アルゼンチン:法人向け税制の改正措置を適用するための指針(法令)を公布

2018年12月27日の官報において、2017年の税制改正法で導入された所得税制の改正案を適用するための指針としての法令(法令第1170/18号)が公布されました。

2018年12月27日の官報において、2017年の税制改正法で導入された所得税制の改正案を適用するための指針としての法令(法令第1170/18号)が公布されました。

法令第1170/18号は、以下の事項について明確化しています。

  • 移転価格税制の要求事項、特定の金融投資の税制、株式または資産の間接譲渡及び過少資本税制の要求事項、並びに財政の透明化措置に関する規則
  • 恒久的施設に関する規則に関する特定の用語の定義

当法令は2017年の税制改正に関する法令であるため、アルゼンチンで事業活動を営む(またはアルゼンチンへの投資を検討する)多国籍企業は、当法令が現行の事業とアルゼンチンにおける事業の在り方に及ぼす影響を評価する必要があります。

当法令における措置の概要

移転価格税制

当法令は、関連者間取引の分析についての追加的な規則を定めています。例えば、適用する移転価格算定手法及び種々の移転価格文書化規定(国別(CbC)報告書、マスターファイル及びローカルファイル等に関する規則)の指針があります。TaxNewsFlashもご参照ください。

非居住者による株式または資産の間接譲渡

当法令は、2017年の税制改正法で導入されているアルゼンチンに所在する資産の間接譲渡の税制に関する規則を定めています。その間接譲渡に関する規則には、同じ「経済グループ」内での譲渡に対する免税措置が定められています。この免税措置について、当法令は、非居住者が間接譲渡日までの2年間少なくとも80%の持分を直接または間接所有しているという要件を満たすことが必要です。

財政の透明化及び低課税または非課税地域

ある地域が低課税または非課税地域か否かを判定する上で、当法令は、当該地域で課されるトータルの税率(その課税主体がいずれか(例:連邦、州、地方自治体か市か)を問わない)を考慮しなければならない旨を明記しています。また、当法令は、「優遇税制」とは当該地域において一般的な法人所得税制の適用から外れ、結果として実効税率を引き下げる税制であることも定めています。

恒久的施設

当法令は、契約交渉において重要な役割を有する代理人は恒久的施設を生み出しているものとみなす旨、及び恒久的施設が果たしている機能、有している資産及び負担しているリスクに応じて利益をその恒久的施設に配分すべき旨を明記しています。

過少資本に関する規則

当法令は、源泉徴収税の対象となる利息は、たとえ適用される租税条約により源泉徴収税がゼロに引き下げられる場合であったとしても、EBITDAの30%の損金算入限度には含まれない旨を明記しています。ただし、ローンの元本に係る為替差額は、源泉徴収税の対象ではないためEBITDAの30%の損金算入限度が適用されることになります。です。

EBITDA = 利息、税金、減価償却費及び償却費を控除する前の利益

CFC(Controlled foreign corporation)に関する規則、実在性(substance)の要件

当法令は、2017年の税制改正に従ってCFCに関する規則及び実在性の要件を適用するための指針を定め、該当する企業が適格な人員を雇用しているか否か、組織または取引に経済的実体及び正当な事業目的があるか否か等の要因を検討するよう求めています。

金融投資の税制

当法令は、納税者が公債または上場負債性金融商品を保有し、当該負債性金融商品により生じる利息収益を減額させるための損失を計上するために売却することを認めています。

本稿は英語版(原文)のコンテンツを和訳したものです。日本語版と英語版との内容に相違がある場合は英語版が優先されます。

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