共同支配事業に対する共同支配事業者の持分に係る負債(IFRS第11号に関連) - IFRICニュース2019年3月 -アジェンダ却下確定
IFRS解釈指針委員会ニュース(2019年3月) - 共同支配事業に対する共同支配事業者の持分に係る負債(IFRS第11号に関連)については、2019年3月のIFRS-IC会議で審議された内容を更新しています。
共同支配事業に対する共同支配事業者の持分に係る負債(IFRS第11号に関連)については、2019年3月のIFRS-IC会議で審議された内容を更新しています。
Article Posted date
10 April 2019
関連IFRS
IFRS第11号「共同支配の取決め」
概要
以下の前提において、リース契約書に署名する共同支配事業者が認識する負債はどの部分か。
- 共同支配事業は別個のビークルを通じて組成されたものではない。
- 共同支配事業者のうちの1社が、共同支配事業の活動の一部として共同使用する有形固定資産をリースする契約を第三者である貸手との間で締結し、単独で契約書に署名する。
- リース契約書に署名した共同支配事業者は、共同支配事業における契約上の取り決めに基づき、他の共同支配事業者から、各々の持分に相当するリース料を徴収する権利を有する。
ステータス
IFRS-ICの決定
IFRS-ICは、2019年3月のIFRS-IC会議で、次の通り指摘した。
- IFRS第11号20項(b)では、共同支配事業に対する持分に関して、共同支配事業者は共同で負う負債に対する持分も含めて負債を認識することが要求されている。よって、(a)共同支配事業に関連して発生する自らの負債と、(b)他の共同支配事業者と共同で負う負債の負担分の両方を負債として認識する。
- (a)及び(b)の負債を識別するに際して、共同支配事業に関連するすべての契約上の取り決めにおける条件を、関連する法令も考慮した上で、評価する必要がある。
- 共同支配事業者が認識する負債は、自らが主たる責任を負う負債を含む。すなわち、リース契約書に署名する共同支配事業者が、第三者である貸主へのリース料の支払いに対して主たる責任を有する場合、他の共同支配事業者から徴収できる部分も含めて負債を認識することになる。
- 財務諸表利用者が共同支配事業の活動内容と共同支配事業に対する持分を理解するのに十分な情報を開示することが重要である。IFRS第12号20項(a)では、共同支配事業への関与の内容、程度及び財務上の影響(他の共同支配事業者との契約上の関係の内容及び影響を含む)を財務諸表利用者が評価できるような情報を開示することが要求されている。
IFRS-ICは、2019年3月のIFRS-IC会議で、現状のIFRS基準書の要求事項が十分な判断の基礎を示していると判断し、アジェンダに追加しないことを決定した。