ウルグアイ:デジタル経済の税制および実施法令

2018年5月24日、ウルグアイ政府はデジタル経済の税務処理に関する法令を公布しました。この法令はデジタル経済に関わる事業を行っている多国籍企業、およびウルグアイにおいてデジタル経済サービスを提供している多国籍企業に影響を及ぼします。

2018年5月24日、ウルグアイ政府はデジタル経済の税務処理に関する法令を公布しました。この法令はデジタル経済に関わる事業を行っている多国籍企業、およびウルグアイにおいて ...

背景

この新法令により、2018年1月1日に施行された法令19535号の規定が実質的に発効します。法令19535号はインターネットやITプラットフォーム、ソフトウェア・アプリケーションなどによる取引方法を活用して、ウルグアイで事業を行っている外国企業の税務処理について規定しています。これらの法令に基づき、ウルグアイのテリトリアル方式(源泉地課税方式)に対し一部例外が設けられました。この例外措置により、サービスが国外にある税務管轄地域から提供されたとしても、当該サービスはウルグアイにおいて法人税および付加価値税(VAT)の対象となります。法令19535号は課税対象となるサービスを以下のように規定しています。

  • 電子的手法により実施される仲介サービス。ただし輸送や宿泊などを「主要」サービスとし提供するいずれかの当事者または両当事者がウルグアイに所在する場合に限る(当事者のいずれかがウルグアイを拠点とする場合、課税標準は取引金額の50%となる)。
  • ウルグアイの顧客に直接提供される(前述された)デジタルサービス

実施法令

2018年5月24日公布の実施法令では法令19535号によって導入された税制に関する追加的な情報が規定されています。主に、この実施法令はサービスを受ける当事者の所在を決定する要素を以下のように規定しています。

  • サービスを「利用する」または購入するために使用される機器のインターネットプロトコル(例えばIPアドレス)
  • クライアントのインボイスの住所

上記要素のいずれかが立証されず、かつウルグアイにおいて電子的手法(例えばクレジットカード、銀行振込など)により支払いが行われた場合、当該サービスはウルグアイにおいて提供されたものとみなされます。
さらにこの実施法令では、「仲介サービス」の定義は下記に基づくと規定されています。

  • サービス機能が「自動化」され、人間の介在が最小限であり、情報技術がなければ実現できないサービス
  • 提供されるサービス(「主要」サービス)の需給関係に対して直接的または間接的な介在となるサービス

また、この実施法令は音響と映像に関するサービスを含んだサービスについても規定しています。特に、電子的手法により直接提供されるサービスが音響と映像のみの場合について規定しています(同期化されるか否かを問わず、音響、画像または動画(ビデオ)が単独または組み合わさって作成されたコンテンツ)。この実施法令に基づき、音響と映像のサービスに関する源泉徴収義務者の規則には、サービスの受領者が源泉徴収義務者としての責務を負うことが明記されています。(前述のように)海外の税務管轄から提供された仲介サービスについては、源泉徴収の要件は保留されています。

また、法令は税務登録に関する簡易手続きについても規定しています。海外課税事業者が納税の責務を負い、現地にて登録する必要がある場合(例えば、適用法令が源泉徴収義務者について規定していない場合)、一定の簡易手続きを定める権限を税務当局に与えています。これには、現地代理人の任命の不要やウルグアイにおける課税上の住所申告の不要についての措置などの項目が含まれます。また、税務当局は商業書類に関して通常、税務上適用される正式要件について例外措置を定めることができます。


英語版につきましては下記よりご参照ください。
Uruguay: Taxation of the digital economy,implementing decree

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