持続的成長に資するCFOの役割

「ビジネステーマ解説2018」連載第18回 - 最高経営責任者(CEO)が期待する最高財務責任者(CFO)の役割とは何か。次世代のCFOの在り方について解説する。

最高経営責任者(CEO)が期待する最高財務責任者(CFO)の役割とは何か。次世代のCFOの在り方について解説する。

企業を取り巻く環境は、不確実性が高まり、地政学の情勢も変化し、ディスラプション(創造的破壊)の時代に突入したと言われている。最高経営責任者(CEO)はこの困難な状況の中、会社の意思決定を判断する役割を担い、その意思決定には過去の財務数値だけでなく、将来予測も含めた多くの数値的情報が必要となる。現代のCEOはそのような意思決定をサポートできる情報提供者に最も期待を抱いており、KPMGが世界のCEOを対象に実施した調査によると、CEOは自社内のCクラス責任者の中で、最高財務責任者(CFO)に最も期待を抱いているという結果が出ている。

CFOは期待されるCFO領域で、どのような変革をしていかなければならないのか。
それは前述したCEOの期待からすると、CFOは会社内での「ビジネスパートナー」の役割を担うことが求められているのであろう。会社の戦略を決めるマネジメント等が求めている情報を的確にかつタイムリーに提供し、会社の戦略の参謀になることが強く求められている。
不確実性の高まった現代において、その変革を限られたリソースの中で早期に行うことが求められており、そのためにはCFO機能の低付加価値業務は圧倒的に効率化し、その効率化で捻出された時間で「ビジネスパートナー」として必要な高付加価値な情報をより充実させる必要がある。

最新のテクノロジーを使用していかに効率化及び高付加価値化を実行するのかがポイントだ。
CFOは会計に関わる知識のみならず、最新のテクノロジーの知識、CFO機能に属するメンバーのタレントマネジメント、グローバルな経験を身につけ、次世代のCFOを目指して急速に進化することが望まれる。

CFOはビジネスパートナーへ

CFOはビジネスパートナーへ

低付加価値業務を圧倒的に効率化して、高付加価値業務を強化する時代へ

執筆者

あずさ監査法人
アカウンティング・アドバイザリー・サービス事業部
パートナー 吉野 征宏

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