オートノミー:消費者のための信頼実現

オートノミー:消費者のための信頼実現

本レポートでは、自動運転車の大衆化に向け見落とされがちな要因である、モビリティエコシステムのホリスティックテクノロジーガバナンスの役割について考察します。ホリスティックテクノロジーガバナンスがどのようにして未来の交通システムへの信頼を高め、マスマーケットにおける自動運転車の普及を推進するのか解説します。

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今日、自動運転技術は目覚ましいスピードで進化を遂げています。しかし、私たちが現在道路上で見かける自動運転車は、「完全自動運転」ではありません。自動運転車を各市場に導入するには、異なるシステム、インフラ、人が極めて低いフォールトトレランスで調和して連携しなければなりません。
ホリスティックテクノロジーガバナンスは、政府の運輸当局や、自動車メーカーおよびサプライヤー、スマート交通・インフラ事業者、モビリティーベンダーなど、未来のモビリティエコシステムに参加する多様な関係者の振る舞いや行動を指示、管理、監視するためのフレームワークであり、完全自動運転車の大衆化を加速させる上で極めて重要なものです。このシステムに参加するためのポリシー、ルール、基準を導入し、多種類のテクノロジーやプラットフォーム間でのデータ交換を可能にすることが、マスマーケットにおける自動運転車の安全、確実、効率的な利用および交通全般の未来を推進する上で重要な要素となります。

ポイント

  • 自動運転が直ちにあらゆる場所に広まることはないものの、一部の市場ではさほど遠くない将来に、自動運転が、人が運転する車に取って代わる世界が現れ、消費者行動が大きく変化することが予想される。
  • 自動運転車の大衆化に向けて、自動運転車のエコシステムのあらゆる要素 - ハードウェア、データ、セキュリティ、インテグレーション、コンプライアンス - を1つのシステムとして調和させることは、輸送産業にとって大きな課題である。
  • 自動運転車の大衆化には、統一的なテクノロジープラットフォームの確立が必要であり、また、そのプラットフォームを管理・制御するルールも必要となる。

自動運転普及に必要な条件の推進

これまで自動運転車が広く消費者に普及するのを遅らせてきた要因はいくつもあります。
第一に、平均的な消費者が手頃な価格で入手できなければ、自動運転車の大衆化には至りません。レベルの高い自動運転車を製造するにはセンサースタックのコストが非常に高く、平均的な消費者が購入できる価格で販売することは、現時点で自動車メーカーにとって経済的に意味がありません。
第二に、都市が一定の特徴を備えていなければなりません。自動運転車は、まず、都市部、人口密度の高い地域、仮想的な境界線で区切られた道路、安定した無線通信が可能なエリアというような、一部の地域で広がると予想されます。自動運転車は、高密度のネットワークを必要とします。また、自動運転車の走行環境を観測し、収集したデータを利用して性能を向上させることができる環境も必要です。
その他にも、政府や規制当局が自動運転車の拡大を後押しすること、消費者が自動運転車を他の移動手段よりも安全、低コスト、便利なものとして受け入れることなどあらゆる要因がありますが、完全自動運転車が標準になるには、こういったすべての要因が重要となります。

プラットフォームとしてのモビリティ

自動運転車の進歩は、自動運転の世界への参加と拡大を推進する統一的なプラットフォームが確立されることで、ネットワーク効果により促進される可能性があります。KPMGでは、自動運転の未来の基礎となるのは、幅広いモビリティエコシステムの中での通信を支える共有テクノロジープラットフォームであると考えています。
自動運転車が実際の道路で安全かつ効果的に周囲と調和して動くようになるためには、自動運転車がセンサーやカメラ、レーザー技術によって信号を送り、周囲の状況を理解し、走行中の他の無人運転車や人が運転する車とリアルタイムで通信する必要があります。このような環境を実現するには、自動運転車、スマートインフラ、有線・無線ネットワークを含め、すべてのエコシステム参加者の間でほぼ常時・即時のデータ共有と接続が可能になる包括的プラットフォームが必要です。また、すべてのユーザーが決められた基準に従って行動するよう、プラットフォームに対するガバナンスも欠かせません。

道路のルールを確立する

自動運転を大衆化するための共有プラットフォームには、道路と同様にルールが必要となります。KPMGでは、このルールはホリスティックテクノロジーガバナンスを通じて設定、実施、監督されると考えています。
ホリスティックテクノロジーガバナンスのフレームワークは、モビリティエコシステムの参加者の行動を管理・制御し、テクノロジーの質、データのプライバシーとセキュリティ、テクノロジーの統合、コンプライアンスなどの分野で基準を設定します。このフレームワークは、異なるテクノロジー間でプラットフォームを通じでデータがいつ、どこで、どのように移動するのかについてルール、ポリシー基準を規定し、通信が途切れないようにするとともに、データが必要な時に必要な場所へ完全な状態で届き、損失、盗難、誤用、改ざん、その他の危険な状態に晒されないようにします。

ホリスティックガバナンス

ホリスティックテクノロジーガバナンスは、各都市の次世代モビリティエコシステムの基礎となる共有テクノロジープラットフォームの信頼性と完全性を確保するために必要なものです。また、ホリスティックテクノロジーガバナンスは、自動運転モビリティ業界にネットワーク効果を根づかせ、モビリティ事業のプレーヤーに新しい収益機会を生み出し、その拡大と成長を推進します。
モビリティプラットフォームのガバナンスの最終目標は、都市全体で自動運転車とその周囲に発展する付加価値サービスすべての相互運用性を実現することです。しかし、このような広範囲に及ぶテクノロジーガバナンスの開発は、紆余曲折を伴う長い道のりとなることが予想されます。本レポートでは、政府や交通運輸のリーダーが、ガバナンスの道のりに対する障壁を解消するための5つのヒントを提示しています。

  1. プラットフォームの目標と戦略を前もって設定する
  2. 個々の問題ではなくプラットフォームを管理する
  3. プラットフォームの拡張を可能にする
  4. 政府のリーダーに権限を与える
  5. フィードバックループを設定する

英語コンテンツ(原文)

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