財務活動から生じた負債の変動(IAS第7号に関連) - IFRICニュース2019年9月 - アジェンダ却下確定

IFRS解釈指針委員会ニュース(2019年9月) - 財務活動から生じた負債の変動(IAS第7号に関連)については、2019年9月のIASB会議で審議された内容を更新しています。

財務活動から生じた負債の変動(IAS第7号に関連)については、2019年9月のIASB会議で審議された内容を更新しています。

関連IFRS

IAS第7号「キャッシュ・フロー計算書」

概要

財務活動から生じた負債の変動の開示についてのIAS第7号第44B項~44E項の要求事項は、IAS第7号第44A項における目的を満たす開示を提供する上で、適切であるか。

ステータス

IFRS-ICの暫定的決定

IFRS-ICは、2019年9月のIFRS-IC会議で、次の通り指摘した。

1.開示目的の充足

  • IAS第7号第44A項は、「財務活動から生じた負債の変動(キャッシュ・フローから生じた変動と非資金変動の両方を含む)を投資者が評価できるようにする開示」を提供することを企業に要求している。
  • 関連する開示がIAS第7号第44A項の目的を充足しているかどうかを検討するにあたっては、IAS第7号BC10項に要約された次の投資者のニーズを考慮しつつ、投資者に目的適合性のある情報を提供するか否かを考慮すべきである。
    a)投資者が企業のキャッシュ・フローについての理解を検証し、その理解に基づき企業の将来キャッシュ・フローの予測する際に、投資者の確信を高めることができているか
    b)企業の資金調達の源泉と一定期間にわたってその源泉がどのように利用されたかに関する情報を提供しているか
    c)資金調達に関連するリスクについての企業のエクスポージャーを理解する助けとなっているか


2.財務活動から生じた負債の期首残高と期末残高の調整表

  • IAS第7号第44A項の目的を満たす1つの方法は、財務活動から生じた負債の変動について財政状態計算書上の期首残高と期末残高との間の調整表(第44B項で特定されている変動を含む)を示すことである(IAS第7号第44D項)。
  • 調整表を開示すれば、当該調整表に含まれている項目を財務諸表の他の領域に関連付けることを可能にする情報は提供されている。なお、調整表の開示にあたっては、次の点に留意する。
    a)財務活動から生じた負債を識別し、それらを調整表の基礎として使用する(IAS第7号第44C項)。
    b)財務活動から生じた負債の変動を、他の資産及び負債の変動とは区別して開示する(IAS第7号第44E項)。c)財政状態計算書とキャッシュ・フロー計算書、さらには関連注記との間の関連性を理解できるように十分な情報を提供する(IAS第7号第44D項)。
  • また、IAS第44A項の目的を満たすために、調整表に含まれる財務活動から生じた負債の変動をどの程度細分化して開示すべきかを決定するにあたって、IAS第7号第44B項で特定されている変動を開示することを考慮しつつ、以下の点に留意して判断する必要がある。
    a)個々に重要性のある項目を調整表において区分して開示する(IAS第1号第30A項)。
    b)財務諸表のどこにも表示されていないが、財務諸表の理解に資する情報を提供するため、調整表の適切な構成(分解レベルを含む)の決定後、IAS第7号第44A項の開示目的を満たすために追加的な説明が必要かどうかを決定する(IAS第1号第112項(c))。

IFRS-ICは、2019年9月のIFRS-IC会議で、現状のIFRS基準書の原則及び要求事項は、財務活動から生じた負債の変動に関して投資者が当該変動を評価することを可能にする情報を企業が開示するための適切な基礎を示していると判断し、アジェンダに追加しないことを決定した。

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