デジタルレイバーの育て方 「小さく作って、大きく育てる」

デジタルレイバーの育て方 「小さく作って、大きく育てる」

「同僚はデジタルレイバー」第17回 - 業務自動化のコツとは何か。効果的なデジタルレイバー導入の仕方について解説する。

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デジタルレイバーと呼ばれるRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)はその名の通り人間の代わりに業務を遂行する新しい労働力そのものである。いうなれば、その考え方は派遣社員の採用に近い。新しい派遣社員を雇い入れた場合の業務の依頼方法を想像してほしい。まずは単一で、かつ簡単な処理条件の業務から担当を始め、イレギュラーなケースは上位者に都度確認を行いながら、徐々に処理条件や業務を拡大し、習熟度の高まりとともに広範囲にわたる業務が遂行できるようになる。デジタルレイバーも同様のアプローチを取ることが望ましい。

初めから業務のすべてを自動化しようとせず、主要な条件や比較的簡単に判別可能なイレギュラー条件のみをデジタルレイバーとして構築し、運用の中で徐々に育てていく感覚が必要である。日本企業においては、顧客や得意先からの要望にきめ細かく対応してきた結果、イレギュラー条件が多く存在して複雑で巨大な業務となってしまっていることがよく見られる。このようなケースにデジタルレイバーの導入は適さないという考えは早計である。

前述の通り、派遣社員と同様にデジタルレイバーも「小さく作って、大きく育てる」ようにすればいい。まずは条件が明確な部分のみをデジタルレイバーに担当させ、人間と並行して運用を開始する。仮に最初は業務の40%しか自動化されないとしても、その分の作業時間は確実に人間の手を離れている。その時間を次なる業務処理条件の明確化に充てることも可能になる。デジタルレイバーの場合はイレギュラー条件のデータが投入された際には運用管理者へメールで通知するなどの対応が必要になるが、まさに派遣社員に指示・説明を繰り返しながら業務習熟度を上げていくアプローチと同様である。

このアプローチを可能にするRPAの最大の特徴は、その導入スピードの速さにある。簡単な業務であればほんの数時間で新たなデジタルレイバーを誕生させることもできる。これまでのシステム開発のように要件定義に数ヵ月間を費やし、すべての条件を洗い出す必要はない。まずは業務の一部分だけを担当するデジタルレイバーを誕生させ、徐々に進化させていくのである。

人間とデジタルレイバーの作業分担イメージ
人間とデジタルレイバーの作業分担イメージ

日経産業新聞 2017年4月24日掲載(一部加筆・修正しています)。この記事の掲載については、日本経済新聞社の許諾を得ています。無断での複写・転載は禁じます。

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