プロセスマイニングで実現するデジタルトランスフォーメーションによる未来の変化

プロセスマイニングで実現するデジタルトランスフォーメーションによる未来の変化

プロセスマイニングにより、経営課題へどのようなアプローチができるのでしょうか。これまで、そしてこれから、デジタルトランスフォーメーションにより、どのように業務が変化していくのでしょうか。

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市場データで見る、デジタル変遷による業務プロセスの変化

日本国内の労働人口は、2010年の64%から2060年には50%まで減少することが予測されており、労働人口はすでに減少域に突入し、持続的な労働力の確保が深刻な社会課題となっています。
減り続ける労働人口から勘案すると、人手不足からデジタルやデジタルレイバー(仮想知的労働者)に頼らざるを得ない時代へと急速に変化しています。このようなことから、デジタルが重要なキーワードとなっており、テクノロジーの活用が業務を変える時代はすでに始まっています。

デジタルトランスフォーメーション観点のプロセスマイニングとは

業務改善や意思決定を行う際、業務のボトルネックや現状(AS-IS)把握の解析に苦労しているのではないでしょうか。多くの企業では業務を分析できる人材が不足しているケースが多く、評価進めていく面ではプロセスマイニングが強い武器になります。

プロセスマイニングのポジショニングを見ていくと、PDCAサイクルの「Check(評価)」に非常に強く、その結果から「Action(改善)」につなげることで、業務改善サイクルの推進力を強めていきます。これまでの「Check(評価)」は多くのコストと工数を掛けないと分析ができず、加えて属人的なプロセスは、評価後に漏れが散見されました。このような観点からも、プロセスマイニングを「Check(評価)」で活用することは効果的な手法となります。

次にプロセスマイニングの適用箇所を見ていくと、業務システム等のサーバと業務用端末の2箇所が適用箇所となります。業務システム等のサーバには多くの業務プロセスでのトランザクションログがあります。このログを分析することで、ベストプラクティスの抽出、例外や標準外のオペレーションの補足を行い、さらにプロセス全体のボトルネックを抽出することで、効率化をより進めることができます。業務用端末には、業務上の操作ログログがあり、ファイルやフォルダの操作、メールの送付、ブラウザ操作などの業務ログの分析、業務のムリ・ムダ・ムラが把握できます。さらには熟練者の作業を可視化することも可能になります。デジタルトランスフォーメーションによる業務改革の観点からも、取り入れたい効果に応じてプロセスマイニングを適用することがよいでしょう。

デジタルトランスフォーメーションを進める手順は、(1)業務の棚卸、(2)業務選定、(3)詳細調査、(4)BPRの実施、(5)環境構築、(6)概念実証実施、(7)効果を検証、大規模展開プラン策定、(8)大規模展開、が基本的な流れです。

これまで(1)~(3)のステップは、業務コンサルタントが評価をするケースが多く、また内製で行っている企業では、人材の確保と作業に時間を要しており、コストと時間の負担が大きくなっていました。

“これまで”のデジタルトランスフォーメーション

この箇所にプロセスマイニングを活用すると、評価作業を一部自動化でき、初期作業のコストと時間が大幅に削減され、精度も向上します。この点が最短距離でデジタルトランスフォーメーションを実施するための核心部分になります。

“これから”のデジタルトランスフォーメーション

プロセスマイニング、5つの活用シチュエーション

それでは、具体的にどのような場面でプロセスマイニングを活用できるでしょうか。

(1)プロセスの最適化

プロセスマイニングの活用では、複数の同類業務プロセスから共通工程を見つけることで、業務の最適化や標準化の足掛かりとなります。

例えば、同じ部署でも複数の組織体系がある企業も多いですが、実際には同じシステムを使っていたり、バックオフィスの処理が同じだったりするのではないでしょうか。これらをプロセスマイニングで評価し、共通の工程を見つけることで、最終的に組織を横断する部署Cの形で社内のBPO体制※1を行い、一元的に業務をまとめて効率化を図り、プロセスマイニングが得意とする工数、ボトルネック、時間の可視化が可能になります。これまで、これらの探知にはオペレーターなど経験値の高い人が勘で当たりを付けていくケースが非常に多かったですが、目の前にあるログからボトルネックを見つけていくことで、いち早くCheckからActionへとPDCAが回っていきます。

