高めることができれば、市場規模は約258億円となり、日本は非常にポテンシャルが高いと言えよう。

大会・練習施設の建設、大会観戦者の飲食サービスなど他産業への波及も期待できることから、eスポーツがもたらす経済的な効果は上記の数値以上に大きいと思われる。
すでに日本のeスポーツ市場の拡大を見据えて、医療業界、旅行業界などeスポーツと直接関係のない多くの企業がビジネスの可能性を模索し始めている。eスポーツ市場の成長だけでなく、他産業とコラボレーションしたビジネスも増えてくることが予想され、今後も目が離せない業界である。

ゲーム人口に占めるeスポーツファンの割合(2018年)
ゲーム人口に占めるeスポーツファンの割合(2018年)

Newzoo「世界eスポーツ市場リポート2019」を基にKPMG作成

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日経産業新聞 2020年2月7日掲載(一部加筆・修正しています)。この記事の掲載については、日本経済新聞社の許諾を得ています。無断での複写・転載は禁じます。

執筆者

KPMGコンサルティング
マネジャー 岩田 理史

裾野広がるeスポーツ

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