タイ:新型コロナウイルスに対する救済措置(1)

タイ:新型コロナウイルスに対する救済措置(1)

タイニューズレター - 先日、新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大に対して、国内経済を後押しするための救済措置を取り入れることがタイ政府より発表されました。当救済措置の概要は下記の通りです。

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1.源泉税率の軽減措置

2020年4月1日から2020年9月30日までの期間、サービス・請負報酬、コミッション、および専門家報酬の支払いに対して課される源泉税の税率について、3%から1.5%に引き下げられます。また、2020年10月1日から2021年12月31日までの期間については、当源泉税の支払いに関して、オンライン(”e-Withholding Tax system”)を通じて行われる場合に限り、源泉税率が2%に引き下げられます(オンラインでない場合は通常どおり3%)。

2.中小企業の借入利息の追加所得控除

下記の要件を満たす中小企業(SMEs)は、法人税申告の際、政府貯蓄銀行(通称「GSB」)によって支援されたローンの支払利息の150%を課税所得から控除することができます。当該中小企業によって申請できるローンの上限額は2千万バーツであり 、当該所得控除を適用するためには、2019年9月30日以前に終了する直近の事業年度において以下の条件を満たす必要があります。

  • 年間売上が5億バーツ以下
  • 総従業員数が200人以下
  • 帳簿管理を適切に行っている

3.中小企業の人件費の追加所得控除

下記の要件を満たす中小企業(SMEs)は、法人税申告の際、2020年4月から2020年7月までの期間に従業員に支払った人件費の300%を課税所得から控除することができます。 なお、所得控除額は、1人あたり月額15,000バーツが限度とされ、2020年4月から2020年7月までの期間において、社会保険加入者数が2019年12月31日時点の加入者数以上でなければ適用されません。

  • 年間売上が5億バーツ以下
  • 総従業員数が200人以下
  • 従業員が社会保険に加入している

4.VAT還付の早期化

優良輸出事業者の承認を受けているVAT登録事業者は、通常よりも早くVATの還付金を受けとれることとなります。 VATの還付は、オンライン(”e-Filing System”)での申告の場合、通常30日以内のところ、15日以内に還付が受けられることになります。一方、ハードコピーでの申告の場合には、通常60日以内のところ、45日以内に短縮されます。

5.個人所得税の控除

2020年4月1日から2020年6月30日までの期間に、個人が、その純資産の65%以上をタイ証券取引所に上場している株式に投資するSuper Saving Fund(通称「SSF」)を取得した場合には、その取得金額を個人所得税申告の際に課税所得から控除することができます。所得控除額は200,000バーツが限度とされ、そのSSFを少なくとも10年間保有することが要件となります。

6.個人所得税の申告・納付期限の延長

個人所得税の確定申告書の提出・納税期限が3月31日(e-filingの場合は4月8日)から2020年6月30日に延長されました。

7.新型コロナウィルス対策支援を目的とした寄付金

2020年3月5日から2021年3月5日までの期間、タイ歳入局の「e-Donation System」を通じてコロナウィルス対策を支援するために拠出された寄付金は、次の所得控除を受けることができます。

  • 個人の場合
    個人所得税申告において、課税所得の10%を限度に寄付金(現金による寄付に限る)の額を所得金額から控除可。
  • 法人の場合
    法人税申告において、課税所得の2%を限度に寄付金(現金または資産の寄付を含む)の額を所得金額から控除可。なお、VAT登録事業者の場合、資産の寄付に係るVATは免除。

8.社会保険料の軽減

2020年3月から2020年8月までの期間、雇用主と従業員(被保険者)による社会保険料の拠出負担割合が5%から4%に引き下げられます。

9.定時株主総会の開催が遅延した場合の文書提出

2020年3月4日、商務省事業開発局(Department of Business Development, Ministry of Commerce)は、定時株主総会の開催が遅延した場合の説明文書の提出に関する通知を発表しました。
タイ民商法典では、期末日後4カ月以内に定時株主総会を開催すべきと規定していますが、新型コロナウィルスの感染拡大を要因として定時株主総会の開催が遅延した場合には、定時株主総会後に、遅延理由を記載した書面を商務省事業開発局に提出することを要請しました。これにより財務諸表の提出遅延による罰金が免除されるかどうかは通知文書の中で明記されておりません。

10.タイ上場企業の財務諸表の提出期限の延長

  • 会社が特定の条件(例えば子会社等の主な資産が閉鎖された国にある、もしくは、発生した事象が財務諸表に重大な影響を与えている、など)に該当していると監査委員会が判断した場合
  • 会社がその影響をSETウェブサイトを通じて開示している場合
    2020年3月17日、タイ証券取引所(SET)は、上場会社が上述の両方の条件を満たした場合に、2020年5月までに提出期限を迎える以下の提出書類の提出期限を延長することを決議しました。

期中報告:期末日から45日以内の提出期限を追加で3か月延長
年次報告:期末日から60日以内の提出期限を期末日より4カ月以内に延長

KPMGのコメント

現時点で非公開企業の財務諸表の提出期限の延長や、法人税の申告期限の延長はアナウンスされていませんが、今後のタイ当局の動向を注視し、重要な変更があれば、再度ニューズレターとしてお知らせいたします。

英語コンテンツ(原文)

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