確定給付制度からの返還の利用可能性(IFRIC解釈指針第14号の改訂案)-IFRS-ICニュース
IFRS解釈指針委員会ニュース -「確定給付制度からの返還の利用可能性(IFRIC解釈指針第14号の改訂案)」については、2022年2月のIASB審議会において審議された内容を更新しています。
「確定給付制度からの返還の利用可能性(IFRIC解釈指針第14号の改訂案)」については、2022年2月のIASB審議会において審議された内容を更新しています。
関連基準
IFRIC解釈指針第14号「IAS第19号-確定給付資産の上限、最低積立要件及びそれらの相互関係」
概要
本公開草案は、制度資産について、返還の形で利用可能な額を決定する際に、次の事項を求めるようIFRIC解釈指針第14号を改訂することを提案しています。
- (信託管理人などの)他の当事者が企業の同意なしに制度を終了させることができる場合、IFRIC解釈指針第14号第11項の3つのシナリオのうちの「制度負債が徐々に清算されるケース」においては、企業は無条件の権利を有しない。
- 返還の形で利用可能であることを根拠に資産計上する場合で、企業の同意なく他の当事者が制度加入者への給付額を変更できる場合には、変更可能額をその資産の額に含めない。
- 年金保険証券などを年金資産として購入するか、又は(制度加入者への給付額に影響を与えない)その他の投資の意思決定を行う他の当事者の権利は、返還の形での利用可能性に影響しない。
本公開草案はまた、資産計上額の決定に際して、報告日において実質的に制定されている法的要求についても考慮することを求める提案をしています。
ステータス
再審議の状況
IFRS-ICは、公開草案に対して寄せられたコメントの分析を踏まえ、公開草案の表現を一部修正することを前提に、IFRIC解釈指針第14号の限定的改訂を最終化することをIASB審議会に提案しました。
その後、IASB審議会にて、IFRIC解釈指針第14号の改訂がもたらす影響に新たな懸念が生じたため、情報収集による状況確認が必要であると確認されました。
2017年9月のIASB審議会では、アウトリーチの結果を受けて検討を行った結果、積立超過の返還に係る企業の利用可能性に関して、IFRIC解釈指針第14号においてより原則主義的なアプローチを開発できるかどうかを引き続き検討することを暫定決定しました。
2020年2月のIASB審議会において上記の検討状況のアップデートがなされ、IFRIC解釈指針第14号の改訂案を最終化しないことが決定されました。その後もIASB審議会ではリサーチを行ってきましたが、2022年2月のIASB審議会でプロジェクトの進捗を検討した結果、その見通しは限定的であると結論付けられ、当該プロジェクトを作業計画から除外することが決定されました。