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「あずさ監査法人のデジタル戦略」(前半)

「あずさ監査法人のデジタル戦略」(前半)

【対談】本記事では、あずさ監査法人が考えるデジタル化社会の可能性とその課題を整理するとともに、あずさ監査法人のデジタル戦略について議論を進めていきます。

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高波 博之 氏、茶谷 公之 氏

Society 5.0として提唱されているデジタル社会の発展を踏まえて、監査法人に対する期待も大きく変化しています。監査法人の業務範囲は、従来型の保証業務の枠に留まりません。
私たちには、デジタルというキーワードの下で変革を遂げている企業・社会に向き合い、時代をリードする役割が期待されていると考えています。
ここでは、あずさ監査法人が考えるデジタル化社会の可能性とその課題を整理するとともに、あずさ監査法人のデジタル戦略について議論を進めていきます。

対談者

有限責任 あずさ監査法人
理事長
高波 博之

株式会社 KPMG Ignition Tokyo
代表取締役社長兼CEO
KPMGジャパン CDO
茶谷 公之

異色人材の活用

社会の変化に対応するために、既存のタレントに加えて異なる分野のエキスパートを迎えることで、新たな価値の創造を目指す。

高波:茶谷さんと対談の機会を持てることを楽しみにしていました。まずは、前職の経験などを交えた自己紹介をお願いできますか?

茶谷:前職では、大手エレクトロニクス・エンタテインメント企業やEC・金融などを有する大手インターネット企業において、ビデオゲーム・デジタルコンテンツ配信・クラウド・対話エージ ェントの各プラットフォームの構想から開発・設計・導入・運用を指揮し、デジタル・AI・データ分野における技術経営を経験してきました。

高波:デジタル化によってビジネスモデルが急速に、かつ、劇的に変化した業界でキャリアを積んでこられたのですね。我々は、監査業界が直面しているデジタル化等の変化に対応するために、会計・監査の専門家だけでなく、他業種で経験を積んだ多種多様な、異色人材の力を必要としています。

茶谷:異色な人材の経験や知見をどんどん活かしたいという考え方に賛同し、同時に大きな可能性を感じたことが今回の私の選択の決め手になりました。

高波:デジタルエキスパートである茶谷さんから見て、監査法人の業務の成り立ちと、デジタル・テクノロジーの活用の現状について、何か特徴的な点はありますか?

茶谷:監査法人の業務は、歴史的な背景上、人間がどのように作業するかをベースにして設計されてきたと理解しています。一方、我々デジタルエキスパートは、業務をどのように設計すれば、コンピューターで処理できるかを考えています。

高波:監査法人の業務である監査手続の設計にあたり、人間の作業を前提にするか、コンピューターの処理を前提とするかでアプローチは異なりますが、どちらも真実に迫るという目的は同じですね。2つの異なるアプローチを組み合わせることができれば、新たな価値を産み出せるかもしれません。

監査とデジタルの融合

監査とデジタルの融合の先には、従来の枠にとらわれない保証業務の拡大を実現する監査の近未来が見える。

茶谷:会計・監査業界においても、他の業界同様、デジタル(データ)活用の重要性は同じと考えています。例えば、ゲーム業界ではゲームコンテンツを、ネット通販業界ではユーザー情報を活用しているように、監査業界では企業活動そのものがデータであり、活用対象となるはずです。「企業活動そのものがデータ」というとらえ方をした場合、監査の場面では、当該データをどのように収集・細分化・類型化し、どのような分析・判断ツールにつなげるかという観点が重要になると考えます。

高波:あずさ監査法人では、これまでも継続してデジタル活用を進めており、監査関与先から入手した会計データをもとに、複数の分析ツールなどを監査現場で活用していますが、今の話はさらにその先の話でしょうか?

茶谷:はい、先ほど述べた企業活動データに加え、監査のプロフェッショナルたる会計士の判断をデータ化することにより、一定の判断を機械に置き換えることも考えられ、監査品質のさらなる維持・向上につながる可能性もあります。これは、例えば、車の自動化運転技術と同じで、監査の世界においても、機械に監査人の判断をサポートしてもらうイメージです。

高波:不正の動機や経営判断などもデータ化できると可能性が拡がりますね。その際に課題になるであろう、人間の判断の類型化や、データ化について、克服すべき将来の課題についてどのような見解をお持ちですか?

茶谷:監査のような複雑な判断を機械化するケースでは、「監査人の判断のデータ化」と、「一定数以上の企業活動データの収集・格納」の2点が課題となります。

高波:監査人の判断のデータ化にあたっては、監査上の判断を個別の要素別に細分化することが求められます。相関関係を理解したうえで細分化するのは、経験ある会計士の知見が必要になるので、会計士とデジタルエキスパート両者の協働がキーになりますね。2点目の個別企業の枠を超えた企業活動データの活用については、一監査法人にとどまらず、監査業界や企業全体に共通する課題ですね。

茶谷:そうですね。クライアントも交えたルール整備と活用は、監査業界にとって非常に大きなチャレンジですが、同時に大きなポテンシャルを秘めているはずです。私のこれまでのデジタルエキスパートとしての知識・経験と、監査法人に蓄積されている知見とを融合させることにより、新たなステージを切り拓きたいと考えています。

高波:その段階になれば、事後的なサンプリングによる試査による監査から、全データを対象にしたリアルタイムな監査が可能になり、監査人が提供する保証業務が拡大する時代が到来するかもしれません。

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