※1ビジネスプロセスアウトソーシングの略称で、業務委託をすること

プロセスの最適化

(2)異常系プロセスの探知

オペレーションの進行で事故(異常処理)が発生するのは、業務を効率化したいがために、標準ルールから外れて、ローカルルールを作ってしまうことが原因です。この点もプロセスマイニングの抽出機能が活躍します。

異常系プロセスの探知

(3)プロセスリスク探知

例えば、請求書のチェックを行わずに支払いが実行されるなど、属人化・ブラックボックス化した業務プロセスは、事故が起こってはじめて、判明することがあります。このようなことも、プロセスマイニングを適用する価値が高いポイントです。

プロセスリスク探知

(4)ベストプラクティスの探索

プロセスマイニングだけではなく、営業管理ツールや業績管理ツールの情報と、各組織のオペレーションを掛け合わせ、少ない工数で多くの利益を上げている組織を見つけて、そのプロセスを横展開(部門横断)する、または参考にできるようになります。従来、管理システムとオペレーションの連携は表計算ソフトなどで行われていたため、共通のオペレーションが見つけられず、横展開(部門横断)が進みませんでした。ベストプラクティスが見つけられれば、その先にさらにRPAなどのテクノロジーを加えることも簡単になり、よりスピード感が高まります。ここをプロセスマイニングが行えば、スピードが飛躍的に上がります。そして、異常系、ベストプラクティス、ボトルネックを的確に見つけられるようになるでしょう。

ベストプラクティスの探索

(5)作業改善と最適化

プロセスマイニングでは、業務PCのファイル操作、メール操作、および会議の開催日・時間・参加者などの状況分析も可能です。細かいものであれば、クリックの回数まで可視化できるため、業務プロセスの分析としては大変効果があります。

作業改善と最適化

一例としては、プロジェクトメンバーの約1万通のメールをプロセスマイニングツールで分析した結果、プロジェクトの活動の割合や、活動内容の詳細な時間配分を可視化することができました。さらに興味深いところでは、さまざまなステークホルダーの抽出です。実際に意思決定をする現場のリーダーや、プロジェクトリーダーではないステークホルダーが探知できます。

デジタルトランスフォーメーションの進め方、次に何を考えるべきか

では今後、戦略的にデジタルトランスフォーメーションを進めるには、RPAの次に何を考えればよいでしょうか。

いずれにしても業務分析が第一歩になりますが、ログだけでは見えないプロセスについては、細かなヒアリングやそれに対するアクションの確認は、人手が必要になります。プロセスマイニングを使って効果的にプロセス評価を進めるにあたって、まずは、ハード(環境)とソフト(手順)の両面を整えていくことが重要になります。
プロセスマイニングを一度実施することができれば、そのテンプレートを基に、簡単に定期的な現状把握することができ、持続的なプロセス改善の取組みにつなげることができるでしょう。

こうして、デジタルトランスフォーメーション化していくことは、標準化・可視化は当然ですが、自動化がより進むと考えられます。前述のとおり、労働人口減少の課題には、自動化が必要要件になってきます。そうしたときに、目指すべき方向性として、プロセスマイニングのみならず、IA(インテリジェントオートメーション)※2という概念の中にRPAとAIを組み合わせる、RPAの前にOCR(光学文字認識)で処理をする、AIを掛け合わせるといった適切なテクノロジーの活用が求められてきます。この観点からもスタートの時点で、しっかりとした分析をする、そして適切にテクノロジーの採用していくことが重要になります。

※2知的なテクノロジーを活用してビジネスをエンド - エンドで自動化する仕組み

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革新的なプロセスマイニング、その活用メリット

従来型の人的リソースや経験に基づく業務プロセスの分析には、事業・業務知見、ヒアリング・記述・業務改善のスキルホルダーなど、膨大なリソース投入が必要でした。プロセスマイニングを活用することで、圧倒的なスピードで、これらの限界を克服することが可能になります。

RPAに続く業務プロセス改革、「プロセスマイニング」への期待

KPMGジャパンは、4月に東京でセミナー「RPAの次に来るもの~プロセスマイニングによる業務可視化と生産性革命~」を開催しました。幅広い業種・業態から集まった参加者のアンケートから、業務プロセス改革に向けた課題意識の高さが浮き彫りになりました。

参考文献

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