IFRS第17号「保険契約」の3つの追加修正案(IASB March 2019 meeting)

IFRS第17号「保険契約」の3つの追加修正案(IASB March 2019 meeting)

IASB Board Meeting Flash - 国際会計基準審議会(IASB)は、さらに3つの分野(適用範囲、移行規定および開示規定)においてIFRS第17号「保険契約」の規定を修正することを提案しました。IFRS第17号について、この6ヶ月間に計11項目の修正が提案されています。

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今回の会議でIASBは、3つの分野において次の修正を提案することを暫定的に決定した。

  • 保険カバーを提供する一部のクレジットカードを適用範囲から除外すること
  • リスク軽減オプションに関する移行規定と重要な保険リスクを移転する貸付契約に関する移行規定を修正すること
  • 新契約獲得キャッシュフローと契約上のサービスマージン(CSM)の配分に関する開示規定を修正すること



“リスク軽減オプションをIFRS第17号の移行日から適用することを容認する提案によって、IFRS第17号を適用した最初の財務諸表に表示される比較会計期間年度に生じる会計上のミスマッチが解消される可能性がある。保険者は、このオプションを利用するかどうかを事前に検討する必要があるだろう。”

Mary Trussell,
KPMG's Global Lead, Insurance Accounting Change

3つの追加の修正案

(A)保険カバーを提供するクレジットカード契約の適用範囲からの除外

IASBは、保険カバーを提供する一部のクレジットカード契約をIFRS第17号の適用範囲から除外するように、同基準書を修正することを暫定的に決定した。クレジットカード契約が適用範囲から除外されるのに適格となる可能性があるのは、カードの発行者が、個々の顧客に関連する保険リスクの評価を反映せずに契約価格を設定する場合である。


(B)移行規定の修正

i. リスク軽減オプションの適用
IASBは、リスク軽減オプションをIFRS第17号への移行日から将来に向かって適用することを容認すると暫定的に決定した。
リスク軽減オプションの将来に向かっての適用は、保険者がIFRS第17号への移行日までに、リスク軽減オプションを適用するリスク軽減関係を指定することを条件として認められる。
加えてIASBは、一定の条件が満たされる場合、直接連動の有配当契約のグループに対して移行時に(完全遡及アプローチを適用することもできるが)公正価値アプローチの適用を認めることを暫定的に決定した。

ii. 重要な保険リスクを移転する貸付契約
IASBは、重要な保険リスクを移転する貸付金に関して、貸手がこのような貸付金に対してIFRS第17号ではなくIFRS第9号を適用することを選択する場合で、かつ、貸手がIFRS第17号を適用する前に既にIFRS第9号を適用している場合には、IFRS第9号の必要な移行規定を適用することを求める提案をすることを暫定的に決定した。
加えてIASBは、次のことを提案した。

  • 純損益を通じて公正価値で測定する(FVTPL)金融負債の指定および指定解除に関して救済措置を設けること
  • 比較期間の修正再表示、およびIAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」に基づいた財務諸表の各表示科目(1株当たり利益を含む)への影響の開示を免除すること

ただし、貸手が移行についてかかる追加して開示は引き続きを行うことが変わらず求められている。


(C)開示規定の修正

IASBは、IFRS第17号の開示規定を修正することを暫定的に決定した。この新しい提案によって、保険者は次のことが要求される。

  • 新契約費により生じた資産とその変動を、報告期間の期首から期末にかけて調整する。特に回収可能性の欠如により認識した損失、また損失の戻入れについて明確にする。
  • 新契約費が関連する保険契約の測定に含まれると予想される時期について、適切な時間幅を用いて、定量的な開示を行う。


また、IASBは、保険者に次の開示を提供することを要求することを暫定的に決定した。

  • 報告期間の期末に残存するCSMについて、純損益での予想認識額を適切な時間幅を用いて定量的に開示する(現在のIFRS第17号では、保険者は定性的情報のみを開示する選択肢を有している)。
  • 保険カバーおよび投資関連サービスまたは投資収益サービスが提供する便益の相対的な比重を評価するために採用したアプローチを具体的に開示する。

集約のレベル

一部の市場関係者は、IFRS第17号の集約レベルに関する規定に準拠するために、コストをかけて大幅にシステムを変更することが必要であるが、限られた便益しかもたらされないと考えており、また、保険者のビジネスモデルとの整合性を疑問視している。しかし、IASBはこの分野について修正を提案しなかった。
IASBは年次コホートと収益性バケットの目的と利点について議論した。これらの特徴は連携して機能し、保険者の収益トレンドを示す基本情報を、次のことを行うことによって、時間を追って提供することが可能になると述べた。

  • 不利な保険契約が、利益が生じる保険契約と相殺されるのを防ぐ。また、
  • 保険契約に関連する利益が、契約のカバー期間にわたって純損益で完全に認識されることを徹底する。

修正案の影響

一部の市場関係者は、IFRS第17号の集約レベルに関する規定に準拠するために、コストをかけて大幅にシステムを変更することが必要であるが、限られた便益しかもたらされないと考えており、また、保険者のビジネスモデルとの整合性を疑問視している。しかし、IASBはこの分野について修正を提案しなかった。
IASBは年次コホートと収益性バケットの目的と利点について議論した。これらの特徴は連携して機能し、保険者の収益トレンドを示す基本情報を、次のことを行うことによって、時間を追って提供することが可能になると述べた。

  • 不利な保険契約が、利益が生じる保険契約と相殺されるのを防ぐ。また、
  • 保険契約に関連する利益が、契約のカバー期間にわたって純損益で完全に認識されることを徹底する。

次のステップ

IASBは2019年4月の会議で、IFRS第17号に係る修正案のすべてを全体として見直すことを予定している。
今月決定された修正案は、IASBのこれまでの以下の暫定的な決定に追加されるものである。

  • IFRS第17号の発効日を2022年1月に延期、IFRS第9号の適用免除を2022年1月まで延長
  • 2018年12月、2019年1月および2019年2月の会議で審議された、IFRS第17号の規定の重要な分野における修正案

これらの事項は、今後IASBの通常のデュープロセスの対象となり、公開草案の公表とその後の120日以内のパブリックコメント期間を経ることが必要となる。IFRS第17号の修正に関する公開草案は2019年半ばに公表されることが予定されている。

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