レジリエンスの観点から選ぶ物流業者

レジリエンスの観点から選ぶ物流業者

「レジリエンスを高める」第14回 - 調達リスクや生産リスクに比べ、盲点になりがちな物流リスクについて、「代替輸送ルート・物流拠点の把握」、「有事の燃料確保戦略」、「物流業者との緊急体制構築」の3点を例として挙げ、物流リスクへの備えについて解説する。

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企業は、大震災や洪水等の自然災害が発生した場合の物流リスクに対して、どの程度の備えができているだろうか。
「調達や生産に関しては十分に対策を取ってきたが、物流は盲点であった」という声をよく聞く。これは、物流が一般的に物流業者への依存度が高い点や、道路・橋梁・空港・港湾などの社会インフラに依存する部分が多いこと等により、「自社努力では対策の取りようがない」という心理が働くことが一因かもしれない。

調達や生産におけるリスク管理では、製品の優先度やリスクの発生可能性・影響度などが目安となる。他方、物流においては製品ごとに物流が異なることはまれであるため、「対策」の検討がより重要になる。そして、物流が停止した際の対策を検討する上では物流業者との協業が不可欠となる。物流リスクへの対策例に「代替輸送ルート・物流拠点の把握」「有事の燃料確保戦略」「物流業者との緊急体制構築」などがある。

  • 代替輸送ルート・物流拠点の把握
    荷主と物流業者間で事前に代替主要幹線道路・空港・港湾などを把握し、切り替え時の手順とコストのシミュレーションを物流業者と事前協議しておくことで有事の意思決定がスムーズになる。また、遠隔地の代替物流拠点の把握も重要であり、少なくとも代替候補となり得る物流拠点の見当をつけておくとよい。
  • 有事の燃料確保戦略
    大震災発生時等に燃料供給が制限される場合に備え、「ガソリンスタンドとの優先供給契約の締結」「自社物流設備内での燃料備蓄」「常時輸送トラックのガソリンを満タンまで給油することのルール化」などを採用している物流業者も多い。
  • 物流業者との緊急体制構築
    荷主・物流業者双方の実務担当者の緊急連絡先を常に更新し共有しておくことは当然ながら、衛星電話やMCA無線(Multi-Channel Access radio system技術を用いた業務無線システム)などの通信設備の準備や、緊急時情報連携用の定型フォーマットを整備しておくことで、有事でも円滑なコミュニケーションが可能になる。

多くの企業において物流業者への要求は主にコストとサービスレベル(納期順守率、貨物ダメージ率、誤出荷率など)が中心だと思われる。だが、このような危機的な状況から回復する力であるレジリエンスといった観点も物流業者への評価指標に加えることで、物流リスク管理レベルが向上する。

日経産業新聞 2017年11月27日掲載(一部加筆・修正しています)。この記事の掲載については、日本経済新聞社の許諾を得ています。無断での複写・転載は禁じます。

レジリエンスを高める

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