東京証券取引所、新市場区分の概要及びTOPIX(東証株価指数)等の見直しに関する今後の対応方針を公表

ポイント解説速報 - 2020年2月21日、東京証券取引所は「新市場区分の概要等について」及び「TOPIX(東証株価指数)等の見直しに関する今後の対応方針について」(以下「本お知らせ」という。)を公表しました。

2020年2月21日、東京証券取引所は「新市場区分の概要等について」及び「TOPIX(東証株価指数)等の見直しに関する今後の対応方針について」を公表しました。

本お知らせは2019年12月27日に、金融審議会市場ワーキング・グループ「市場構造専門グループ」において公表された報告書を受け、今後の市場区分やTOPIX等の見直しに向けて、現時点で想定される概要や移行プロセス及び今後のスケジュールをとりまとめたものです。

「新市場区分の概要等について」のポイント

東京証券取引所は市場第一部・市場第二部・マザーズ・JASDAQ(スタンダード及びグロース)の5つの市場区分に関して、2022年4月1日を目途に、明確なコンセプトに基づくプライム市場・スタンダード市場・グロース市場(いずれも仮称)の3つの市場区分への見直しを実施する。

1.新市場区分の概要

  • 3つの市場区分のコンセプトに応じ、それぞれ時価総額(流動性)やコーポレートガバナンスに関する基準を定めるほか、各市場区分のコンセプトを反映した定量的・定性的な基準を設ける。
  • 各市場区分の新規上場基準と上場維持基準は、原則として共通化すると共に、現行の一部指定基準のような「市場区分間の移行」に関する緩和された基準は設けない。
  • 流動性の向上を図る観点から実態として流通性が乏しいと考えられる株主の保有する株式を考慮する等、「流通株式」の定義を見直す。

2.新市場区分への移行プロセス

  • 上場会社は、新市場区分への移行プロセスとして各市場区分のコンセプトや上場基準を踏まえ、移行時に新たな市場区分を主体的に選択する。
  • 東京証券取引所は、2021年6月末日を移行基準日として、当該移行基準日の時点で新市場区分の上場維持基準に適合しているか否かを上場会社に同年7月末までに通知する。
    ・ 各上場会社は、その結果を受けて同年9月から12月までの期間中に市場選択に係る手続を行う。
  • 仮に選択先の市場区分の上場維持基準に適合していない場合、「新市場区分の上場維持基準の適用に向けた計画書」を提出・開示することを条件として、経過措置が適用される。

3.今後のスケジュール

東京証券取引所は、上記の円滑な制度移行を実現するために、まず現行制度の新規上場・市場変更等の基準について新市場区分の基準を見据えて見直すことを予定している。

「TOPIX(東証株価指数)等の見直しに関する今後の対応方針について」のポイント

東京証券取引所は、金融審議会「市場構造専門グループ」報告書で指摘された事項に対して、主に以下のように対応することを予定している。

  • 連続性の確保に十分留意しつつ、より流動性を重視する方向で、TOPIX等の構成銘柄を選定する方法を検討する。
  • 浮動株比率の算定方法について、諸外国の主要な指数ベンダーの取扱いを踏まえて、より実態が定期的に反映される方式とすることを検討する。
  • 指数算出に当たって、指数ガバナンスの強化という観点から独立性やプロセスの公平性を高めるため、「指数コンサルテーション」機能の導入や、「指数アドバイザリー・パネル」の設置を行う。

なお、TOPIX等の新算出ルールへの変更は、新市場区分の見直しを受け、2022年4月以降に市場影響等を考慮し段階的に変更することが予定されている。

執筆者

有限責任 あずさ監査法人
監査プラクティス部
シニアマネジャー 塚越 正至

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