デジタルレイバー時代に「人に求められるスキル」

「同僚はデジタルレイバー」第9回 - デジタルレイバー時代に必要とされる、人のスキルとは何かについて、考察する。

デジタルレイバー時代に必要とされる、人のスキルとは何かについて、考察する。

企業でのデジタルレイバーの活用が進むにつれて、人に求められるスキルにも変化が訪れる。
業務をもれなく正確に遂行する能力はデジタルレイバーに代替されていく。例えば、これまでバックオフィス業務ではいかに正確に多くの作業をこなせるかという処理能力の高さが1つの指標として重視されてきた。

一方、デジタルレイバーを活用している企業では、大量の定型作業はデジタルレイバーに置き換えられるため、人に高い処理能力を求めるケースは減少していく。デジタルレイバー時代においては、業務を「実行」する能力ではなく、「理解・分析・設計」する能力が重要となる。例えば(1)業務の分析・設計スキル(2)テクノロジーの理解・設計スキル(3)ニーズの理解・分析スキル - のような能力である。

まず、業務にどの程度効率化の余地があり自動化が可能なのかなどを分析し、あるべき業務像を設計できる能力が求められる。特に、これまで属人化していた業務を見える化し、ルール化・定型化することにより、よりデジタルレイバーを活用しやすい土壌を作ることが求められる。
次に、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)がどの業務領域に適合性があり、どの程度まで自動化が可能かを判断できる能力だ。近年のテクノロジーの進化速度は非常に早く、デジタルレイバーが実行可能な業務領域も刻々と進化していく。このような変化に常にアンテナを張り、デジタルレイバーの新たな活用余地を考える力が重要となる。

そして、業務上のニーズを具体的に理解・分析し、デジタルレイバーの活用を含めそれを実現するための施策を考え出す能力も必要とされる。現場の従業員が何に困っているのか、そして何を求めているのかを理解する力は、今後より一層重要になると考えられる。

デジタルレイバー時代に求められるスキル

業務を「実行」する能力から「理解・分析・設計」する能力がより重要に
業務の分析/設計 現状業務にどの程度の効率化余地があり、自動化可能なのか
テクノロジーの理解/設計 RPAがどの領域に適合性があり、どの程度の自動化が実現可能なのか
ニーズの理解/分析 業務上のニーズを具体的に理解・分析し、それを実現するための施策は何か

日経産業新聞 2017年4月12日掲載(一部加筆・修正しています)。この記事の掲載については、日本経済新聞社の許諾を得ています。無断での複写・転載は禁じます。

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